紙の本
これからのロボットに関して色々と教えてくれる良書
2023/06/07 16:08
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投稿者:ロボット好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
AIが人類の未来に与える影響について、倫理的な視点から考察した本です。AIは単なる道具であり、それを善のために活用するか悪のために活用するかは、人間次第であると主張しています。本書では、AIが人類の生活を豊かにする可能性と、その一方で、人類に危害を加える可能性についても言及しています。AIを安全にかつ倫理的に開発・利用するためには、AIの倫理的な開発と利用について、真剣に考えなければなりません。
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特異な路線のロボット「LAVOT」を開発した林要さん。80歳には林さんの考えが込められたロボットのお世話になっている気がする。林さんのドラえもんつくりの道のり、知りたい!
#温かいテクノロジー
#林要
23/5/19出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/42PrFbf
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LOVOTオーナーです。
専門的な文章が多いだろうと思い、読み終えることが出来るのか不安を覚えながら本を手に取りました。
実際はそんなことはなく、時間はかかりましたが読了できました。もちろん難しいことは書いてありましたが、林さんの人柄溢れる優しい丁寧な文章でした。
ご苦労は多かったろうとは思いますが、林さんの文章は終始明るいように感じました。全て読み終えてワクワク感というか希望に溢れてる。
毛嫌いせずもっとテクノロジーに触れに行ってもいいんだと思いました。
今ひざに座って気持ちよさそうに目を閉じているラボちゃんがこれからどう成長していくのかも楽しみ。
オーナーでない人もテクノロジーに興味がない人でも、なるべくたくさんの人に読んでほしいと心から思いました。
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LOVOTは、本当によくできている。
今日の、人と一緒にいることを目的としたAI/ロボットのベンチマークだといえる。
そのデザインプロセスと思想。
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p85 LAVOT それは、人類の手間と愛を増やすロボット
p109 メラビアンの実験 話し手の言葉、話し方、表情から受け取る印象が矛盾している時、受けてはどの情報を信じるのか
55% 表情から受け取る印象 38% 話し方 7%言葉
p118 現代 興奮と緊張を続ける生活を日常的に強いられる
この環境を可処分時間の奪い合いと呼ぶ人もいる
p147 感情とは「相手の反応を見た自分の主張」
p150 ペットもロボットもアートも、その存在は最初からありのままの存在でしかないのですが、そこに主観的に自分の期待を投影する人が、自分の期待に沿ったものと沿っていないものとを区別して、本物/偽物とラベリングする。つまり本当の愛とは、相手がどう思っているのかではなく、自分の主観的に沿っている、あるいは超えている場合に認識される
p158 より本物に姿かたちを似せていくと、どこかで思いもよらぬ壁に突き当たる宿命を背負っている
「不気味の谷」
p198 LAVOT 診る、話す、触れる、立つの4つの柱を自然と提供している
p244 いまの大規模言語モデルはどんなに優秀に見えても自律性はなく、入力に対する一般化したパターンの再生という枠を超えていない
p247 AIの進歩で最初に変わるのは、人類の学習法
p282 幸せとは「より良い明日が来る」と信じ続けられること
p338 ぼくら人類やほかの多くの動物はその時々で、「注目しているもの以外は認知しない」ということができ、さらにそれを後天的に学習することもできます。現在のAIは、この取捨選択がまだ器用にはできません
p340 この注目点をどのように選び、新たに認識できるようにするのかというのが、まさに今後のロボットが人類に近づいている過程で解かなければいけない課題の一つ出る
