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イギリス近代と自由主義 ──近代の鏡は乱反射する
著者 金子勝
イギリス「近代」国家は、内には地方、外には植民地という「非近代的」な領域を組み入れながら、それらを食い潰していった。国内では財政均衡と「小さな政府」を追求し、国外では自由...
イギリス近代と自由主義 ──近代の鏡は乱反射する
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イギリス近代と自由主義 近代の鏡は乱反射する
商品説明
イギリス「近代」国家は、内には地方、外には植民地という「非近代的」な領域を組み入れながら、それらを食い潰していった。国内では財政均衡と「小さな政府」を追求し、国外では自由貿易を掲げたイギリスは、アジア・アフリカの非資本主義的な経済圏を、いかにして世界市場へと組み込んでいったのか? 覇権国となる中で、「経済的自由主義」というイデオロギーは、いかなる役割を果たしたのか? これらの難問を実証的に解き明かし、戦後日本の社会科学を深く規定するイギリス近代像に再考を迫る!
目次
- はじめに 近代の鏡は乱反射する/イギリス近代像と時代状況/グローバリゼーションと覇権国家/近代と非近代のダイナミズム──植民地財政/近代と非近代のダイナミズム──直接税改革と地方的自律性/補論/第一章 幼稚産業保護 インド対イギリス/I はじめに/II 産業革命とイギリス綿業保護政策/1 インド綿業に対する差別関税/2 インド内陸通関税/3 輸出促進的な保護育成政策/III 植民地体制再編と輸出向けインド綿業の破壊/1 インド洋帝国形成とインド財政悪化/2 輸出向けインド綿業の衰退過程/3 小括/第二章 「安価な政府」と植民地財政 英印財政関係を中心にして/I はじめに/II イギリス植民地財政の急膨張とインドの戦略的地位/III 「安価な政府」を支えたインド財政/1 イギリスのもう一つの軍事財政・インド/2 インドにおける軍隊の統制問題/3 「帝国」建設とインドの軍隊/IV インド財政への寄生──本国費の実態と背景/1 本国におけるインド統治費用/2 本国費の形成過程/V 一八五七~五九年の大反乱の軍事財政的帰結/VI インド内陸開発政策とイギリス綿業資本/1 ダルフージの政策(一八四八~五六年)/2 公共事業とインド市場の開発政策/3 鉄道建設政策と政府介入/4 インド鉄道建設をめぐる財政政策上の対立/5 マンチェスター派の自己矛盾とその敗北──一貫性を失うレッセ・フェール/VII 「自由主義」財政の世界史的位置/第三章 名誉革命体制とイギリス近代国家/I 「財政=軍事国家」論の登場/II 名誉革命体制と統治構造/1 イギリス重商主義国家における「対極的構造」/2 財産権に基づく垂直的権威秩序/3 財産所有者と「無産者」/4 「都市自治体」の包摂と矛盾/5 都市統治の多様性/III 土地課税と地方的自律性/1 地税課税と財政の議会統制/2 配賦税方式という「近代」の逆説/IV 「財政=軍事国家」論の陥穽/1 地方派の消費税反対運動/2 好戦的急進主義と議会改革案という自己矛盾/3 植民地に押し出された自己矛盾/4 重商主義財政の自己破綻と体制改革要求/第四章 「自由主義」的行財政改革への転換/I 地主貴族政による経済的「自由主義」/1 通説のアポリア/2 私的土地所有と土地貴族政を保存する論理/II 一七八〇~八七年の「自由主義」的行財政改革/1 バーク改革案の後退と公会計調査委員会の主導性の確立/2 小ピットの政権獲得/III 小ピットの「自由主義」的行財政改革/1 減債基金と閑職削減/2 所得税導入の背景とその特質/3 トーリー・リベラリズムとは何だったのか?/IV 公会計調査委員会の論理構造(一)──公共信託(Public Trust)/1 大法官府裁判所の法理の適用/2 行財政機構に対する改革の論理/3 近代官僚制形成を媒介する/4 急進的議会改革回避の論理/V 公会計調査委員会の論理構造(二)──エクィティ(Equity)/1 慣習に対する漸進的改革の方法/2 保守的体制内改革の論理/3 アダム・スミスの体制内改革の論理/VI 一八世紀後半の地方統治機構再編/VII 小括/第五章 イギリス近代国家における中央と地方/I イギリス近代「自由主義」のアポリア/ほか
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