紙の本
ちょっと難しかったです…
2023/05/13 18:33
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投稿者:ムーミン・パパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「螺旋プロジェクト」全巻読み終わりました。どれも面白かったです。
ただ、この作品は背景が原始時代なので作品の文章中にもカタカナ表記が多く、ちょっと読みづらい箇所もありましたが「山族と海族」の始まりの物語…楽しく読ませていただきました。
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投稿者:かい - この投稿者のレビュー一覧を見る
螺旋プロジェクトの文庫化にあたって読みました。刊行順に読んでいるので3冊目でした。現在のところ言葉をやや変形して綴られているのが面白かったです。
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海の民の少年オトガイは父からある役目を引き継ぐ。山の民の少女マダラコは生贄の儀式から逃れて山を下りる。二つが出会い、すべてが始まる原始の物語。
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螺旋プロジェクト1冊目。
勝手に海と山の両サイドから物語を描くものと思ってたけど固定概念だった。ほぼ、海サイドのみで展開するのは新鮮。
ただ、時代設定に関してはかなり貧乏くじ引いちゃってるでしょ、この作者さん。
言葉が明確に通じない時代性や古めかしさを表現するために太陽をオオキボシと呼んだり、神秘的な役割?にハイタイステルベと名付けたりと雰囲気を出してるのはいいけど、そのせいで「これってなんのことだっけ?」みたいな部分が多くて内容がすんなり入ってこない。
理解力の無い読者ですまぬ、大森兄弟さん。
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全く知らない固有名詞が次々と当然のように出てくるので、頭から置いてかれてしまった。
ウナって何?オトって何?あーウナってそういうこ…ハイタイステルベって何?一個一個理解が追いつく前に次知らない単語が出てくるから何度か飽きてしまった。
ただ、ちょっと慣れると急に読みやすくなるし、この文体に触れ続けていると、文明が未発達だった頃の不明瞭な手探り感みたいな部分が感じられて良かったし面白かった。めちゃくちゃチャレンジングな事をやっていて、話の筋もしっかりしていて、技術とバランス感覚が突出していないと書けない作品だと思った。
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大森兄弟の作品。
実の兄弟による小説家コンビとのことだが、今回の『螺旋』プロジェクトで目にするまで作者さんの事は知らなかった。
『螺旋』の全ての始まり、原始を担当する。
読み始めて直ぐ、その設定に取り込まれた。
どこか辿々しい語り口、固有名詞ではなくブンブン等の形容を用いた呼び名…。
それらは全て、人間がこの世の主導権を握っていると勘違いする前、もっと大自然や生きとし生けるものを敬っていた時代設定だからこその、作者の仕掛けた技法だ。
現代と共通の固有名詞が生まれる以前の原始が舞台なので、作者は創意工夫を凝らしたんだろうな。
そしてなんとなく、
ハイタイステルベ=廃体捨てる部(←語り部、物部などの「べ」と同じ使い方なのかな)
ウナノハテノガタ=海の果ての方(潟?)
なのかなーと思いながら読んでいた。
ウナ、オオキボシ等の耳慣れない呼び名について何の説明もないまま、当たり前のように物語が展開してゆくが、それらが何を指しているのかは前後の文から直ぐ分かる。
作者の用意した世界に段々と慣れてきた頃、ウェレカセリの名前が登場してハッとした。
伊坂幸太郎の小説では、ウェレカセリとは人工知能の名前だった。
原始のウェレカセリは言ってたじゃないか、「その時にはもう別のジダイにいるのっ。」。
改めて、螺旋プロジェクトとして繋がっている事にワクワクした。
イソベリ、ヤマノベ其々の特長や生き方がうまく描かれていた。
争いの切っ掛けもこの時代ならではの事で、違和感なく受け入れられた。
螺旋プロジェクトという大きな歴史の流れの始まりの物語だと思うと、良く出来てるなーという感じた。
【追記】
文庫の巻末、「螺旋プロジェクトが誕生するまで」の座談会がとても楽しい。
【追追記】
2022.12.14
他の螺旋プロジェクト作品を読み進める内に、
「ウナノハテノガタ」の良さが分かってきた。
☆3→☆4へ変更
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Amazonの紹介より
「いいか、島でのこと、だれにも話してはいけない」
