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天皇・コロナ・ポピュリズム ──昭和史から見る現代日本
著者 筒井清忠
コロナ禍の現代日本は、昭和の戦争へ向かった時代に酷似している。メディアの発展と普通選挙の実施でポピュリズム政治が横行。議会制民主主義への懐疑が広まり、天皇をシンボルとした...
天皇・コロナ・ポピュリズム ──昭和史から見る現代日本
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天皇・コロナ・ポピュリズム 昭和史から見る現代日本 (ちくま新書)
商品説明
コロナ禍の現代日本は、昭和の戦争へ向かった時代に酷似している。メディアの発展と普通選挙の実施でポピュリズム政治が横行。議会制民主主義への懐疑が広まり、天皇をシンボルとしたポピュリズム、民衆による下からの突き上げが起こり、日米戦に突入していく。なぜ天皇は利用されてしまったのか。強制力の弱い名ばかりの国家総動員体制は、いかにして天皇をシンボルとする社会の同調圧力、下からの突き上げで動かされたか。歴史を教訓に、我々はいま何をすべきかを問いなおす。
目次
- はじめに/第1章 岐路に立つ象徴天皇制/バジョットが説いた民主制の意義/ジョージ五世と昭和天皇/戦犯論と新憲法/文化を強調した福沢諭吉『帝室論』/上皇の「警告」型を新天皇は踏襲するか/第2章 天皇周辺の「大衆性」──近衛文麿と宮中グループ/ともに過ごした青春の日々/三人を魅了した平等主義/貴族的「先手論」の限界/宮中グループと近代日本の蹉跌/第3章 戦前型ポピュリズムの教訓/憲政史上初の問責決議可決/天皇シンボルをめぐる抗争/「清新」な軍部や官僚の台頭/超越的勢力とメディアの結合/ポピュリズムに陥らないために/第4章 コロナ「緊急事態」で伸張したポピュリズム/情けない「国家総動員」/名ばかりだった近衛新体制/過剰同調・監視社会化/緩い法制とポピュリズム/専門家のあり方の再考を/第5章 ポピュリズムと危機の議会制民主主義──菅内閣論/突然の退陣表明/田中義一の教養/政治評価感覚の変化/派閥なきポピュリズム/非政党勢力とメディア世論の合体/議会制民主主義の危機/第6章 大正期政治における大衆化の進展/日比谷焼打ち事件と大衆の登場/大隈ブーム/朴烈怪写真事件/第7章 関東大震災と「ポピュリズム型政治家」後藤新平/第二次山本権兵衛内閣の成立/山本内閣と新聞世論、政党の動き/後藤・犬養と新党運動/新党計画の挫折/後藤攻撃と後藤の挫折/本章のまとめ/第8章 「大正デモクラシー」から「昭和軍国主義」へ/1 昭和超国家主義者の内面/超国家主義への移行をどう見るか──久野の丸山批判/伝統的国家主義の超越──橋川文三の超国家主義観/煩悶青年と北一輝の個人主義/超国家主義第一世代の悩み/血盟団員・菱沼五郎の軌跡/非合理的・非主体的な思考/宗教的な救済願望/ポストモダンな宗教的運動としての超国家主義/2 陸軍中堅幕僚の思想/陸軍の派閥と中心人物/辻政信の軌跡/近代的能力主義が太平洋戦争につながった/下克上の構造/第9章 太平洋戦争への道程とポピュリズム/国内危機の背景──軍人の不遇、恐慌/国外危機の起源──満州問題、国内に浸透する平等主義/政党政治への失望と「清新で中立的なもの」への待望/「バスに乗り遅れるな」──戦争の道へ煽るメディア/自由主義・議会制民主主義の重要性/終章 ポピュリズム型同調社会と政治的リーダーの形成/同調社会と日本文化論/農村から都市への同調型体質の転移/「バスに乗り遅れるな」/ナチスの電撃戦に熱狂した大衆/マスメディアが煽った強硬論/「世界情勢の大変革」認識/「都鄙の感覚」による世界の大勢への志向/政治的リーダーに必要な文明論的視野/あとがき
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