紙の本
「寝ている時だけが睡眠ではない」たしかにそうですね。
2023/10/21 18:31
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投稿者:クッキーパパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は2020年版を加筆したものとのことですが、この種の本が数多く出版されるのも、コロナ禍、そして混迷の国内外情勢の中で、ストレスに晒された心身を良い睡眠で癒したい人が多いからでしょう。一方で「年々、寝るのが下手になる」のを実感している高齢者としては、何とかヒントを得たくて購入です。特段目新しい内容ではありませんが、学術的視点と日々の生活習慣の見直しまで、網羅的で要領よくまとまっています。寝ている時だけが睡眠ではなく、24時間全てのことが睡眠に影響していること、「体内時計」を見方にすること、その為にも日光を浴びる重要性と、夕方以降は、メラトニン分泌を抑制するブルーライトにあたることは避けること等々。この点は睡眠研究の世界的権威の柳沢先生も「日本のリビングは照明が明るすぎる」と言ってましたが、納得しました。自分の生活環境をちょっとした直しが出来そうな気がします。本書は読みやすく、生活習慣や環境を見直すきっかけを与えてくれる好著だと思います。
電子書籍
睡眠の質
2024/02/29 18:58
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投稿者:sas - この投稿者のレビュー一覧を見る
日中に睡魔に襲われるので読んでみました。
この手の本を数冊読みましたが、特に目新しいことが書かれているわけではありません。
ただ、あまり悩まずに、日中に眠気が強くなる時もあるぐらい程度に受け取っておけばよいといった類のことが書かれており、気が楽になりました。
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睡眠の重要性をそのメカニズムを踏まえて丁寧に説明している本。自分は他にも何冊も睡眠に関する本を読んできたため、既知の内容ばかりではあったが、再度睡眠の重要性を復習することが出来た。自分の生活も既に睡眠優先とする習慣としており、この本に書かれている重要事項は継続して実践し続けたい。
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「どうしたら一番よく眠れる」
肥満、2型糖尿病、心血管疾患、脳の老化、認知機能の低下、慢性疼痛などは睡眠不足の悪影響の一部である。
たった一晩の寝不足でも人間の脳には大きな負担がかかり、アルツハイマー病など、脳の病気の診断で用いられるバイオマーカーの値が上昇する。
起床直後に太陽を浴びる。
昼と夜のあいだで、光の量、運動量、食事のパターンに大きな差をつけること、体内時計が睡眠時間と覚醒の時間を正しく理解してくれる。
寝室ではスマホを使用しない。
第1部科学者がそろって「絶対寝るべき」と言う理由
○覚醒中に長時間働き続けてきた脳が、睡眠中なら休息をとることができる。
睡眠を十分とらずに脳内のゴミが除去されないと、脳の老化が早まり、ダメージを受けやすくなる。
重要な神経細胞のつながりが損なわれ、記憶障害や認知症を引き起こしかねない。
○体のあらゆる器官、たとえば消化器系や循環器系が日中滞りなく機能するためには睡眠は不可欠。
○睡眠の時間と質の不足は、仕事上の成果であれ家事であれ、つねに生産性の低下をともなう。
○太陽光は、睡眠・覚醒リズムにとって重要な出発点だ。
外が明るくなり、覚醒の時間が始まったこと、または暗くなり、それが就寝の時間を意味することを私たちの体が認識できるよう、人の目はとくに朝と夕方、太陽光に敏感に反応する。
○人間は「朝型→夜型→朝型」の順で成長する。
○睡眠は「起きている時間にしたこと」でできる。
○太陽の光の下で、たとえばアウトドア活動やスポーツなどを行うことで、画面から発せられるブルーライトによる睡眠障害は予防できる可能性がある。
真の問題はデジタル機器ではなく太陽の不足による。
第2部睡眠の「すごい効果」を全部受け取る
○眠って「賢者」になる→眠ったほうが知識が残る。
○「ストレス」と「寝不足」で記憶力は最悪に。
○夢が「創造性」を開花させる→「一晩寝かせる」は大正解。
