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久しぶりに最後にほっとできるミステリーを読みました。
柳川和奈は小学校の先生です。
高校3年生の妹莉緒と公営団地に二人暮らしです。
父と母は十年前、父の不倫により離婚して父は他の女性と家庭を持ちました。
母はそのせいで、働きづめで3年前過労による病気で亡くなっています。
それから和奈は働いて莉緒を育ててきました。
そして、和奈は莉緒がキューピット役となり同僚の村山恭平先生と交際中でした。
そんな和奈が2年3組の担任になって間もなく5月の授業参観で和奈は驚きます。父の不倫相手であった(父は8年前に病死)西井千賀子がクラスの生徒の西井こずえの保護者として現れたのです。
和奈は母が亡くなったのは千賀子のせいだと思っています。そこで和奈は千賀子のところを訪ねます。千賀子も和奈のことを覚えていました。
和奈は「あなたは幸せですか。私はあなたを許さない。あなたが飛び降り自殺をしなければ、こずえちゃんを殺します」と脅します。
そして、千賀子は最初は渋ったのものの、本当にこずえを殺されると思い、飛び降り自殺をします。
K県の捜査一課の刑事、高峰と工藤が和奈と千賀子の関係性に気づき、和奈のアリバイを調べにやってきます。
千賀子が飛び降りた時間帯は和奈は恭平とのデート直前で事件現場に行くのは不可能でした。
莉緒もまた調べられますが、アリバイはありました。ただ、高峰刑事が和奈を疑っているのは明らかでした。
その後そのまま時が過ぎれば事件性のないただの自殺として処理されるはずだったのですが、和奈が警察に行き自殺教唆を自供します。
なぜ、和奈はアリバイがあるのに自供したのか…。
真実は全くわかりませんでした。
哀しい犯罪の話ではありましたが、いい話だと思いました。タイトルと表紙のイラストの意味が最後にわかります。
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Amazonの紹介より
父は、私たち姉妹が子供の頃、外に女を作って家を出た。
女手一つで私たちを育てた母は、過労がたたって、数年前に亡くなった。
私は成人して教員になり、妹は受験生として頑張っている。
すべて忘れて過ごしていたはずなのに、
小学校の授業参観の日、唐突にあの女が現れた。
可愛らしい女の子の母親として。
なぜ今になって……。
私はあの女を許さない。
私たち姉妹から家族を奪って、自分だけ幸せになるなんて!
少女の叫びが胸をうつ、慟哭の最終章。
読み終わったとき、タイトルの本当の意味が立ち上がる!
戦慄と感動の読書体験をあなたに。
不倫が招いた度重なる悲劇に連鎖することの恐怖を感じました。子供にまで及ぼす影響に、ことの重大さが伺えました。
最初の展開で、不倫の女性に静かな脅迫、そして自殺。次犯人も読み手としてはわかっているので、割とあっさりトントン拍子なのかなと思ったら、最後には意外な真相が待っていました。
古畑任三郎のような倒叙ものでしたが、ミステリーだけでなく群像劇としても楽しめました。
それぞれの登場人物の辛い心理描写に胸を締めつけられました。特にエピローグの少女の叫びが一番印象深く、言いたい事の全てが詰まっていました。
そして、読了後に感じるタイトルの意味には、深いなとしみじみ思ってしまいました。
復讐が復讐を生む。それぞれに家族がいます。それぞれの立場から見た登場人物の心境を読んでいくと、切なく複雑な気持ちになりました。
こうした気持ちにならないためにも、自分勝手な行動が、いかに大きな影響を及ばすのか。色々考えさせられたミステリーでした。
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なかなかのミステリー小説だった!いろいろ仕込みあり更にプロローグと第1章ではいきなり殺人場面から始まり物語が進むにつれて何かドンデン返しがあるような気になりだす。更に最後には感動が待っていた。良い本に出会えた❗️
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本のタイトル『ナイフを胸に抱きしめて』の本当の意味がラストで分かった。
誰かに向けてではなく、誰かに向けてしまうことのないように。
恨んだり憎んだりする気持ちにどう決着つけたらよいのか、それに対する答えのひとつを教えてもらった。
自分にとってどんなに憎い人であっても、別の人にとってはとても大切な人かもしれない。
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10年恨み続けてきた相手との再会。まさか殺してしまうとは思わなくて衝撃だった。
自殺教唆。姉のため。自分が殺めた自覚がさほどない。
葬儀で見たこずえちゃんの姿に、なかったことにはできない。
きっかけは、父との不倫で、西井千賀子に家族を奪われた恨み。
たまたま再開したことで、姉が母の仏壇の前で泣いているのを妹が見てしまった。
姉の代わりに恨みをはらす。
家族がいると知りながらも好きになってしまい、相手の家庭を壊してでも一緒になりたかった西井千賀子。
父も母も亡くしてしまい、殺したいほど恨み続ける姉。
姉の姿を見て、姉を幸せにしてあげたい、姉の代わりに恨みをはらす妹。
母を失ったこずえ。
「みんな自分勝手」
憎くて、どうしょうもなく許せないことでも、恨みの連鎖にしてしまっては、終わりがない。
法で裁いてほしい。罰を受けてほしいと思っても、叶わない事例がある。そのときに、どう晴らすか、どんな解決法があるのか。
村山先生という信頼できるサポート役がいることは、とても大事なことだと思う。話せる、聞いてくれる。そんな相手がいるだけで、かなり救われると思う。
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とても静かで丁寧なプロローグ。
それは、姉・和奈が小学校の教師で、高校生の妹・莉緒との二人だけの堅実な生活をしているところから始まる。
10年ほど前に父親が不倫をし、母と離婚する。
それから3人の生活だったが、母親も3年前に心筋梗塞で亡くしていた。