海の民の少年オトガイは、父から代々伝わる役目を引き継ぐ。山の民の少女マダラコは、生贄の儀式から逃れて山を下りる。死を知らぬ海の民イソベリ、死を弔う山の民ヤマノベ。
二つが出会い、すべてが始まる。これは、対立の運命を背負わされた海族と山族の神話を描く、原始の物語。
螺旋プロジェクトの原始時代編ということで、大半が原始時代ならではの独特な言葉の言い回しになっていて、多少難しい部分がありました。
なかなか全部を理解しづらかったのですが、なんとなくこうなのだろうという表面的なことは理解できました。
「山」と「海」との出会いをきっかけにわかってしまう「死」に対する恐怖や自覚が芽生えていく過程は読んでいて怖く感じました。
他の種族と比較できない分、それが当たり前だと思ってしまう日常。「他者」が現れたことによる弊害、嫉妬、争い事などは、いつの時代も変わらないんだと感じてしまいました。
また、それぞれの種族の死生観に対する考え方が、第三者から見ると、どちらも不気味に感じましたが、もしかしたら今も世界のどこかでは、そういった考え方を持っている種族がいるかもしれません。
他の種族と暮らすことの難しさが、如実に現れていました。
螺旋プロジェクトということで、他の作品とリンクする面白さもあって楽しめましたが、現代語ではなく、あえて原始時代っぽい表現や言葉でしたので、ちょっと消化不良な印象だなと思いました。
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ずっと気になっていた螺旋プロジェクト、時系列で読んでみたいなーと思っていたので、もっとも古い時代を描いた本作が単行本化されたタイミングで手にとってみた。
ほとんど海族の視点から物語がすすみ、おだやかだった彼らの暮らしに山族が接触したあたりから少しずつキナくささが増していく。
終盤の壁画を読み解くあたりから皆で島に渡るまでの流れはとても面白かったと同時に、平和で穏やかにみえていた海族の皆が、死の概念がないが故に、危険に対して無頓着で実は体がボロボロだった、というのが明らかになる過程はちょっとしたディストピア小説のようでゾクゾクした。
この後、どのように海族、山族の対立がさまざまな時代設定でさまざまな作家さんに描かれるのか、期待はますます膨らむ!
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螺旋プロジェクトの1冊目まずは一番古い時代から読んでみよう、手に取りました
が、まず分からない言葉を覚えるのが大変でした
…まあ原始時代だからねぇ
表紙は穏やかな風景だけど現代人には到底生き抜けられそうに無い生活
やだ、この時代に生まれなくて良かったぁ
なんて思いつつ読み進め
お互いを知らなかった海族と山族が出会い対立、そしてお互いに降りかかる大きな困難のハテに何があるのか?…どうか幸あれ、と、本を閉じました
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螺旋プロジェクトの原始時代編。
自分が読んだ順では、昭和後期~平成~近未来の2冊に次いで3冊目。前の2冊は今の自分のいる時代と地続きのお話として読める。でも他の物語を読み終えてみると(まだ全4冊だけだが)、伊坂さんが目指した、「火の鳥」のような時代を超えた一連の作品になっているのが分かる。「火の鳥」は何度も読んだなあ。クマソの話、不死になった宇宙飛行士の話、仏像彫りの話・・・
さて、この「ウナノハテノガタ」。よく書けたなあ、が感想。背景設定、キャラクター、シナリオ、構成、演出、情景描写、言語(音)使い・・・どれも非常にレベルが高い。実写化、アニメ化には向かない描写が多いが、逆にこの時代っぽいリアリティを醸し出していると思う。大地震や津波を持ってくる辺り、日本という地域を意識させる演出にもなってる。
毛皮も爪も無くバランスの悪い体を持つ人間は自然に対して本来ひ弱。ケガもすれば火傷もするし、それは簡単には治らない。でも、マンモスや大きな鳥を絶滅させるくらいの変な方向性の力も持ってる。やっぱりでも自然の力にはかなわない。したたかに生き残ってきているはいるけど。災害の後に生まれるのは、諦念なのか、希望なのか。
文化や宗教。子孫たちがここシオダマリで住み続けられるようイソベリが作り出した物語、とウェレカセリは言った。始まりはちょっとした知恵や工夫の集合だったのだろうけど、情報を知る者の優位性が強化されるにつれ、知らざる者を支配するための、為政者のツールになっていったんだろうな。
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螺旋プロジェクト 原始編
海族・イソベリ イクサから逃れてシオダマリで原始社会を形成し、死の概念を未だ持たない
山族・ヤマノベ 戦闘的で犬を飼い、生贄の儀式を行い、死者を弔う
相容れない二つの民族が、地震により、生贄から逃れた山族の女性が海族に紛れ込んでしまう。