○眠って「感情脳」を整える→レム睡眠に「ストレス」を処理してもらう
○「横になる」だけで効果がある→年配の人はすでに脳が完全に発達していて、難易度の高い新たな情報を処理することも少なくなるため、それほど多くの睡眠を必要としない。
○「いびき」は危険サインかもしれない→睡眠中の呼吸に問題を抱える高齢者は、そうでない人に比べ、軽度の認知障害と診断される時期が平均10年早まる。
第3部熟睡人
○眠って「スリム」になる→「体型」は目を閉じている間に変わる。
○「腸内細菌」は夜、休まないと働けない。
○「免疫力」を強くする→眠りは「がん」さえ遠ざける。
○「予防接種の効き目」はその日の睡眠時間で決まる。
○「シフト勤務者」はリスクが高くなる。
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睡眠は、いい事だらけ。睡眠は、生きるうえで必要。を理解させてくれる。若かりし頃、睡眠を無駄にしていた。短くしたり、寝だめしたり。そんな自分に、この本を読みよ、と言ってあげ、片意地はらなくても、すんなり睡眠の恩恵は受けられると、言いたい。
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炭水化物の中でも消化吸収の早い単糖類や二糖類、また飽和脂肪酸の割合が高い食事が、バランスの良い食事に比べて深い眠りを浅くすることも知られている。
晴れている日なら屋外に30分もいれば十分。曇天だと太陽光線が弱いため、同量の光を浴びるには約1時間、外で過ごす必要がある。
朝、カフェイン入りの飲み物を摂取すると、目が覚め、元気になるだけでなく、体内時計のスイッチが入る効果がある。
睡眠・覚醒リズムの最適化を図るには、午前中に運動するとよい。
香りには過去の記憶を呼び起こす力がある。それどころか、睡眠中に香りを知覚すると、記憶の定着の促進にも効果がある。
朝8時から18時の間に食事をとり、18時から翌朝8時まで、つまり代謝が休憩をとる時間帯にエネルギー摂取を休止することで、腰まわりに脂肪がつきにくくなるというわけだ。
21時以前に食事をとる、または夕食から少なくとも2時間空けて就寝すると前立腺がんのリスクが26%、乳がんのリスクげ16%低下することがわかっている。
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しっかり太陽の光を浴びましょう。
軽い運動をしましょう。
しっかり7~8時間の睡眠をとりましょう。
心配事も何もかも、眠ればなんとかなる!
眠らなければ体調を崩す。
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睡眠の重要性と、睡眠欠落による弊害を知れる1冊。個人的には「睡眠こそ最強の解決策である」の方が細かく知れて、おすすめ。
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質の良い眠りと日中の活動に密接な関わりがあることを改めて知らされた。特に、睡眠により脳の老廃物が除去されることに驚き、より睡眠の大切さを実感。健康のためにも、年老いてもいきいきとした暮らしを送るためにも、今日から睡眠を疎かにしない生活に改善しようと心に誓った。
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健康に幸せに生きたいのなら、良い睡眠ができる生き方をする。睡眠ファーストで日中を過ごすことが何よりも大切だと身に沁みて分かった。この本を読む前は、中途覚醒に悩み、熟睡感が持てない日々が続き不安だったが、眠れないからといって自分にプレッシャーをかけるな、そのまま布団にいるだけで充分という教えが不安感を拭ってくれた。睡眠アプリを導入するきっかけにもなり、カフェインとアルコール断ちも果たした。寝る前にバタバタすることは良くないと気づけ、就寝時間から逆算した行動予定を考え、また、体を動かす時間を増やしたことで、最近は眠りの質が上がった気がする。良いきっかけを与えてくれた1冊だった。
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今まで読んで来た睡眠本と基本同じ内容で復習となった。
身体に良さそうなことは、てんこ盛り書いてあるが、あまりナーバスになるのも逆効果だと感じる。
