ポジティブ・シフト 心理学が明かす幸福・健康・長寿につながる心の持ち方

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ネガティブになったとき、「ものごとは捉え方次第」と考え、リフレーミングしてポジティブになれるよう努力する。その能力をより高めるために読みたい

#ポジティブ・シフト
#キャサリン・A・サンダーソン
23/6/23出版

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ポジティブ・シフト 心理学が明かす幸福・健康・長寿につながる心の持ち方

作家のエリザベス・ギルバートは2006年の回顧録『食べて、祈って、恋をして』で次のように書いています。

幸福は日々の努力の積み重ねの延長線上にある。あなたはそれを闘いとらなければ、努力によってもぎとらねばならない。幸福を求め、ときには世界中を旅してまわることもあるだろう。自分にとって幸せとは何かをつねに問い、それを表明しなければな
らない。そして、幸福な状態に達したら、それを維持することに手を抜いてはならない。永遠の幸福に向かって泳ぎ続けることに、その頂点に浮かび続けることに全力を注がなければならない。

第１章　マインドセットとはなにか
すべての情報を徹底的に整理することは不可能です。そのため、私たちは、しばしば無意識のうちに、思考のショートカツト(近道) を行っています。
ここで最も重要なのは、思考のショートカットは、自分自身についての考え方に影響を与え、私たちの行動にも根本的な影響を与える可能性があるということです。

ステレオタイプ脅威とは、自分の所属する集団に関するネガティブなステレオタイプを確証することへの懸念が、特定課題に集申するために必要となる能力を妨げる状況について説明するものです。集中力の欠如は、課題に対するパフォーマンスを、皮肉なことに低下させます。その結果、 人々は知らず知らずのうちに、自分たちのグループに関するネガティブなステレオタイプを証明してしまうのです。

環境におけるちよつとしたきっかけが、人々の考え方に影響を与えていること、そして大きな結果をもたらす可能性があることを示しています
ここで特に注目してほしいのは、他者へのステレオタイプをさりげなく想起させることで自分自身の行動にまで影響が生じる 、という点です。

私たちのマインドセットには、思考や信念、期待が含まれますが、マインドセットは私たちの人生における出来事の捉え方と反応の仕方を決定づけます。

自分自身の特定鴻性が固定的なものなのか、それとも可変的なものなのかについての信念が、心理的・身体的な幸卻感と同様に、人間関係の質や寿命にまで重大な影響を及ぼしていることを示しています。

私たちのマインドセットは変えられる、ということです。たとえ生まれつきの性分で、物事をイエスかノーか、 白か黒かで見てしまう傾向かあるとしても、時間と労力をかけさえすれば、成長型マインドセットへと移行して、人間関係の改善から年齢の重ね方まで、人生のほぼすべての側面におけるポジティブな思考の枠組みを身につけることができます

経験することへの期待を変えてみる
不安を感じても、とりあえず、ちよつとやってみる
成長型マインドセットを身につける

第2章　マインドセットと建康

プラセボ効果とは、ある種の介入(薬、処置、注射など) が役に立つだろう、と期待することによって生み出されるプラスの結果のことで、とても強いパワ—をもちます。しかし、痛みが軽くなるという期���が、どのようにして気分を改善するのでしょうか?説明の一つは、治療に対する私たちの信念が行動に影響する、というものです。

プラセボ効果は、薬効に対する期待が、身体や脳の反応を物理的に変化させることを明確に示しています。このように、薬効に関するマインドセットは、実際に私たちの気分を改善することに関係しているのです。

運動に対する人々のマインドセットを変えるだけで、より健康的な結果が得られる可能性があることを示唆しています。
この研究は、ほとんどの人が思っているよりも、はるかに多くの心理的・身体的機能をコントロールできる可能性があることを明らかにしたのです。

死亡リスクを高めるのは、必ずしも高レベルのストレス経験ではなく、むしろ高レベルのストレスと、ストレスが健康に悪い結果をもたらすという信念の結びつきが関係していることを示しています。
その一方で、人生をポジティブに生きる人々は、幸福感が高いだけでなく、ほぼすべての側面において、身体的な健康状態が良好である、といわれています。

ポジティブに人生を歩んでいる人は、ストレスが少ないこともあり、健威状態が良好です。人生の辛い状況に直面したときに、彼らは問題に正面から取り組み、社会的支援を求め、明るい兆しを見出そうとするなど、適応的な対処メカニズムを用いていま
す。その結果、このようなアプローチを実践する人や、コップにまだ水が半分残っていると、物事をポジティブに捉える習慣がある人は、免疫系が強くなり、小さな感染症に抵抗する能力も高くなります。

