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今年、最後の読了作品。ここ最近、1ジャンルとして確立した感の有る、インド・ミステリーですが、これもその1冊。今年、読んだ中でも、ネブ・マーチ「ボンベイのシャーロック」とアビール・ムカジー「阿片窟の死」が非常に良作だった。2作とも、イギリス統治時代の歴史ミステリーで有るが、この作品は、現在のコルカタとロンドンが舞台。原題は、「THE WAITER」、シンプルで非常に良い題で有る。
ストーリーは、3ヶ月前のコルカタで起きた映画スターの殺人事件の回想と現在のロンドンで起こった大富豪の殺人事件の成り行きが、かつてインド警察の副警部、今はロンドンでウェイターをしている(しかも不法就労)主人公カミルを通して、交互に語られる構成となっている。2つの事件が繋がった時に真相が明らかになります。事件の真相は、取り立てて驚くべき物では有りませんが、推理の無理もなく、ミステリーとして良く出来ていると思います。ただ、結末をこう持って来るのかと思 う人はいるかも知れません。邦題の「謎解きはビリヤニとともに」は、内容に比して、少し軽過ぎるように感じ、残念です。
最後に本作のテーマは、「正義は、何事にも優先されるべき物なのか」という事です。
☆4.5
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インドとイギリスを舞台にしたミステリー。無関係そうな二つの事件が最後にからみあって……。
出てくる料理が美味しそう。異文化を感じられるのも、本書の魅力だと思う。
面白かったけど、結末が納得いかない。
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表紙と邦題に騙された。
コメディタッチのミステリーだろうというこちらの予想を見事に裏切るシリアス展開だった。
元刑事(現ウェイター)のカミルが遭遇したパーティーでの事件と、彼が刑事時代に担当した事件。
現在と過去が徐々に交差していく過程が面白い。
でもあの終結の仕方は意外だったな。
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まず、原題は「ザ ウェイター」なのに邦題が軽くて違和感があった。内容はコルコタの元刑事がロンドンのインド料理店でウェイターをやる内に殺人事件に巻き込まれる。過去の事件と現在が交互に書かれて真相に向かって行くと言うもの。インドの仲間内の人脈や結束力の強さを感じたが、何より数多く出てくるメニューやスパイシーな香りが漂うような描写に空腹感がたまらなかった。結末は残念。
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『謎解きはビリヤニとともに』読了。
ロンドンが舞台で主人公は元刑事のインド料理店ウェイターとのことで邦題の印象も手伝ってコージーミステリ連作短編かと思いきや、現在/ロンドンの事件と過去/コルカタの事件が交錯する読み応えガッツリ系だった。とはいえ邦題もそうだけど、茶目っ気たっぷりな書きぶり(ワトソン役のヒロインが着てるネタTシャツのバリエーションとか)もあってぺろりと平らげてしまった。
まあやはり邦題詐欺感は否めないけれど、損には思わないおもしろさ。特にコルカタの事件を巡るあれこれは警察小説であり冒険小説であり、月村了衛好きとしてはなかなかわくわくして読んだ。
主人公が直面する倫理的問いが主題といえば主題なんだろうけどこういう帰結にするにはもう少しバックボーンがいるように思う。とはいえ次作もあるので本作の解決の帰結とそして邦題がどうなるかも含めて邦訳化に期待
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表紙とタイトルからの想像とは、ちょっと違いました。でも、なかなか楽しめた作品です。
インドからロンドンへ来た元刑事の、過去の清算と、成長…と言えるのかな。
どこに着地するんだろう?とラストは興味深く読みました。なるほど、そういう方向へ。
読み終わると、タイトルがなんか違和感…
普通に、ウェイターではダメなのかな、地味すぎるか?
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とっても面白かった!
ロンドンのウェイターとしての捜査と、過去のコルカタ時代の捜査の記憶が交互に語られていき、テンポよく読み進められる。
最後の方は二転三転しながら意外な真実が明らかになっていく。単に事実を解き明かすだけでなく、理想に燃える青年だった主人公の成長物語でもあった。
著者がShazamのCEOも務めていた実業家だと知って、読後にも驚き。
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軽い邦題にそぐわず、意外に?本格的ミステリであり、台頭著しいインド移民、また本国の文化や現状をも描き出して、とても興味深く読めた。この前に読んだ『窓辺の読書家』でも捜査官はそちらの方面だったし、やはり頭脳がよろしいのか。
失敗をしでかしてすべてを失ったインドの若い刑事が主人公。ロンドンでインディアンレストランを営む父親の友人一家の元へ身を寄せ、不法ウエイターとして働いていたが、豪奢なパーティでホストのインド人富豪が殺され…と、なんとも好物の衣食についてもたっぷり語られるストーリー。
しかも、ホント犯人には愕然…しかも、ねえ。
なかなかに重たいテーマもはらみ、コメディ要素はあるとはいえほんま、タイトルもう少し考えたらよかったんちゃう?