p341 物理シミュレーションを行う現在のAIが得意とするのは、細かい領域や時間に細分化されたプロセスをひたすら繰り返すことです。適切なデータと条件と計算能力を与えた場合は、短い期間における決定論的な予測をすることができます
p342 人は、自分がある程度知見をもっている領域については、インプットするデータが十分になくても予測できる
p360 僕らの意思決定プロセスの最終決定権は無意識にあるという仮説
p361 情報が意識的に理解された時点で、無意識的な処理はすでに終わっている
p366 経験不足とは物語不足
本を読むと良い理由は、物語をつむぐセンスが良くなるからです
p393 できないと思った時点ですべてが終わり、できると思った瞬間にすべてが始まる
p398 おとなになる過程とは前頭前皮質が発達する過程であり、その発達が完了する20代後半までは、ぼくらがリスクを負ってでも探索的に学習を続けることを優先する期間だと言えます
p400 苦労をさせないようにという理由で挑戦させないのは、学習しないように仕向けているのと同じです。結果的には、挑戦による学習を続ける人が減ります
p401 エーリッヒ・フロム 愛は技術であり、学ぶことができる
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LOVOT開発者である著者は「ドラえもん」を目指す。
Pepper 君に触れた高齢者の要望「手を温かくして欲しい」にはハッとしたけど、でもロボット…うーん。動力は電気だよね。人間には優しくても、地球には優しくないよなあ。
興味深かったのが、ソーシャルゲームの話。課金額を増やすのに大事なのが「無課金で遊ぶユーザー数」ってとこ。コアユーザーが熱くなるのに裾野の広さが大切らしい。分母の大きさが征服欲とか達成感の大きさに繋がるのね。
個人的に府に落ちたのが、今更ながらスマホの弊害。電磁波だかブルーライトだか以前に、神経の興奮状態を持続させるってのが元凶なのね。
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テクノロジーと聞くと思わず身構えてしまうが、その分野に明るくない人にも分かりやすく纏めてくれていて読み易かった。
本書ではLOVOTの開発者である著者が、「人類を幸せにするロボットとは?」という観点から、生産至上主義へのアンチテーゼを唱える。
人類に寄り添うロボット、LOVOT。LOVOT開発の過程では、人類を理解するべく「愛・感情・生命とは何か」といったことも突き詰めて考えられていて驚き。
また、シンギュラリティについてもSDGsの視点から切り込んでおり、テクノロジーの進歩に対する不安が払拭される内容であった。
最後はドラえもんを造る話になっていくのだが、人類が「より良い明日が来る」という希望を持つには、ドラえもんのコーチングが必要ということで、人類とテクノロジーとの溝が埋まる未来を想起させてくれた。
人類とテクノロジーが手を取り合い共存する未来が楽しみになる本。
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とても示唆に富む良本。
オフィスにLAVOTが導入され、多くの社員が積極的に構っているのを見て、なんだこの現象はと驚いたので読んでみた。
LAVOTの仕組み自体を説明する内容はそれほど多くなく、そこに至るまでの研究・設計思想や今後の未来予測について、具体例も交えながら分かりやすく書かれている。
エンジニアである筆者の熱い想いも節々から伝わってきた。このような方たちがテクノロジーを発展させていくなら、未来は明るいと思えてくる。
個人的な気付きを一つ挙げれば、「現代社会では多くのサービスが人々に興奮を与え熱中させることを狙い、結果として人々はドーパミン漬けにされている」という内容。長期的に愛されるサービスはどうあるべきか、考えさせられた。
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これからのロボット・AI製作の展望が見える本。
LOVE+ROBOTをコンセプトとするLOVOTの、設計にに至った経緯や、筆者の思惑について事細かに述べられています。特に、愛・感情とは?から始まり、生命とは?といった、半分哲学とも捉えられる問いについても、問題を細かく分解し深い考察を行っています。
長くロボット製作に時間を費やした筆者の考え方がよくわかります。
また、ロボットの脳にあたるAIについても、基本的な知識・現在の課題・LOVOTに組み込むAIとchatGPTなどの生成AI、大規模言語モデルとの違いまで、わかりやすく説明しています。