朝起きて、日光浴をするのは原理もわかるし気持ち良いから大賛成。とても自然な人間の営みと思う。
寝る際の注意点としてもベットルームでスマホしたり、刺激的なことをするのはNG 真っ暗にして寝ることが最良なことを再認識した。スマホは持ち込まない。
睡眠にとっても運動は重要な要素であることも確認できた。よく食べ、よく運動して、よく眠る
自然の原理でとても良さそうだ。
睡眠の質を上げることばかり考えがきだが、眠れない場合には横になっているだけでもかなりの休息効果があることがわかった。眠れなくても安心だ。
アウトプットとしては8時間以上の睡眠を確保する
運動数値を目標値まで引き上げる
マラソンに参加する あさ日光浴の欄を作成する
今回も色々と勉強が出来て良かった
ありがとう
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熟睡者
たった一晩の寝不足でも、 人間の脳には大きな負担がかかり、 アルツハイマー病など、脳の病気の診断で用いられるバイオマーカーの値が上昇することが明らかになっている。
さらに、睡眠が足りていないと、精神的プレッシャーがかかる状況に直面したときに発揮したい認知能力が低下してしまう。
心と体を動かし、さらに規則正しく食事をとることで、体内時計が「今は活動の時間で、まだ眠る時間ではない」と認識することをサポートできるのだ。
一方で、日暮れから深夜にかけては、目や筋肉、そして腸を休ませるのが大切だ。
そうすることで私たちの心は、その日の経験を振り返って処理できるようになる。
昼と夜のあいだで、光の量、 連動量、食事のパターンに大きな差をつけると、 体内時計が睡眠の時間と覚醒の時間を正しく理解してくれる。
スマホやそのほかの技術の進歩が、よりよい睡眠のための解決策のひとつになりえることも無視してはならない。
たとえば、消灯後になかなか寝つけずに不安な思いをする人もいる。
そういうときにスマホで音楽やポッドキャストを聴くと、 気分を落ち着かせてスムーズな入眠へと導くことができる。また、最近の研究では睡眠トラッカーのようなウェアラブルデバイスが睡眠に関する誤解を解くのに役立つことも判明している。
睡眠に「影響しないこと」は何ひとつない。睡眠はいわば、 覚醒時の行動を映し出す鏡なのである。
1章 24時間にある「2つ」の世界
覚醒時、体と脳は絶え間なく新しい情報や状況に直面する。その一方で、体も覚醒時には多数の新たな刺激にさらされる。
目が覚めている間、人は望もうと望むまいと、つねに情報収集を余儀なくされている。私たちの脳はあらゆる情報を解釈し、周囲の環境と相互作用を繰り返しているのだ
私たちはなぜ、1日24時間に、2 つの異なる世界を生きるのだろうか。
その答えは単純明快で、覚醒中に長時間働きつづけてきた脳が、 睡眠中なら休息をとることができるからだ。
睡眠中に脳内では清掃プロセスが遂行され、廃棄物が大量に搬出される。睡眠を十分にとらず、脳内のゴミが除去されないと、脳の老化が早まり、ダメ—ジを受けやすくなる。
長期的に見ると、重要な神経細胞のつながりが損なわれ、記憶障害や最悪の場合は認知症の発症を引き起こしかねない
睡眠で回復するのは脳だけではない。体のあらゆる器官、たとえば消化器系や循環器系が日中滞りなく機能するためにも、睡眠中の再生は不可欠だ。
睡眠の質こそが脳機能と免疫システムの円滑な働きに重要で、 健康維持の決め手となる。そのため、眠りが浅く頻繁に日が覚める人は、質の面で足を睡眠時間の長さで補わなければならない。
2章 眠りが脳に直効する 浅い眠り・深い眠り、どちらも必要
深い眠りのステージの大半は夜の前半に生じる。
眠りの前半ではコルチゾール( 別名ストレスホルモン) の分泌紙が最も少なくなる一方、筋肉の増強、成長、そして免疫システムに重要な成長ホルモン「ソマトロピン」が分泌され、私たちの組織は修復、再生されていく。
血圧や心拍数も覚醒時より低下し、心血管系に休息の時間が訪れる。
深い睡眠は大脳皮質全体で起こるが、深い睡眠の中でも脳波が1 〜2 ヘルツとなる最も深い段階は、 おもに覚醒時に目立って活発な脳の領域で起こる。
とくに、覚醒時に集中したり、意思決定をしたり、ストレスを克服したり、新しいことを学んだりする際に絶えず働きつづける前頭葉が挙げられる
できるかぎり深く眠るにはどうすればよいか。その答えはじつに単純で、精神的にも、身体的にも活動的であることだ。