ポジティブなマインドセットをもつ人は、ストレスを日常生活の一部であると考えて、ストレスは爽快感や活力を生むもので、様々な課題に効果的に対応するための余力を身体に与えている、と捉えています。ご想像通り、このようなマインドセットをもつ人は フレッシャーのかかる埸面で最高の仕事をこなすことができるので、良い結果が得られやすくなる、 と考えられます。

直面する問題についてどのように考えて、どのように解決するのかは、私たちがコントロールすることが可能です。これから、ストレスと上手に付き合い、身体への悪影響を軽減するための実践法を紹介します。
リラクゼーション技法を学ぶ
ストレスに対するマインドセットを変える
自分のことを大切にする

第3章　マインドセツトと記憶

老化による記憶の問題を耳にするだけで、日常生活に重大な影響が生じる可能性があるということは、研究から繰り返し明らかにされています。高齢者は、老化によるネガティブなステレオタイプを信じないように気を付けなければいけません。物忘れをすべてご化のせいだと決めつけると、かえって記憶に関する問題が悪化することもあります

老化に関するネガティブなステレオタイプを、たとえ無意識のレベルであっても想起させることは記憶に影響するだけでなく、人々の身体的な感じ方にも影響を与える可能性があります。主観年齢は健康状態に影響することから、これらの研究結果にはとくに実践的な重要性が大きい、と考えられます。

老化に対してネガティブな見方をすることは、実験室内での記憶能力���短期的な低下をもたらすだけでなく、長期にわたって記憶に現実的かつ持続的な影響を与えうることになります。

老化をよりポジティブに捉える文化圏の高齢者では、加齢による記憶能力の低下がみられないことも重要なポイントです。この知見は、多くの西洋文化における老化に関するネガティブな文化的なステレオタイプを変えることが、高齢者の認知能力の工場に大きく貢献する可能性があることを意味しています。

東洋文化では、高齢者はその知識によって尊敬を得ています。マーケット関係者が高齢者に対する関心を失っていて、仕事を得ることが難しくなっており、高齢者は引退して何もしないほうが良い、と考えているのは西洋文化だけです

詩人ヘンリー—・ウォズワース・ロングフェロ ーは、その詩「いまわの挨拶」で、 このように結んでいます。
見栄えは違うが、本当は老いが、若さに負けないくらいの可能性を孕んでいる。
日が沈み 夕闇が迫ると、 昼間はまったく見えなかった星が、天いっぱいに現れる。

ロングフェローにとって、老化は可能性に満ちたチャンスです。もし、あなたがそのように感じ始めているのでしたら、あなたの年齢に関係なく認知能力を保ち、さらに強化するためのシンプルな実践法をご紹介します。
新しいスキルを学び続ける
言葉による表現の仕方を変えてみる
老化に対するマインドセットを変える

第4章　マインドセットと長寿

人生の意味や目的を見つけることと、寿命が延びることの関連性は、確かな事実によって裏付けられています。自分の人生の意味を明確にすることができれば、万命は延びるのです

老化に対するポジティブなステレオタイプをもっていることがなぜ健康に艮いのかを。このような信念をもつ人は、おそらく、老化をたいしたことではないと考えているので、それによってストレスが減るのです。そして、この信念が、ひいては、健康状態の悪化を生むネガティブな生理的反応を軽減させます。したがって、このような信念をもつ人は、免疫系も強くなり、その結果として、様々な病気にかかりにくくなる、と考えられます。
したがって、100歳を迎えるための鍵の一つは「老化が意味すること」について、ポジティブな期待をもつこと、です。

笑顔が痛みに耐える能力に大きな影響を与えることが明らかになりました。
どちらの笑顔の人も心拍数が低く、体はストレスを感じていなかったのです。
この研究結果で特に重要なポイントは、笑顔になることが幸せではなかった人にも効果をもたらす、ということです。つまり、この研究では、笑顏の効果、すなわち表倘の効果だけを調べています。心から幸せだったかどうかを調べているわけではありません。しかし、 それでも、本物の笑顔を浮かべてそれを保った人は痛みのレベルが低いことがわかりました。

ベトナム仏教の僧侶で作家のティク・ナツト・ハンは「あなたの喜びが笑顔の源となることもあれば、あなたの笑顔が喜びの源となることもあります」と記しています。したがって、幸せなふりをするだけでも、やがて幸せを生み出し、寿命も延ばすかもしれないのです。