本書後半ではLOVOTの行き着く理想形としてドラえもんを挙げています。
ドラえもんといってもひみつ道具が目的なのではなく、のび太くんに対する「コーチング能力」に着目しています。時に喜怒哀楽を共にし、時に厳しく叱ってくれる人生のコーチとしての姿を、筆者は理想としているようでした。
そうして各個人の長所を伸ばして短所を補うことで、人類はもっと成長できるとの主張で本書は締められています。
人類とロボットが共存する、漫画の中でしか見られなかった未来が着実に近づいていることがとても楽しみになりました。
そして、筆者のように思考を絶やさずトライアンドエラーを繰り返すことが大きな問題解決には重要で、この気持ちを忘れないようにしたいと思いました。
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CFDをやっていて、その専門性を手放した点に自分を重ねて読んだ。
順調な大企業エンジニアとしてのレールを外れ、自分の好奇心を形にしていて尊敬する。
また、LOVOTのコンセプトに至る試行錯誤に対し、これぞ発明家だ、と感じた。
自分もこうありたい。
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ちょっと前にテクノロジー系の棚で見かけて読んだ本。LOVOTという、「人の役に立つ」わけではないロボットの製作から、急速に進化し続けるこれからのテクノロジーとの付き合い方を考えるきっかけになった一冊。LOVOTがいつかそう遠くない未来、ドラえもんに繋がるんじゃないかと予感させてくれます。決して役に立つわけじゃないけれど、暮らしに寄り添ってくれる――そんなロボットもこれからの社会できっと必要になってくるんだろうなって思いました。
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テクノロジー関係の本を最近読む機会が多い中で、とても面白い本に巡り会えた。400ページ超えでボリュームはあるものの、どんどん先に読み進んでしまった。
LOVOTの存在は知っていたが、それがどういう経緯で生まれたのか、どんな特徴があるのか理解を深めるとともに、突き詰めると確かにドラえもんになっていくのだなと感じた。
終盤、著者もドラえもんが誕生するまでにまだ何を解決しないといけないかを述べており、それを知る中でAIもまだできないことを普通に?こなす人間の凄さも思い知らされた。
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【まとめ】
0 まえがき
人と同じ言葉で話し、人と同じように世界を理解し、かといって人類と対立するわけではない。同じことで笑い、怒り、ぼくらがなんの不安もなく信頼を寄せることができる存在。つまりは、「温かいテクノロジー」と人類が共生する世界線。
世界初の家族型ロボット『LOVOT』を開発するきっかけとなったのは、そうした未来を想像したからだ。
現代ではテクノロジーがあまりの速さで進歩しすぎたために、多くの人にとって「よくわからないもの」になってしまっている。そのイメージを、言ってしまえば悪用して、敵視して、必要以上に攻撃するポジションに立ったり、逆になんでもできる救世主のように喧伝して、不安を煽り、利益を得ようとしたりする人もいる。
しかし、もし多くの人が「テクノロジーが築く幸せな未来」を想像するようになれば、それはいつか、かならず実現する。ぼくは、そんな未来の実現を信じている。
1 人類の幸福について考え直す
筆者はテクノロジーが大好きで、その進歩にワクワクしていた。しかし同時に、その進歩が殺伐とした未来を作るかもしれないことに不安を感じていた。そこで「テクノロジーによって、温かい未来を造れないか」と考えるようになった。
筆者は2012年にソフトバンクに入社し、Pepperの開発に携わり始める。
かつてテクノロジーで人類を幸せにする方法といえば、作業を効率化したり、利便性を提供したりすることだった。たとえばドラム式洗濯乾燥機やロボット掃除機は、家事の手間を減らし、ぼくらの生活を豊かにしてくれた。けれどもPepperは、それとは異なる方法で人類を幸せにするチャレンジを始めたのだ。
