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今回のタイトルは人名じゃないのね。雰囲気もちょっと違う。最初のほうはコミカルなタッチで、このまま最後までこれで行くのかとも思ったが、そういう人じゃないよね、と。パトリシア・ハイスミス好きとしてはニヤニヤ楽しめた。(ミランダもそうだったけど)
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ピーター・スワンソン、待望の新作を読んだ。
今回は、単純に「騙された!」というよりも、複雑に事情が入り組んでいて、再読必至という感じだった。
ミステリ専門書店の店主が作成した、『完璧な殺人8選』という作品リストに挙がっているミステリ作品に酷似した方法で殺人が起きる。果たしてこれは、リストに則った見立て殺人なのか?そして誰がそんなことを?
今まで翻訳されたスワンソン作品はほとんど読んできたが、全編に流れる不穏、哀しみがさらに深まり、物語の破局まで一気に読ませる。
それでいて犯人探し一辺倒ではなく、登場人物のキャラクター的な厚みやストーリーもあり、特に本書はミステリ作品をふんだんに扱っていて、登場する作品自体の魅力も味わえた。
未読の作品を未読のまま本書を読むかどうか、初めに決断をせまられるけれど、私自身は自分のポンコツな記憶力に賭け、扱う作品はほぼ未読だったけれど、それでも楽しめたので大丈夫です。
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4.5くらい。
チャーリーとは誰なのか?という謎を追うのが面白かった。それと同時に、信用出来ない主人公であることも薄々わかっていくのも面白かった。
最終的には、「殺人保険」のような自殺オチ。
「見知らぬ乗客」は読んでおいて良かった。やっぱ交換殺人面白いし、頼んできた相手のこと気になっちゃうよねーとなる。
確実に男性だとわかるまで、主人公が女性かもしれないと疑ってたけど、そんなことはなかった。猫を持って帰ったのは失態すぎる。なんでだろうな。
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ミステリー専門書店主マルコムがブログに完璧な殺人が綴られているミステリー小説8作のリストを掲載した。
FBI捜査官グウェンからリストになぞらえた殺人事件が続いていることを告げられたマルコムは半信半疑ながらも事件を探っていく。。
作中にはアガサ・クリスティやハイスミスなど様々な作家の作品が登場します。
それだけでもワクワクさせられたし、途中からは思ってもいなかった展開になっていって読む手が止まらずでした。
作中に登場する作品はネタバレがあるので読みたい作品がある方はそれだけは注意した方がいいと思います。
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2023.10.07.購入済み
2023.12.08.読了
うぅぅぅーーーん。ふつう。
ピーター・スワンソンは推し作家なので少し残念な気分。彼の作品の中では、1番おもしろくなかったかも。やっぱり「そしてミランダを殺す」が衝撃的におもしろかったからかな。
小学生や中学生のころ、
読書感想文に点数をつけられることにひどく憤りを感じたものだ。そしてわたしの読書感想文の評価は非常に低かった(笑)なにしろ読書が大嫌いだったので仕方がないが。。。
そもそも読書感想に正解などないし!といつも思ったのを覚えている。
なので、これは私の評価なので、ピーターファンの方にはぜひ読んでもらいたい。本当にすきずきなので、衝撃的におもしろかったとおっしゃる方もおられると思う。
ちなみにわたしは、就学時には不得意だった読書への苦手意識を完全に克服し(覆し)、現在では読書タイムをこよなく愛している。
先日、夕方のニュースショーを観ていたら、日テレの女性アナウンサーが「反故にする」を「ハンコにする」と読み上げていた。もちろん後に訂正されたのだが、これはヤバい!と思った。
日本人学生の国語力は低下しているという。やはりつまらない国語の授業など早々にやめて、全部読書の時間にすれば良い。読書から学ぶことは本当に多いし、漢字の勉強や読解力の向上に必ず繋がる。
本作の様に、ミステリー作品を実行に移されてしまうという危険性のみ回避すれば、読書は本当にいいこと尽くめだ!(余談)
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ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。マルコムは以前”完璧な殺人”が登場する犯罪小説8作を選んでブログにリストを掲載していた。
ミルン『赤い館の秘密』クリスティ『ABC殺人事件』、ハイミス『見知らぬ乗客』…。捜査官は、それら8つの作品の手口に似た殺人事件が続いているというが…。
ミステリーを心から愛する著者が贈る傑作!