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ミステリー部分はハラハラドキドキ、かつアクション的なところもあって映画っぽく楽しめました。脳内でヒロインと踊るシーンはあったし、父との悲しみのダンスはあったし敵とのブレイクダンス対決あったよ。あとごはんが美味しそう。
謎解き部分と結末はちょっと強引な感じも。シリーズになるみたいなので次回作も期待。
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インドを背景としたミステリー小説は初めて。
異なる舞台や時系列を行き来する構成はたまにあるけど、自分はあまり好みじゃない。話に引き込まれてきたタイミングで中断されちゃうし、前の話を思い出すのが若干負担に感じる。
でもこの話は、そこまでストレスなく読み進められたかも。わりとこまめに場面が切り替わってたし、中盤くらいから話が密接に繋がって、登場人物も共通してきたからかな。
インド警察として格闘する主人公の悩みや葛藤を興味深く読んだ。
全体的に、話の結末や登場人物の会話内容とか、とにかく現実的。「正義とは何か」ってテーマは重いよね。主人公がまだ若くて未熟なせいか、悟り方もいまいち納得感ないし、結局感情的な感じも、やけに現実的だった笑
そういう部分を物足りなく感じるか、味わい深く感じるかなのかな。
私は前者だけど。現実的なだけの話ってあんまり面白いと思えないんだよな。どうしようもない現実に対してどう立ち向かうか、せっかく小説なんだから、魅力的な登場人物がなんかしらの示唆出しをしてほしいんだよなぁ。笑
主人公に同情とか共感はできるんだけど、魅力には乏しかったな〜!
あと邦題と内容にギャップはあるけど、原題のままで初見では手に取らなかったかも。
美味しそうなインド料理の描写は多かった。
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楽しんだ。
インド料理の数々、ちょっとネットで調べたりしながら。
サモサ食べたくなる。ビリヤニのキットをポチった。
インド舞台のサスペンス、ミステリは、現実とどこまで同一視していいのか、疑念湧く。そうかもしれないな、そういうこともおそらく現実にあるんだろうな、というような。
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図書館で。
インドの捜査から外されてイギリスでウェイターとして働いていたらインドの事件となんとつながっていた、というお話。確かに半永久的に使えると思っていたビルを売り払うとか言われたら困るよな…うん。大富豪に嫁いだ娘ほどの年の後妻さんの気持ちはさっぱりわかりませんが。白黒つけるだけが解決じゃないんだよな、という最後の展開は面白かったです。
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ビリヤニ〜とタイトルにあり衝動買いしたが原題にビリヤニはなかったし、ビリヤニは本作品では重要なお料理でもなかった。でも日本ではザ・ウェイターというわけにはいかないだろうから仕方ないか。
コルカタとロンドンの暮らしが窺い知れたのが1番の収穫、特にロンドンで暮らすインド出身の方々の暮らしぶりやマインドの描写が役立った。
主人公や婚約者の考え方は一貫してるようなしてないような。上の世代親の世代及び富裕層なら若い世代にも見られる岩盤固定観念だからこその賄賂や不正みてみぬふり、これは日本も同じで日本の方がひどいかな。キャラとして一貫してしっかり立ち上がっているのはアンジョリ。インド料理は読むだけで本では食べられないが、Tシャツのメッセージがいちいちスパイシーでまるで芳香なインド料理をいただいているごとく、な刺激。
結末が微妙でこれまで熱く語ったり逡巡してきたことはなんかのなと疑問に感じたが、アジアのファミリー観、現代的倫理観、人情、入り混じったミックススパイスな結論か。
ロンドンでタンドーリナイツのような誇り高く良質なインド料理を提供するレストランに行ってみたい!
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料理を含めて固有名詞が馴染みのない物が多かったけど、すらすら読めた!
料理が美味しそう。
ロンドンとインド、過去と現在が交互に出てくるが、読みやすい。
最後、それでいいの?とおもったけど、まぁこれが1番綺麗な終わりかな?
主人公の元婚約者の立ち振る舞いにやや違和感…。
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インドでの失敗した事件と、そのため逃げてきたイギリスでの事件が交差して、、、という話は面白いが、どちらの話もなんとなく中途半端に展開。最後もうやむやな終わり方でなんともモヤモヤ。主人公が今一つ煮え切らないのもモヤモヤ。ただ、この終わり方なのに次作があるとのこと。
次作は少し主人公が成長するのか?期待。