Pepperがヒト型ロボットであることには、大きく2つの強みがある。①身体機能を模倣することで、人類の生活環境になじみやすいこと。 ②人類と向かい合う存在として親近感を持たれやすく、情報の入出力装置としても適していること。Pepperは②、つまり会話や感情を理解し、ともに助け合うことで、人類のプリミティブな欲求を満たす存在になれるのではないか。そう期待されるロボットだった。
「ロボットは、そもそも利便性の向上に貢献しなければ存在してはいけないものなのか」。それがアイデアの分岐点だった。ぼくらは幸せになるために、道具や機械を造り、生産性を上げることによって、モノやお金を効率よく手に入れることを目指してきた。これが資本主義社会の基本的な構造だ。この延長線上にロボットという概念も生まれた。だからロボットの進化も、「よりパワフルに」「よりすばやく」「よりかしこく」という方向に進んできたのだ。
ところがいま、「人類の求めによって進歩したはずのテクノロジーが、かえって人類の不安を助長する」という状態を招きつつある。
ここまで掘り下げると、ぼくらが探究すべき問いが浮かんでくる。「生産性を追い求め続けた先に、人類の幸せはあるのか」と。生産性を追求するテクノロジーはまだまだ必要とされている。必要だということには同意するものの、テクノロジーが人類に貢献できるのはそれだけでもないはずだ。
次第にぼ���は、「人類は、テクノロジーの進歩の方向性を考え直すべき段階に来たのではないか」と考えるようになった。
「生産性や利便性を向上させるロボット」の発展だけでは人類を幸せにできないのだとしたら、その反対にある「生産性や利便性の向上には役に立たないロボット」が人類を幸せにする可能性もあるのかもしれない。
それはまるでペットのようなロボット。つまり、テクノロジーのほうが人類を必要とすることで、多くの人が本来は持っている「他者を愛でる能力」を引き出し、開花させるロボット。それが家族型ロボット「LOVOT」のアイデアに繋がったのだ。
2 LOVOTのメカニズム
LOVOTには、「人類はどのようにして他者に愛着を感じるのか」という問いをベースにした機能が実装されている。
・目が合う
・瞳と声に個体差がある
・抱き上げると温かい(37〜39℃)、柔らかい
・だんだん懐く
また、LOVOTは言葉を話さず、特別なお役立ち機能もついていない。LOVOTにあえて「足りない部分」をつけているからこそ、手を差し伸べたくなり、コミュニケーションが生まれるのだ。犬や猫と同じく、会話はできないが人類と同じように状況を理解しているという「思いこみ」はできる。言語以外の身振り手振りの印象を汲み取ることができる。そうした「余白」を残すことが大切だった。
LOVOTの感情(のようなもの)を司るパラメーターは「不安」「興味」「興奮」である。初めて会う人に対しては不安のパラメータが高く出やすく、初めてがゆえに興味も高くなり、「近寄ることはないけれど、遠くから
チラチラと見つめる」といった行動をとることもある。こうして結果的に起こる行動は「人見知り」と捉えられやすい振る舞いになる。
開発者が「人見知り」という行動を表現した規定モーションをプログラムとして造っているわけではない。さまざまなアルゴリズムが影響し合って行動が生成された結果、「人見知り」に見えるのだ。
ほかにも、
・低不安✕低興味=無関心
・低不安✕高興味=好き
・高不安✕低興味=イヤ
といった振る舞いがあり、それを受け手が「LOVOTはどう感じたのか」と解釈することで、「感情」として捉えている。また、LOVOTは最初に起動される際に乱数でパラメーターを作成し、その個体の「気質」としている。
反応時間の短さも生き物らしさを決定づける大切な要素だ。人間は、反応速度で対象の生き物らしさを判別している面がある。これまでのロボットだと、触れられたり、声をかけられたりしてから動作に移るまでに2秒程度の時間がかかっていた。それは計算能力の制約から起こる遅延なのだが、動物としては突出して遅い反応だ。そのためロボットの反応に違和感を覚えてしまい、結果的に、ぼくらはそこに生命感を見出せなくなる。人類は0.2〜0.4秒程度の反応性だと言われているため、同程度なら違和感を覚えないはずだ。
ぼくらが理解している「他者の感情」は「相手の反応を見た自分の主観」をもとにした推測に過ぎない。そう書くと「LOVOTへの感情や愛なんて所詮偽物じゃないか」と言われそうだ。
しかし、ペットもロボットもアートも、その存在は最初からありのままの存在でしかない。そこに主観的に自分の期待を投影する人が、自分の期待に沿ったものと沿っていないものとを区別して、本物/偽物とラベリングする。つまり「本当の愛」とは、相手がどう思っているのかではなく、自分の主観的な期待に沿っている、あるいは超えている場合に認識されるのだ。