ー文庫うらすじより。
『そしてミランダを殺す』、『ケイトが恐れるすべて』などで一躍ミステリ界に躍り出たピーター・スワンソンの作品です。前2作はとても心理的に怖い作品だと思いましたが、この小説はそれほど怖くはありませんでした。
ブログのリスト通りに殺人事件が起こっていきます。
8つの小説の中で私が既読だったのは『ABC殺人事件』『アクロイド殺害事件(アクロイド殺し)』のみでした。
一番重要と思われるのは『アクロイド殺し』です。8つの作品を未読の方はネタバレがありますので気をつけてくださいと書かれていますが、『アクロイド殺し』は読んでから読んだ方が面白いと思います。
あまり怖くなかったかわりにオマージュ作品としては傑作なのかもしれません。
この本、ビブリオミステリーだと思って私は読み始めたのですが、やっぱり本当に殺人が何件もあると、いつものビブリオミステリーとは勝手が違って残虐だなあと思いました。
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CL 2023.10.7-2023.10.9
ミステリ専門書店の店主マルコムが、かつてブログに書いた「完璧なる殺人8選」をなぞるように起こる殺人事件。
この8作品だけでなく「アクロイド殺し」や最近のミステリも数多く登場してそれだけでも楽しい。
FBI捜査官にブログの投稿者として協力を求められただけに思えたマルコムだったが、徐々に何かが起きていることが読者にもだんだんとわかってきて、やっぱりピーター•スワンソンの不穏な空気が漂ってくる。ただ、今までの作品に比べて読みやすいんだけど毒が薄いと感じた。
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相変わらず、たんたんと、静かに話が進んでいく。丁寧で繊細な情景描写と共に。
ピーター・スワンソンの世界だなぁ、と思う。文字を追い映像を楽しむ。
今回は他の作品、シリーズではないけれど、タイトルに名前が入っている作品とは違い、主人公のマルコムの一人称、一視点で話が進んでいく。
それが何故なのか、後半で分かった時に、なるほど、と思った。
この作品の最大の魅力は、推理小説への愛に溢れた小説だというところだと思う。膨大な推理小説のタイトルが出てくる。海外ミステリーに詳しい人ならもっと楽しめると思う。
ただし、結構ネタバレがあるので要注意です。
特に、アガサ・クリスティの『アクロイド殺人事件』と『ABC殺人事件』を未読の方は。
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実際に存在するミステリー作品を上手く取り入れた作品で、アイディアは凄くワクワクしました!
読み終わったら今までのスワソン作品と違う部分と同じ部分があったが、今作が1番スワソン作品の中でもよい出来でした。
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ミステリの名著オンパレードで期待感高まりましたが、私的にはラストはちょっと肩透かしかなあ、、。ダスティン、までの作風と大きく変わったか!と思いきや、やはりスワンソンでした←ディスりではありません。
#夏の読書感想文
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店着日に一気読み。
最初は期待してたスワンソンと違うなぁと思ったけれど、見知らぬ乗客、殺意、殺人保険、赤い館の秘密を読んでから読み直したら、オマージュになっていることがよくわかり、おもしろさが増した。
特に見知らぬ乗客は読むべき。アクロイド殺人事件も読んでみようと思う。
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※完全にネタバレします。
ピーター・スワンソンの長編ミステリー。
ミステリー専門書店の店主マルコムが過去にネット上に「完全犯罪」の登場する作品八作をブログにリストを掲示していた。彼の元にFBIを名乗る捜査員が訪れ、彼の掲載した作品リストに似たような事件が発生している事を告げる。
八作全てを把握しているわけでもなく、自在に僕が知っている作品はクリスティの作品だけなのだが、どうにも筆者はリストに挙げている八作以上にクリスティに傾倒している様に思えてしまう。
また、ネタバレになってしまうが、マルコムの描写がきな臭い感じになりつつ「アクロイド殺し」が話題になり始めた為、まあ、そういう事か。と把握した次第だが、ここからさらに何かドンデン返しを期待していたがそういうわけではないようだ。
最後の章はクリスティの最高傑作、「そして誰もいなくなった」(作中にて旧題の十人の小さなインディアン:差別的な呼称の為:にふれている事に作者の情熱を感じてしまった)の瓶に入った手紙のオマージュになっている。各章にてクリスティ要素がふんだんに盛り込まれ、とても楽しめた作品だ。
筆者がミステリーを題材にミステリーを描くのであれば感想も辛口にできる。決して悪く評価するわけでは無いが今作では犯人の意外性はそれ程大きくは無く、マルコムとチャーリーが対峙する場面もスリルは少ない。クリスティであれば犯人にはもう一捻りあった筈だし、マルコムの正体についてもスリリングな設定だったと思う。また、グウェンやエミリー、ブランドンなど個性の立ちそうな人物はいるが、魅力が限られていた。グウェンについては、謹慎になった理由に偽装があっても良かったし、エミリーやブランドンは犯人かもと疑わせる為だけに登場した様に感じてしまう。実は猫のネロについては終始何か謎があると期待していたが、充分に発揮できぬままだと思ってしまった。
タイトルから「火曜クラブ」の様に一つの題で一つの事件を検討していくタイプかと勝手に想像していたがそういう作品では無かった。一つ一つの事件の深掘りが少なくマルコムという人物の独白が多いため、それぞれの事件に対しての「完璧さ」が伝わらなかった。