老化についてのあなたの考え方を変え��ためのシンプルな実践法を説明します。これらの実践法はあなたの人生の質と量を改善すると思います。
ネガティブな信念を修正する
価値ある目標を設定し、それに向かって努力する
人生の意味を見つける

第5章　マインドセツトと性格

ここで良いニュースがあります。それは、私たちの生まれつきの性格傾向には関係なく、実践を重ねれば、誰でも人生の試練に対して、よりボジティブに対応すること力で.さるようになる、ということです。実際、よりポジティブなマインドセットを身につけるための方法を学び、実践することで、脳の神経回路が変化し、このような適応的な反応が自然とできるようになります。

たとえ絶望的な状況であっても、ポジティブに生きる人は前進し、忍耐強くあり続けることができます。一方、ネガティブな考え方をする人は、悪い結果を予想するので、困難な状況に直面すると、あきらめてしまいます。そういう人は、問題を無視して、間題が解決することを願うのですが、それは、やることリストが単に長くなって、口論が長引く結果になります。

自尊心が高い人は、本来ならば恋愛関係が崩壊するような経験をしたとしても、良い面を見出すことができることを示しています。そして、どんな状況であったとしても、このようにポジティブに物事を捉える能力は人間関係の満足感を高めるのです。

楽観主義者はコントロールできることに集中します。楽観主義者は、そうすることで、悲しみや後悔を反芻したり、もがき苦しんだりすることがありません。うつ病の人は、基本的に、 自分に起こったことを何度も思い起こすマインドセットから抜け出せないのです。そして、当然ですが、 ネガティブな人生体験を何度も思い返すと、私たちは落ち込んでしまいます。

人生のネガティブな爭柄について、常に考え、反芻ばかりしていると、明晰な思考力が損なわれて、やがては大うつ病になることを示す数多くの科学的根拠があるのですから、この実践はとても大切な一歩になります。ここで、あなたに求められることは、比較的簡単にできるマインドセットの調整だけです。
問題のポジティブな点に注目する
ネガティブな気持ちは受け入れて、次に進む
ハッピーな友人を見つける

第６章　マインドセットと環境

社会的比較は、人間の基本的・自動的な衝動です。これは、 自分が他人と比べてどうなのか、何が得意で何が不得意なのかを理解するうえで役に立ちます。私たちは、外見、収入、成功など、事実上あらゆる面で自分を評価するために、この社会的比較を使用します。

人生には、はっきりとした客観的基準がない要素が多いことから、社会的比較は重要な役割を果たします。自分の置かれている環境と他人を比較することで、自分自身の状況を容易に把握することができ
るのです

社会的比較は、自分の状態を測るのに有効な手段ですが、一方で、妬みの感情を生み出すこともあります。
私たちの収入に対する感情は、単に自分の客観的な豊かさではなく、自分の豊かさが比較対象である人たちの豊かさと比べてどうなのか、ということによって左右されるからです。

裕福な地域に住む人���の場合は、物欲が強くなることがわかりました。さらに、その地域の人々は、衝動的な買い物が多く、貯蓄行動も少ないことがわかりました。研究者は、常に周囲の豊かさに触れていると、相対的な欠乏感が生じるのではないか、と
考えています。つまり、そのような欠乏感がある人は、おそらく社会的地位を維持するために、自らの物欲を知めていくのだろう、と考えられます。

ただし、物欲を満たすことが幸せを生むわけではありません。むしろ、地位や名声を他者にアピールするために、商品をひたすら買い求める人は、人間関係で不幸になり、心理的な問題も増えることがわかっています。

裕福な国に住む人々は、幸福感を担なうような社会的比較を行う傾向もあります。それらの国に住む人は、自分が持っているものと自分が欲しいものとの間に食い違いがある、いわゆる願望格差を経験します。そして、予想されるように、この格差のギャップが大きければ大きいほど、私たちは嫌な気持ちになります。

ハウホーフアー教授は「私の挑戦のほとんどは失敗に終わるのですが、成功は可視化されて、失敗はそうならないことが多いです。私は、このことが時に、ほとんどの物事 が私のためにうまくいく、という印象を他人に与えている、ということに気づきました。この失敗の履歴書は、記録のバランスをとることで、何らかの視点をえようとする試みなのです」とコメントしています。

より大きな幸せを求める私たちにとって比帔的シンプルな実践法は、ソ—シャルメディアを使う習慣をやめる、ということです。この選択をすることによって、気持ちを落ち込ませるような社会的比較をする機会が減り、もっと良い方法に時間を使うことができるようになります。