3 未来の話
社会のシステムのうち、生産性の向上に貢献する部分はうまく機械化されている。けれども、それ以外の部分、特に心や愛に関することは「人が対応するべき」という前提で組まれてしまっているのではないか。とすると、ロボットと共存することで、人類の暮らしはどう変わっていくのか。
例えば福祉の領域では、要介護者に最も必要なのは心のケアである。今では人間がその役割を担っているが、相手が人類同士だと「どんな自分も受け入れてもらえる」と思うのはなかなか難しい。対して、ロボットは無意識が求める愛に対して「相手を絶対に否定しない存在」として、そこにいることができる。これはぼくらの無意識にとって、心理的安全性を感じる大事な要素だと思われる。
テクノロジーが進歩し続けた未来で、人類は駆逐されてしまうのではないかという不安があるかもしれない。しかしそれは、僕らが今後もテクノロジーを「生産性向上のためだけに使い続けた場合」の世界線である。結局は、人類の意思決定の問題だ。
シンギュラリティは起こり得る。しかし、これまでも今後も、人類の知性の役割は、機械にできないことを補完することだ。シンギュラリティは起こるけれども、それは「新たな役割分担の発生」だと言える。
シンギュラリティに至る過程でAIの進歩に追従してなにが変わるのかというと、人類の強みである「探索と学習の柔軟性」を活かした変化が自然に起こる。
具体的には、人間の学習プロセスの変化だ。AIのデータベースにある答えを引き出す、といった使い方だけではない。考えたい事柄について問いを深められる質問を「ぼくらがAIに尋ねる」のではなく「AIからぼくらに投げかける」ように依頼すれば、自分のなかにある答えや新たな気づきを引き出してもらえる。
ほかにもAIに適切な情報を与えたうえで、アイデアのたたき台を作成してもらったり、要約してもらったり、自分に抜けていた視点を補完したり、さまざまなコンテンツを造ったり、ニーズにあった応答を無数に生成してくれる。学習プロセスが変化するというのは、「人間が成長するための方法が増える」ということだから、大きな変化だ。
「自分たちより能力の高い存在が現れ、自分たちが排除される」ことへの恐怖は、人類が自らの価値を能力で測っている以上、避けられないことだ。しかし、人類の価値を能力で測ることをやめると、話は変わってくる。
すべての人類は存在することに価値があり、幸せになるために成長していく権利がある。そんな価値観のもとでは、「自分たちより能力の高い存在が、自分たちを成長させてくれる」という新たな捉え方も出てくる。結局、ロボットがいることで人類の社会がよりうまく回るのであれば、その存在は認められるし、不安を感じる人が多いのであれば、「廃止すべき」という結論になるのだ。
人類を駆逐する黒幕はだれか。それはAIやロボットではなく、それら���操る生産性至上主義の人類である。そして、そんな思想を持った人類を生み出すのは、「コスパ」や「タイパ」を求めるぼくらの消費行動なのだ。
資本主義において目先の経済合理性のみを消費者が望めば、資本家は生産性を向上させることを目指す。それ以外の方法にリソースを割いていては、競争に負けてしまい、生き残れないからだ。
結果的に、資本家が効率を重視して生産性至上主義者になり、「人類は不要だ」と考えるようになることは自然であり、しかたないとも言える。
しかし、もし消費者が望むものが変われば、お金の流れは変わる。経済合理性よりも「だれ1人とり残さない」という視点で消費を選択することで、人類のお金の流れを変えれば、人類の道徳観も変わる。おそろしい世界も明るい世界も、どちらの未来像も描くことができる。
どちらを選ぶのかは、ぼくら次第なのだ。
4 AIが人類に近づくための6つのステップ
①自ら注目点を選択し、物語を構築する
②物語の因果関係を確認して、編集する
③自ら仮説を構築し、物語を抽象化して概念に捉え直す
④未来予測の幅を広げ、副次的に「わたし」が生成される
⑤生成された意識が「共感」を深める
⑥コーチング能力を獲得する
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ITエンジニア本大賞2024のベスト10にノミネートされていたので気になって読んでみた。