最後、もし日本の作品にて完璧な殺人を挙げるとすれば、ぼくは東野圭吾の「容疑者xの献身」のトリックを推薦する。この殺人ではとある殺人を隠蔽する事が犯人の課題になる訳だが、そもそも母娘と教授はそれ程の関係性は元々ない為、この方面からの解決は難解になり、更には警察が捜査している死体は母娘の殺害した人物と別の人物であり、母娘の行為が判明する事は絶対にない。探偵役の湯川こそ犯人教授との関係性があり、彼が実行した行動を想像、推測はできるが立証するのは不可能と言っている。作中で母親が教授のみに罪を背負わす事が出来ないという良心から殺人を自供しているが、実は立証は不可能であり(死体の隠蔽に関わっていない為)教授が告白しなければ絶対に発覚出来ない。更に教授は実際に殺人を犯しそれを自供している為、結局は発見された死体を殺害したのは教授は覆らない。
タイトルに「完璧」とある事が完全にネックになってい��。上質や甘美なとかの方が作品のイメージに合っている。
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ピーター・スワンソンを読むのはこれが初めてでした。(普段、現代ミステリはあまり読まないから。)
ただ、この作品は、ミルン『赤い館の秘密』、クリスティ『ABC殺人事件』、ハイスミス『見知らぬ乗客』…など、主人公が以前ブログに掲載した"完璧な殺人"が登場する犯罪小説8作、それらの作品の手口に似た殺人事件が続いているのが発端、ということで、海外古典ミステリ好きな私としては読まなくては…ということで、読んでみることに。
だから、この本の冒頭には、9作品(「8作」ではなくて)の内容や犯人について触れている、という前書きがありましたが、私が未読だったのは3作品、すなわち、未訳のジョン・D・マクドナルド"The Drowner"と、ケインの『殺人保険』、そして、タートの『シークレット・ヒストリー』(別邦題『黙約』)でした。戯曲『死の罠』も未訳ですが、これは映画「デストラップ 死の罠」を見たことがあります。
で、本書を読んだ感想ですが、これがなんとも評価しづらい。。。
本書を開くと、まず、「回想録」というタイトルがあって、それから「8つの完璧な殺人」というタイトルが記されたページがあり、それから第一章が記される…という体裁から、ネタバレ9作品のうちの「あの作品」が思い浮かび、そして、実際、本書の4分の1、102ページで作者は「あの作品」のネタバレをして、手の内の1つを明かすわけです。だから、否が応にも期待が膨らんだわけでしたが…。
読後に本書の解説(最初に「本篇を読了後に目を通すこと」が勧められている)を読むと、本作の狙いは理解できたのですが、では、本作がそこに記されていた作品たちを超えるレベルか、というと、そうでもない。当然、ネタバレ9作品のレベルを超えるものを期待していたのですが、トリック的にはほぼ「あれ」と同じレベルですし、描写的には「あれ」には遠く及ばないから、ちょっと期待しすぎたかな〜というのが、正直な感想です。
だから、ネタバレ9作品のうち、『赤い館の秘密』とクリスティの2作品は、作品の核となるメイントリックがネタバレされているので、事前に読んでおいたほうがいいのは確かですが、それ以外は事前に読まない方が、むしろ本作を楽しめるかもしれません。
例えば、アイルズの『殺意』(2023年10月の復刊フェアで復刊予定)は、いろいろネタバレはされているのですが、『殺意』の面白さはそこだけではないので、本作を読んで興味を持たれたら、読んでみるのも一興かと。
また、スワンソンの代表作『そしてミランダを殺す』と発端は類似している(と解説で書かれていました)ハイスミスの『見知らぬ乗客』は、本作のある登場人物が「陰鬱」と一言で評したように、とにかく読み進めるのが辛い作品ですが、スワンソンの作品を読む方は一度は読んでおくべき作品かも。
…それを考えると、私は『そしてミランダを殺す』を読んでから本作を読めば、また感想が違っていたのかもしれません。(読んでみます。)
本作のもう一つ残念なところは、本作には魅力的なキャラクターが多く出てきたり、興味をひくエピソードがたくさんあったりするのですが、本筋と絡まずほったらかしなものが結構多かったのが…。(まあ、本作が「回想録」であり、一人称で書かれていることの弊害なのでしょうね。)
以上、期待が大きすぎただけに、少々評価は辛めにつけましたが、著者の第八作"Nine Lives"はクリスティの『そして誰もいなくなった』のオマージュらしいので、期待しています。
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名作と呼ばれるミステリーの中で完璧な殺人が登場する8作をブログに書いた書店主のマルコム。その8作をもとにした殺人が現実に起こっていることを知るところから始まる。過去の作品たちを絡めた事件の面白さと、先が見えない展開や名作へのオマージュが感じられて本当に面白い。信頼できない語り手の手法と、徐々に見えてくる繋がり。その構成の良さとマルコムの抱えてきたものが明かされていく終盤は見事。
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これまでの『ミランダ』『ケイト』『アリス』など大変驚かされてこの作家さんは!という注目していましたので新刊も早速。
とはいえ、始めからのネタバレ宣言や倒叙法的な描き方、それに女性が主人公ではないということでそこそこ楽しんだけれど納得の着地点。そうきたか、ま、ある程度は読めてたけどね、と思ってた矢先、さすがそれだけでは終わらず驚かされて〜
やはり、目が離せない作家さんなのでした。