覚醒時やノンレム睡眠時とは異なり、海馬はレム睡眠の間、どの記憶内容を活性化させるかの指揮権をもたない。レム睡眠中の記憶内容の選択は、むしろ偶然に支配される。日中に経験したこと、その中でもとくに、感情を呼び起こしたものや覚醒時に完全には処理されなかったものが活性化される。
浅い睡眠、深い睡眠、そしてレム睡眠から構成される眠りが、一定のパターンにもとづき繰り返される理由については、今のところ科学的に解明されていない。だが、多くの科学者は、このサイクルこそが心身の回復や記憶の定着に寄与しているのだろうと考えている。
3章 「体内時計」を完全に味方にする この「タイムライン」でぐっすり眠れる
太陽光は、睡眠・覚8, リズムにとって再・妾な出発点だ。
外が明るくなり、 覚醒の時間が始まったこと、または暗くなり、それが就寝の時間を意味することを私たちの体が認識できるよう、 人の目は、とくに朝と夕方、太陽光に敏感に反応する。
マスタークロックは、覚醒状態を制御する脳の領域にも信号を送り、「目を覚ませ、注意を怠るなよ! 」と要求する。
このマスタークロックの働きにより、徹夜をして大きな睡眠負債を蓄えていても、次の日、心身が完全に使い物にならない状態に陥らずにすむ。
西洋には「朝は皇帝のように、昼は王子のように、夜は貧者のように食べよ」という昔からの訓話があるが、あながち間違いではない。
7時から17〜19時の間に、規則正しく食事をとる人は、気が向いたときに食べる人よりも、よく眠れることが立証されている。
外が明るいと、マスタークロックはほかのすべての体内時計に、「さあ行くぞ!体をフル稼働させ、栄養を調達する時間だ! 」と指令を出す。辺りが暗くなり、就寝時間が近づくと、体は徐々に省エネモードに入り、体温を下げ、眠気を催すようになる。
体内リズムが弛緩しはじめ、脳と体中の器官に「回復しなければならない、眠る時間だ! 」というシグナルを発する。睡眠, 覚醒リズムの最適化を図るには、 午前中に運動するとよい。光をたっぷり浴びることができ、それによって、夜、適切な時間に睡眠圧(眠気、眠りへの欲求) を高められる。
また、7 〜8 時の間、 もしくは15〜17時の間に持久系のスポーツをすると、光の有無に関係なく、体内時計が朝型へ調整されることを示す新たな研究もある
昼間のカンフル剤として、そして前頭葉に息抜きの時間を与えるうえでも、昼寝は理想的だ。ただしそれは、15分を超えないのが条件。さもないと、 深い眠りに落ちてしまうリスクがある。
そうすると、夜の深い眠りの時間が減少するデメリットが生じる。ホルモン分泌の観点から、夜の深い睡眠のほうが昼のそれよりも高い疲労回復と再生効果をもつことに留意が必要だ。
質のよい睡眠の合言葉は「タイミング」だ。
睡眠とは、 丸一日、24時間の行動の産物なのである。だからこそ、覚醒時の睡眠衛生に気をつければ、質のよい唾眠を手に入れることが.可能になるのだ。
4章 「人口の光」が睡眠を破壊する 「デジタル革命」で消えた熟睡
太陽の光の下で、 たとえばアウトドア活動やスポーツなどを行うことで、画面から発せられるブルーライトによる睡眠障害は予防できる可能性があるといえる。
つまり、夜に画面から受ける影響の大きさは、日中どのくらい光を浴びたかに左右されるということだ。
したがって、真の問題はデジタル機器ではなく、太陽の光の不足にあると考えられる。だからこそ、日の短い季節はとくに、太陽光を少しでも逃さないようにするのが重要だ。
5章 眠って「賢者」になる 眠ったほうが知識が残る
今や、夜を徹して知識を詰め込んでも何の役にも在たないことがわかっている。効率的かつ迅速に学びたいなら、 逆に眠ったほうがいい。睡眠や記憶の形成に最も効果的なツールだ。
脳は夜の間、次の日に必要となる空き容貝を十分に確保するために、新たに形成された神経細胞の接合の大部分を除去していく。前述のように、脳内のこの清掃プロセスは「シナプスのダウンスケーリング」と呼ばれている。
社会的承認は、短期記憶において神経細胞間の結合を強める。また、社会的承認を受けるタイミングが就寝時間に近いほど翌日に記憶が残りやすいこともわかっている。
睡眠中にはさらに、「手続き記憶」の固定化も促進される。この能力は、大脳皮質の一部である運動野で形成される。手続き記憶は、浅い極眠の間に定着し、海馬とのコミュニケーションには依存しない。浅い睡眠の間の新たな手続き記憶の保存に重要な役割を果たすのは、おもに睡眠紡錘波である。