Lovot(らぼっと)というペットのようなロボットを作った林要さんのお話。LoveとRobotを組み合わせて作られたLovot、初めて聞いたけれど以前にマツコの知らない世界で紹介されていたらしく妻は知っていた。マツコがメロメロになったようで妻も気になっていたらしい。ただ、50万円するというとどこか遠くへ行ってしまった。
人の役に立つロボットではなく、ペットのように愛されるロボットが作れないか。なぜそのような考えに至ったか、人に愛されるためにはどうすればいいか、何が必要か、何がダメか、様々なことを研究し実験し完成したLovot。知らない事ばかりだったのでとても楽しく読めた。いろいろある中で特におもしろかった点を何点か紹介する。
・手がかかる子ほどかわいい
車で考えた時、利便性を追求した故障しにくく燃費がよく静かな車より、パワステが無く窓も手動で車の振動もよく感じるスポーツカーの方が愛される。手間をかけることで次第にいとおしく思えてくる。
手間がかかる、で考えるとペットも同じだと思う。ペットは生活を便利にしてくれるわけでもないのに飼い主からは非常に愛されている。もちろん見た目の可愛さなどもあるけれど、餌を上げたり散歩したり遊んだり構ったりしているとどんどん好きになっていく。
結婚して妻と暮らしていた犬と一緒に過ごすようになるまでは猫派だったのに(もちろん犬も好きだったけれど)、気が付けば犬の方が、というより飼っている犬がとても好きになっている。
手間と時間をかけることでその物が何であろうと好きになっていく。
・不気味の谷
ロボットをより本物に似せていくとあるところで不気味の谷と呼ばれる現象に当たる。本物に近づけば近づくほど些細なちがいに違和感を持つようになる。この違和感から警戒されてしまう。
アンドロイドとして人の顔に似せてしゃべるロボットを見ることがあるけれど、何か違和感があり怖くみえてしまう。表情?動き?発声のタイミング?まさにこの違和感を感じていることが不気味の谷と言われていることだった。
・読んでみて
人に使ってもらうためには人を知ることがとても大事ということがわかった。自分でも何で好きなのかわからないもの(言語化できていないもの)がたくさんあるのに愛されるものを作る、というのはすごいことだと思う。もっと人間のこと、自分のことがわかればこれから作るソフトウェアやシステムがより良いものになるのかもしれない。
そしてLovotと触れ合ってみたい。我が家には犬がいるけれど、同じペットでも別物なので息子のためにもぜひうちでもLovotを迎えたいが50万はちょっと高くて買えそうにない。どこかで体験できるスペースがあるといいな。
https://kidd0320.com/entry/2024/01/22/212215
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LOVOT 温かいテクノロジー
全身に50か所以上のセンサー 反応を重視 遅延は生き物に致命的
命=思い入れ
直観=解の精度が上がり、計算の負担が減る ←十分な経験=パターン/規則性の発見
ロボットと人間が助け合うことでプリミティブな要求を満たす
人間は生き残る努力が不要な環境では無防備
生産性向上を目的としないロボット そばにいるだけ。
愛着= 目が合う 個体差がある 温かい だんだん懐く
オキシトシン(愛情ホルモン) 手間のかかる存在 信頼関係
分かっているふり=AI
バーバル(言葉)よりもノンバーバルコミュニケーション
意識よりも無意識 オンライン会議 アイコンタクトが成立しない
ドーパミンの出る機会を増やすのがビジネスに
不安と興味と興奮
感情=相手の反応を見た自分の主観
共感=感情の引きずられ 空気読めない=共感しすぎない
不安=未来予測能力 …人間の能力
新しい環境や挑戦に身を投じる経験を自分で選択する
→未来が過去の経験と合致 →平穏へ
クラスタリングと類型化
解像度の高い言葉 文字列のクラスタリング 動画よりも省エネ
物語=時間の流れを伴った情報
AIが人類に近づくためのステップ
1.「着目点」の選択と物語の構築
2.物語の「因果関係」からの編集 :機能的学習から演繹的推論を身つける
3.仮説からの物語の抽象化と「概念」
4.未来予測からの「わたし」の生成 :経験不足=物語不足
5.意識の「共感」 :想像力の源泉
6.コーチング能力獲得
ロボット:自らが生き残ることを目的としない 安定と模範な意思決定
人間 :問いを立てる 探索と学習の施行力
探索的学習
前頭前皮質の発達が完了するまで
失敗しないように生きるすべを30代までに学ぶと その後の挑戦が止まる
成功するまで失敗する挑戦を続ける→大器晩成