あなたがいつもそのような比帔を行っているのでしたら、あなたのマインドセットを変えるシンプルな実践法をいくつかご紹介します。それは、他人から意識をそらし、 自分の中にある幸せを見つけることに集中する方法です。
他人と比較しないようにする
感謝の気持ちに集中する
あなたにとっての有意義なことを見つける

第7章　マインドセットとトラウマ

私たちはあらゆる喪失を避けて人生を送ることはできません。しかし、ひどいトラウマであっても、それをどう考えるのかは、ある程度コントロールすることが可能です。そのため、ポジティブなマインドセットを身につけることは、何があっても幸せを維持するために欠かせないことなのです。

心理学者は、この視点取得のことを、心的外傷後成長と表現していますが、これは人生の大きな危機と闘つた後に、著しいボジティブな変化を経験することを意味します。この成長は、人々がトラウマの意味を理解し、それに対処しようと努力しているときに起こり、有意義で持続的な変化をもたらす可能性があります。

私たちは、すべての悪い経験を避けて人生を送ることは不可能ですが、失われたものではなく、得られたものに注目することで、このような途方もなく苦しい経験をポジティブに捉えることができます。

年齢を重ねるにつれて幸福感が増す、ということには様々な耍因が関係します。しかし、一つの説明として、人生で困��な出来事を経験することでマインドセットが変わり、その変化によって幸福感が得られるようになることが考えられます。
加れいに伴うポジティブ効果によると、高齢者は一般に、ネガティブな情報よりもポジテイブな情報を好み、注意を持続的に払う傾向があるそうです。
年齢を重ねるごとに、私たちは、良いことに目を向けて、悪いことには目をつぶることができるようになります。このようなマインドセットの変化は、当然のことでしょうが、私たちを幸せな気分にしてくれます。

逆境には、人々にトラウマへの対処を実践する機会を与え、その結果として、将来の喪失に機能的に対処するための貴重な実践法を身につけさせる働きがあるようです。

ネガティブな出来事に直面するたびに、人は対処しようとします。そうすることで、人は自分の能力やサポートネットワ—クについて学び、 本当の友人が誰なのかを知ることができます。このような学習は、その後の対処にとって、とても価値のあるものです。

人間は、その瞬間にはどんなに悪い状況に思えたとしても最終的には再び幸せを見つけることができる、ということは、これまで繰り返し示されています。

実証的研究によれば、とてつもない悲劇や喪失に直面したときでも役に立つ実践法があります。
日常生活の中にある、小さな喜びに目を向ける
他者とのつながりをもつ
苦しい状況にだけ囚われず、良い行いをする

第8章　行動を変えればマインドセットは変わる

宗教的、精神的な信念をもつことは、心理的な幸福感と身体の健康を改善しますが、少なくとも、その理由の１つは、そのような信念が日常生活のちょっとしたストレス要因にも、大きなトラウマとなる出来事にも対処するうえで役に立つからです。

新閒や雑誌ではなく、本を定期的に読んでいる人は、記憶力や批判的思考力、集中力などの認知能力
が高いことが示されています。これらの能力が生存に有利に働いている、と考えられます。

短期的、直接的な運動の楽しさに目を向けるようにしましょう。すぐに得られるものを重視することで、見返りを長く待つ必要がなくなることから、運動するモチベ— ションを保ちやすくなります。

宗教的、 スピリチュアルな信念をもつことが、 どうして寿命にこのような有益な結果をもたらすのでしょうか?
１つの可能性として考えられるのは、 多くの宗教的コミュニティにおいて、 実質的な社会的サポ—卜が提供されていることです。もう一つの別の説明は、宗教的信念は、ポジティブなマインドセットで人生の大きなストレスに立ち向かうのを助けることで気分を改善する効果があり、 その結果、ストレスが身体に及ぼす有害な生理的影響を軽減する、というものです。
最後の可能性として、宗教的信念は、人々にトラウマとなる出来事を理解する方法を与えて、一見無意味に思える悲劇に何らかの意味を与えてくれるかもしれません。

瞑想は、私たちを落ち込ませる破壊的な思考パターンを中断させるのにも役立ちます。「今、ここ」に集中することで、うつ病を引き起こすネガティブな思考のサイクルから抜け出すことができるのです。

マインドフルネスは運動と同じです。マインドフルネスは、心のエクササイズの一種です。運動が健康を増進し、ストレスを上手にコントロールする手助けとなり、長寿を促すように、瞑想することからも同様の効果が得られます