良好な睡眠が衝動制御の改善につながることが証明されていて、それによって賢明な意思決定を行い、怠け心を克服し、やるべきことを片づけるうえで役立つからである。
6章 夢が「創造性」を開花させる 「一晩寝かせる」は大正解
レム睡眠中に私たちは、明快かつ合理的な思考パク— ンからは思いつきもしない、創造的な経験をする。レム腫眠なしには生まれなかっただろう思考の結びつきに、チャンスが与えられるのだ。そのことが、夢が往々にして、極端に支雌滅供で混乱している理由を説明するかもしれない。
深い睡眠時には新たに形成された記憶痕跡が固定されるのに対し、レム睡眠では、新鮮な記憶と過去の記憶との新たな組み合わせが生み出されていく。
翌日にはより優れた解決策が得られるかもしれないという思いから、物事やアイデアを「一晩寝かせよう」と言ったりするが、この表現には多くの真実が潜んでいる。
7章 眠って「感情脳」を整える レム睡眠に「ストレス」を処理してもらう
レム睡眠のおかげで私たちは、自分の感情とうまく付き合い、 それによって精神的なバランスを維持できるのだ。
就���前にはストレスを感じていたことがレム睡眠の間に処理されるため、朝には心が安定し、地に足がついた状態で目を覚ませるようになる。
レム睡眠中に行われる感情に結びついた記憶のトゲを丸める作業は、私たちの体が生来備える感情の処理手法だ。
それによって、特定の感情に取りつかれることや、感情障害の発症を避けることができる。
枕が変わり眠れなかった経験をしたことはあるだろうか。慣れない場所では最初の晩は熟睡できず目を覚ましやすい。研究者たちはこれを、石器時代の名残の「ファーストナイト・エフェクト( 第一夜効果) 」ではないかと考えている。
当時は、未知の新たな場所で睡眠中に完全にリラックスし、熟睡することは、脳にとってリスクをともなう行為だった。そこで左脳が夜警の役割を担当した。右脳を休ませ、左脳はわずかに覚醒した状態を維持したのだ。警戒態勢を保ち、左目を開いたまま眠るようなものだ。慣れない場所にどのような危険が潜んでいるかは、誰にもわからないのだから。
心配の対象が何であれ、脳は、私たちが生き残りをかけて日々戦っていた人類史の始まりの頃と同じように、まるでサバ ンナでバツファローの群れに追われているかのような反応を示す。生死に直結しなくとも、日々の悩みやストレスは私たちの脳を苦しめ、入眠と睡眠の維持を妨げるのだ。
8章 「脳細胞」をフレッシュにする 「グリア細胞」に脳を洗ってもらう
私たちの神経組織には、「グリア細胞」と呼ばれる特別な細胞が存在する。グリア細胞が神経細胞に栄養を運ぶことで、神経細胞同士がコミュニケーションをとるのに必要なエネルギ—が確保される。
つまり、神経細胞の健全な働きはグリア細胞に依存していて、グリア細胞なしには神経細胞は悲惨な状況に置かれ、脳はもはや情報を呼び出したり、処理したり、保存したりできなくなる。グリア細胞を介してエネルギーが供給されて初めて、神経細胞間の内部コミュニケーションが機能し、脳のあちこちに記憶痕跡を残せるのだ。
一部の科学者たちはさらにもう一歩踏み込み、人が眠気を感じるのはアミロイドベータの堆積が原因であり、脳からアミロイドベータが「洗い流される」ことで人は再び睡眠から引き戻されるのでは、と考えている。
9章 眠って「スリム」になる 「体型」は目を閉じている間に変わる
大昔には食料を求めて長い道のりを進まねばならなかったことから、私たちの体はそもそも、エネルギーを消費するより蓄えるように設計されている。食べ物がいつでも手に入る今日の社会とは、状況がまるで違う。本来、狩りに出て、水の実や果実を採集するように作られた人類の休は、 食べ物がたくさん詰め込まれた冷蔵庫がいつも目の前にある状況に、そう簡単には適応できない。
夕方や夜間は眞事が熱に変換される量が最も少ない時間帯なのだ。そのため、夕食時には、朝食や昼食時ほど熱生産のためのエネルギーを必要としない。
したがって、就寝の直前にしっかりとした食事をとったり、夜遅くにたっぷり間食したりすると、摂取したエネルギーはそのまま脂肪貯蔵庫に送られてしまう。そんな食生活を長く続けたら、体重増加は避けられな��。
体は、よく眠れなかった夜のエネルギー消費量が通常よりも多かったことを記憶し、食事から得られるエネルギーを蓄えることでこれを補おうとする。このような状況に置かれた脳は、「昨夜のような大星のエネルギー消費を経験したからには、 将来同じような夜が訪れたときに備え、 何が何でもエネルギーを貯蔵しておかなければ」と考えるのだ。