姉妹にとっては、父と母を奪った相手を憎く許せなかった。(だが、その憎しみは姉だけにしか感じなかったのだが…)
その相手は、和奈の受け持ちのクラスの母として授業参観で目にしてから抑えきれなくなった。
その相手が、飛び降り自殺をする。
だが高峰刑事は、飛び降りを命じたのではないか…と姉を疑っていた。
やがて思ってもいない展開になる。
激しさなどまったく感じさせずに静かに流れていくのも怖いものがあるが、ページを捲る手は止まらない。
だが、考えることを与えてくれる。
何をどうしようとも人が亡くなったのに変わりはなく。
それが、復讐だとしても誰も解決したと思えない。
いつまでも心に重く残っている。
残されたこずえちゃんのみんな勝手だ。ということばと押しつけられたナイフは、もう誰にも渡さないようにがんばるから。ということばに少女なりに気持ちを整理し覚悟をしたんだという叫びを感じた。
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話の進め方とか
章ごとに主人公が違うとか
すごく私好みだったのに
ラストは普通すぎて拍子抜けした。
しかし完全犯罪だと思うのだが
刑事はあんなに優秀なのか。
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人間に憎しみという感情が存在しなければ、どれだけ生きやすくなるだろう。
主人公は小学校教諭の柳川和奈。
二年生のクラス担任を受け持っている。
ある日の授業参観で目にした母親はかつて自分達家族から父親を奪った女性だった。
嫌な記憶に蓋をするように生きて来た和奈にとって最悪の偶然。
再び蘇る憎しみの感情。
法律で裁く事が出来ない行為だからこそ、どこにも持って行き場のない和奈のやり切れない思いに共感する。
だが憎悪を復讐に変えた所で、復讐も憎しみも連鎖し続けるだけだ。
ラスト二頁で明かされるタイトルの意味に胸が締め付けられる。
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柳川和奈は妹の莉緒と二人暮らしだが、それぞれ小学校の教師と受験生.和奈は西井こずえの保護者が千賀子であることを最新知って動揺している.彼女は姉妹の父を奪った女だからだ.千賀子が飛び降りて死んだことから話が展開する.和奈は当日同僚の村山恭平と食事をしており、莉緒は予備校で勉強中だった.工藤と高峰が捜査を担当したが、自殺教唆と推測され証拠は皆無だった.しかし、和奈の自首、高峰の違法捜査など意外なトピックが出てきて、急展開するストーリーが楽しめた.
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『ナイフを胸に抱きしめて』です!(うん)
『ナイフを胸に抱きしめて』ですよ!!(うん、そうだね)
『ナイフを胸に抱きしめて』なんですよ!!!(だから、題名やろ?分かってるって)
『ナイフを胸に抱きしめて』なんだよぉお!!!!。゚(゚´Д`゚)゚。
(どしたどした)
幼い姉妹から不倫からの略奪婚で両親を奪った女が母として再び目の前に現れたとき、姉の心にあったのは消えることない激しい怒りでした
そして、復讐の炎に晒された女性は脅されるがままに自ら高層階から飛び降ります
そうです姉が胸に抱いたナイフは復讐を遂げるのです
だけどね、物語は最後に小さな体に込められた大きな決意によって、すんばらしい結末を迎えます
是非ともこのすんばらしい結末を味わってほしい
そしてもし自分が「復讐ナイフ」を手にしたら…そんなことも考えてみてほしいのです
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カリスマレビュアーさんが
ナイフを胸に抱きしめて…と先日連呼してまして。
泣けるミステリーだから泣きましょう!
と言うことで早速借りました♪
殺人があり、事件の捜査あり、どんでん返しがありのしっかりしたミステリーでした。
ただ事件の真相よりも彼氏である同僚の先生が担任の1人の生徒にする話がとても良かった。
人に酷いことをされた時、許せないとダメなのか?
ラノベ風の表紙に騙されてはいけません!
なかなか深いです…はっきりと答えがでない問題でグルグルと考えさせられました。
読み終えてなるほど!でした︎‼︎
ナイフを胸に抱きしめて
ナイフを胸に抱きしめて
たしかに‼︎
タイトルの通り‼︎
カリスマめろん君が読んでオススメされなければ絶対に読まない表紙の作品でした笑
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父の不倫相手と出会ってしまった。
父が亡くなっている今、相手はシングルマザーとして娘と質素に暮らしている。
その娘を「殺します」あるいは「あなたに死んでくださいとお願いしているのです」
と、脅迫している傍らで、あなたが死んだ後の娘のことは「妹です」「家族のことは守ります」
と、書いてあるので違和感を覚えた。
(だったら、殺せるはずないでしょ)
展開早く、どうなるのかとページをめくる手は早く一気読み。ドンデン返しが待っていた。
最初の違和感は、あえてこのドンデン返しの伏線だったのか?
ともかく、最後まで消えない違和感が残念だ。
#高校生
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家族を捨てて若い女と再婚した父親の不倫相手が、小学校で自分が担任をしているクラスの子の母親として参観日に再会するんですよ。
もう悲劇しかみえない。
タイトルの「ナイフ」が何を指しているのか、そしてそれを「胸に抱きしめて」誰にも渡さない覚悟を決める。
まあまあそうだろうなと思うどんでん返しだけれど、その後のエピローグにグッときました。
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メッセージ性の強い作品。
憎しみは憎しみしか生まないので誰かが終わらせなければならない。
このナイフは世界共通で誰もが持っているので、もしもそういう事が起こった時にちゃんと胸に抱きしめれるような人間になりたい。