言葉には行動に対する考え方を変える力があり、その結果、新しい行動を長期的に維持するうえで役に立ちます。

計画を立てる
テクノロジーの利用は休み時間を設ける

第9章　自然環境が心と身体に良い理由

自然が幸福感にもたらす効果は、外で過ごすことを想像したり、写真を見たりするだけではなく、実際に外で過ごすことで、より強く得られます。外の景色が見えない室内を歩くよりも、川のそばにある並木道を15分歩くだけで、活気と覚醒度が高くなります。

幸福感は、都市の中で緑の多い場所を通るだけでも高まりますが、これは、都市環境における花壇や樹木、ちょっとした緑地帯でさえも、私たちの気分を改善する効果があることを示唆しています。

注意回復理論によれば、自然の中で過ごすことは、日常生活で直面するあらゆる外的要因から認知的に関放される機会を提供します。自然環境は、脳をリラックスさせるため、認知能力の回復にとても重要な役割を果たします。

第10章　お の賢い使い方

物質主義が強い人は、人生満足感が圧倒的に低いのです。さらに、物質主義が強い人は、毎日のポジティブ感情の経験が少なく、抑うつ傾向があること、頭痛・背中の痛み、喉の痛みなど、体調不良を多く訴える傾向があることがわかっています

仏教徒は、物質的な所有物は真の幸福を得ることを妨げる、と考えています。財産をため込んで幸せになろうとするのは、体中にサンドイッチを貼り付けて空腹を満たそうとするようなものです。

お金が増えても期待したほどの幸せが得られない理由の１つは、私たちが新たに得た富に適応してしまうことにあります。この適応をヘドニック・トレッドミル（快楽のランニングマシーン）と呼んでいます。

富の増加は、私たちの比較の行い方をも変化させ
ます。 実際のところ、新しい環境は、私たちが行う比較の性質を変えるだけであり、その比較は私たちの気分を悪化させます。そうすると、新しく手に入れた富は、それほど良いものだとは思えなくなってしまいます。

お金と幸福の関連性が全体的に乏しいことに対する３つ目の説明は、お金が時間の使い方を変える可能性があるということです。皮肉なことに お金をたくさん持っている人は、幸福につながらないような時間の使い方をしてしまうことがあります

商品にお金を使う人(モノを消費する人) と比べて、人生経験にお金を使う人(コトを消費する人) の方が、持続的な幸福感を多く得ることができます。つまり、大きな試合のチケットやブロードウェイのショー、あるいは豪華な旅行などにお金を使うことは、幸福感を高めるための素晴らしい方法です。

マーティン・セリグマン所長は「物質的なものは、すべてフレンチバニラアイスのようなものです。一口目は最高ですが、七口目になると、段ボールをかじったときのような最悪の味に変わリます」と述べています。

なぜ、モノに��金をかけるよりも、コトにお金をかけたほうがいいのでしょうか? それは、私たちが体験することを期待し、他の人と体験を共有し、追体験することができるからです。

より大きな幸せを得るために、生活の中で利用できるシンプルな実践法をいくつかご紹介します。
お金よりも時間を優先する
写真を撮る
旅行計画を立てる

第１2章　人付き合いは愛があれば大丈夫

生涯における幸福感の推移はU字型曲線を示します。これは、幸福感は、20代では高く、中年期になると低下し、60代、70代、80で再び上昇することを意味しています。

慢性的な孤独は、ストレスホルモンであるコルチゾール の増加を招き、血圧を上昇させ、免疫系を混乱させます。これらの研究結果は、強い人間関係をもたない人が心臓病や脳卒中に罹患しやすいこと、寿命が短くなる傾向がある理由を説明するうえで役に立ちます。

「孤独や社会的なつながりの弱さは、1日15本のタバコを吸うことによる寿命短縮効果と同様であり、肥満による寿命短縮効果と比べても、その効果は大きいです」

ここでは、強固で持続的な人間関係を築くための実践法をいくつかご紹介します
携帯電話をしまう
ペット(理想的なのは犬) を飼う
時間と労力を惜しまないようにする

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正しい人生を自然に最近選んで来たことが、わかった。体の調子が一段と良い理由も。お金で買えない経験。出会いを大切にすること。他人、お店の人、一期一会のお店の人とも話をする。人生には、まだまだ知らない事が沢山あり、教えて貰い、感謝を伝えて来た。良い傾向、方向のことだった。