こんなにも面白いローマ帝国１５００年の歴史

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投稿者：いえぽん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

極めて広範な地域を、他に例を見ないほど長い期間支配・統治してきた上、様々な事柄が文書化されている古代ローマに関する資料や書籍は、膨大な数にのぼります。共和制・帝政を通した、いわゆる「古代ローマ通史」を扱ったものに限っても、かなりの種類が存在しており、視点も書籍によって異なります。ローマが行ってきた戦争に特化したもの、軍事的・社会的なシステムを重視したものなど、様々なものがありますが、本書は、皇帝や将軍などの足跡と、歴史全体の流れに着目した、非常にスタンダードな、「上から」の視点を持つものです。表紙には、剣闘士の画像が掲載されていますが、実際のローマ史において、剣闘士たちが、闘技場の外では、それほどの存在感を見せなかったのと同様に（剣技に卓抜していたのはあまりにも明らかだったにも関わらず、剣闘士や、元剣闘士には、軍への入隊が認められていなかったと聞きます）、剣闘士たちを扱う項目は少なくなっていますので、その点は注意が必要かも知れません。
　
本書は、安価でコンパクトながらも、歴史の基礎的な流れを理解できるという点で、概説書・通史書としての機能をしっかりと果たしていると言えます。いわゆる「こぼれ話」的な要素はそれほどありませんが、より専門的な書籍や、異なる視点からの通史書を読み解いていく前段階の入門用として、あるいは、学校の授業や講義、古代ローマを舞台にした作品への理解を深める副読本として最適だと言えるでしょう。とてもリーズナブルな一冊だと思います。

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投稿者：マー君　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ローマの歴史を神話の時代から滅亡までを大づかみに理解するには十分な内容。俗説を含め、通説的なローマ史の理解に向く。