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もう二度と食べたくないあまいもの
著者 井上荒野
自宅で料理教室を開いている亜希子のもとに、ある日、不動産屋が訪ねてきた。近所の家にまつわる悪い噂について知りたいという。亜希子は結婚していた頃、かつてそこに建っていた古い...
もう二度と食べたくないあまいもの
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もう二度と食べたくないあまいもの (祥伝社文庫)
商品説明
自宅で料理教室を開いている亜希子のもとに、ある日、不動産屋が訪ねてきた。近所の家にまつわる悪い噂について知りたいという。
亜希子は結婚していた頃、かつてそこに建っていた古い家の男と、いちどだけ関係を持ったことを思い出していた――(「幽霊」より)。
男と女の関係は静かにかたちを変えていく。
人を愛することの切なさとその愛情の儚さを描いた傑作小説集。
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紙の本
この感情を何と呼ぶのだろう
2015/09/25 23:19
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくまりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この感情を何と呼ぶのだろう。ひとり受け流すこともできず、かと言って、誰に話すこともできない、胸の中に広がっていくこの感情を。もし、しいて言葉にするとしたら、「もう二度と食べたくないあまいもの」。そんな心象を、井上荒野が丁寧にすくいとった短編10ピース。
例えば、美紗の場合。二年越しで逢瀬を重ねてきた恋人を失おうとしている午後、それまで、夫を残して外出するための単なる口実だった朗読会に、その日はふと、本当に足を運んでしまう。すでに裏切りに気付いている夫に電話を掛けるとき、美紗は、自分とらえて離さない、ある感情に包まれる(「朗読会」)。
「もう二度と食べたくない」はずなのに、もう一度、もう一度、とページを繰ってしまう。静かで、それでいて気がかりな印象を残す一冊。