徹夜をした被験者は、7 〜8 時間の睡眠をとった対照グル—プに比べ、 より大きなサイズの食事を選んだ。脳が一晩中起きていて、翌朝その分のエネルギーを渇望することを思えば、さほど驚くような結果ではない。
睡眠不足が長く続くと、体脂肪の割合が増加する一方、 筋肉量が減少する危険性があるのだ。
事実、たった一晩の睡眠不足により、この現象の原因と思われるエピジェネティツク変異が引き起こされることが、著者ベネディクトとウプサラ大学の研究者たちが行った研究で判明している。
睡眠不足でテストステロンの分泌が少なくなる結果、筋肉量の減少と脂肪量の増加が助長されるようなのだ。
10章 「免疫カ」を強くする 眠りは「がん」さえ遠ざける
人は日々、細菌やウィルスにさらされているのだ。皮同、腸、粘膜、あるいは肺から取り込まれた細菌やウィルスは、体内で悪事を働こうと試みる。
だが私たちの体には「免疫システム」という名の防御メカニズムが組み込まれていて、ほとんどの侵略者から体を守ることができる。
夜の睡眠が妨げられたり、短すぎたりすると、樹状細胞とティー細胞の間の情報交換がうまく行われず、結果として免疫反応が低下するのだ。
睡眠は様々な方法で、私たちをがんから守ってくれる。
第1 に、睡眠中には、タバコや化学物質、特定の食品に含まれる発がん性物質にさらされることはめったにない。
第2 に、睡眠中は体内の自警団、いわゆる「ナチュラルキラー細胞」が活性化される。ナチュラルキラー細胞はおもに夜に活動し、私たちの体の細胞の状態をチェックする保護細胞だ。
11章 「糖」が溜まらない体 「血糖値」へのいい効果がわかった
睡眠の問題を改善できると、体本来のインスリン反応が改善し、 その結果、 糖負荷が軽減されることが研究で判明している。
睡眠不足になると、覚醒時問が通常よりも長くなるため、脳はより多くのブドウ糖を消費する。とくに深い睡眠が不足すると、このエネルギー需要が強まる。それは、深い睡眠の間に重要な記憶を定着させ、不要な記憶を削除するために、翌日、いっそうのエネルギーが必要だと体が判断するからだ。
12章 強靭な心臓 眠って「最重要臓器」を強くする
心臓、血管とも、睡眠中であっても完全に休むことはない。だが、睡眼の最初の2〜3 時間は脈拍や血圧が下がるため循環器系の負担は軽減する。睡眠中には、 損傷を受けた心臓のタンパク質が、 新鮮なタンパク質と入れ替わることも研究で確認されている。
本来睡眠をとるべき時間帯に食べ物を摂取すると、 心臓の再生能力が損なわれることを意味する。このことが、インターバ ル・ファスティングが心血管疾患リスクの低減に寄与する理由なのかもしれない。
人生の中でよく眠れない時期があることは、誰もが知っているし、経験している。
冷静に受け止めて、ありのままを受け入れるのが一番だ。
言い換えれば、全体像が大事なのだ。
体内時計を安定させることで得られる一番の効果は、なんといっても長期的な睡眠の改善だ。何度書いても尝き足りないが、質のよい睡眠、 そして真の健康と幸福は「24 時間の仕事」であることを覚えておいてほしい。
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7-9時間寝ろ、朝に光を浴びよ、就寝前にスマホ見るな。そうしないと、いろんな弊害があるよという本。まだ睡眠に関してはあまり解明されてないようで、推測が多い。
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睡眠の質=浅い深いの良いリズムを作るために必要な深い入眠のために必要な3つ 日光あびる 運動する (寝る前避けて) 食事を 朝 皇帝のように 昼 王子のように 夜 貧者のように。
レム睡眠(夢見て)で悪い感情除去 ≒コルチゾール減らす
ノンレム睡眠(深い睡眠)で記憶定着させる≒海馬 シナプスを整理
記憶に必要なこと・・繰り返す 感情を伴う 生存に関わると認識させる
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睡眠の大切さはもちろん、年齢、食事など密接な関係を持っています。
寝ることはただなのになぜ蔑ろにしてしまうのかは永遠の課題ですね。