会うべきでない二つの民族。イソベリは傷ついたヤマノベを助けるが、共存するには風習習慣が違いすぎた。あるいは、もはや、性格の不一致としか。
原始の雰囲気をだそうと、名称、会話、文章とても工夫されています。大変な時代を担当されたなあと思います。その表現から、なかなかストーリーが読み取れない。その為か、単純な原始社会の対立風になっていると思います。
イソベリの死の秘密を守らなければならない“ハイタイステルベ”を引き継ぐ少年の葛藤は、良い感じだった。
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螺旋プロジェクトの私が読んだ3冊め。他の人も言っているように、最初は読みにくい。ただ、辛抱強く読み進めると、すごく面白い実験的な作品とわかってくる(^^)。現在、過去の死生観にも大きな投げかけがあるような気がするのは、深読みか。
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螺旋プロジェクトの第1弾。
固有名がなじみのないカタカナで、また古代を表現するために知らない単語で表現しているので最初はメチャ苦戦しました。第2章が終わる頃には慣れましたけど、進んでは戻り、進んでは戻りを繰り返しました。
死の概念がないイソベリと生贄という犠牲を払って生きるヤマノベ。現代の感覚ではどっちもどっちな感じがしますが、この物語を神話、と捉えると、まぁこういう世界観もアリかな、と思いました。
ハイタイステルベの家系、カリガイ・オトガイはマダラコが言うように、イソベリの生贄として生きることを強いられていた。イソベリの掟のようなものを守るために。カリガイは辛かっただろうな、と思いました。マダラコもそれは同じことですが、マダラコはヤマノベで死を理解しているので、逃げ出せたんでしょう。
ウナクジラはどういう役割で登場したのかな?たぶん、ハイタイステルベはイソベリを守るため、って言っていたけど、死を理解させることでイソベリの目の前で朽ち果てていったのかなぁ、と思いました。また、共通シーンの何かが壊れる、の何かはこのウナクジラなのかなって思います。ほかに該当するようなものなかったしな。
超越的な存在はウェレカセリ。途中でエビヌマに沈んだまま出てこなくなって亡くなったのか?っていう謎はあるでんすが。ウェレカセリの残したメッセージを、マダラコとオトガイが読み解くところは、面白かった。ウェレカセリは全部、知っていたんでしょうね。ウェレカセリの喋り方、おもしろい。
最後、残っていたヤマノベたちもイソベリの舟に乗れたのか、その舟の穴は大丈夫だったのか、「ウナノハテノガタ」に向かって行けたのか、マダラコはイソベリたちとうまくやっていけるのか、ヤキノが新たな災いのもとにならないのか・・・。疑問がいっぱい残ったまま、希望のエンディングを迎えた。
苦戦したけど面白かった。
螺旋プロジェクトの第1弾として読みました。別の作品でマダラコとかオトガイとかまた出てきたらエエな、と思います。ウェレカセリはどこかで登場するみたいですね。楽しみです。
引き続き螺旋プロジェクトを読んでいきます。
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「螺旋」プロジェクトの2冊目。一気に古代に飛んでみた。年跨ぎで読んで今年の1冊目。
山の民(ヤマノベ)のマダラコが生贄の儀式から逃れて山を下り、海の民(イソベリ)の集落に辿り着くところから始まる物語。
カタカナで聞きなれない単語が多い文章は読みづらかったが、これは最初のほうの話を読むうちに慣れた。
寧ろ付かず離れずのところでそれらしい言葉を作り出す苦労が思われる。この時代を担当するのは大変ね。
言葉も食べるものも風習も異なる二つの民。異文化が衝突するところで何か起こるというスリリングな設定に思えたが、面白くなる前に終わってしまったという感はあり。
ただ、だからと言って面白くなかったわけではなく、この見知らぬ想像上の種族の思わぬ特徴や属性だったり、小さな衝突がどう転がっていくのかなど、作者が作ったワールドに結構興を惹かれながら読み進めることは出来た。
『死を知らぬ海の民、死を弔う山の民』という二つの死生観やウェレカセリの壁画の意味(オトガイとマダラコがこれを読み解き辿っていく場面には興奮した)など、これらを突き詰めていけるともっとこの物語に対する理解(本当の面白さ)が深まったのではないかと思うのだが、私の頭では難しかったのだった。
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「原始」を時代背景にした本を初めて読んだ
未来と同じくらい未知なる世界
空の高さに勝る海の深さのような世界
最初はとにかく言葉がわからず読みにくかったが
しばらくすると英文で知らない単語が文脈でわかるように、なんとなく読めてしまう。
生命力ほとばしる作品