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研究不正 科学者の捏造、改竄、盗用
著者 黒木登志夫 著
科学のすぐれた成果を照らす光は、時として「研究不正」という暗い影を生み落とす。研究費ほしさに、名誉欲にとりつかれ、短期的な成果を求める社会の圧力に屈し……科学者たちが不正...
研究不正 科学者の捏造、改竄、盗用
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研究不正 科学者の捏造、改竄、盗用 (中公新書)
商品説明
科学のすぐれた成果を照らす光は、時として「研究不正」という暗い影を生み落とす。研究費ほしさに、名誉欲にとりつかれ、短期的な成果を求める社会の圧力に屈し……科学者たちが不正に手を染めた背景には、様々なドラマが隠されている。研究不正はなぜ起こり、彼らはいかなる結末を迎えたか。本書は欧米や日本、中韓などを揺るがした不正事例を豊富にとりあげながら、科学のあるべき未来を具体的に提言する。
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紙の本
『研究不正』
2016/11/04 10:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
折しもノーベル賞受賞で湧く日本だがそれに水を差すつもりはないし、それを承知で読む順番になった訳でもない。
飽くまでこちらの都合で本を選び読むのでこうタイミングが好いとチョッと変な気もしている。
最近で思い出す研究不正と言えば、世間を大いに賑わせた挙句自殺者までだした上に本人は博士論文にまで疑念を持たれて折角取った博士号も失うに至った、本書にはHOとして登場するSTAP細胞事件だろう。
本書では古今東西の42にも亘る不正の数々を上げ乍ら一つ一つ検証して行く。
更に大変だったと思えるのは不正の原因とその手段、手口を分類している。
最古の事例は凡そ100年以上も前のものでそこから一番新しい事例までを全て取上げているのは大変な労苦であったろうと思える。
分類されたものを見て行けば分かるがお粗末としか言いようのないものはフェルトペンでマウスに着色したと言う、笑って好いのかバレることは想像しなかったのか、この塗ったマウスの白い毛に黒色の跡が時間が経って薄れてきたら露見しないようにまた塗り足すと言うような、もう小学生レベルのものもある。
そこから近年は込み入った手口になってくる一方、ノバルティス事件のように資金力をバックに都合の好いデータだけを集めるようなものに至っている。
最近の傾向としては所謂、コピペ(コピー&ペースト)で過去の論文の盗用と画像処理ソフトを使った改竄。
画像処理はそれを仕事にしていたので詳しく分かるがないものを存在するようにするなどお手の物だし、加工した画像がどこから持ってきたものかに関わらずコピペ共々ある程度の技術力は必要とするがパソコン操作に慣れた者やそう言う作業が好きな人には趣味と実益が重なって昨今では増加の一途だ。
筆者は研究費欲しさから来るものから短期的な成果を求める余りのもの、と言ったその背景にも論証している。
近年ではネットからの盗用が多いことから第三者機関としてのチェック機能を有する組織も出来てきているらしい。
いたちごっこの状態になっていると思うけれど、世界中で横行している以上はチェックを厳しくしていくと同時に不正を質す、教育もこれからは重要になって来るのではないか。
中々、内容の充実した好い本だったと思う。