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問いを問う ――哲学入門講義
著者 入不ニ基義
哲学とは、昔の人の考えや言葉を知って、理解することではない。哲学上の根本問題に自ら立ち向かうことでしか、哲学はできない。「私たちの心を超えた世界を知ることはできるか?」「...
問いを問う ――哲学入門講義
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問いを問う 哲学入門講義 (ちくま新書)
商品説明
哲学とは、昔の人の考えや言葉を知って、理解することではない。哲学上の根本問題に自ら立ち向かうことでしか、哲学はできない。「私たちの心を超えた世界を知ることはできるか?」「他者の心を知ることはできるか?」「心と脳の関係はどのようなものか?」「死んだら無になるのか?」――本書では、この四つの問題を素材に、哲学の核心へと一気にいざなう。問いの意味そのものを問いなおすこと。相対立する議論のやり取りを、自分ひとりで視点を転換させて行うこと。深く、粘り強く、哲学的に考えるやり方を追体験できる教科書。
目次
- はじめに/第1章 哲学の問いへの序走/初めての科目としての哲学/他の科目との比較(1)──倫理の場合/他の科目との比較(2)──数学の場合/他の科目との比較(3)──国語の場合/第2章 どのようにして私たちは何かを知るのか?/ふつうの問いから哲学の問いへ/問うための基本の枠組み(1)/問うための基本の枠組み(2)/出発点としての「確実な存在」/答えの試みとその失敗/「現在地点」の確認/隙間は埋められるか?/問いの意味──懐疑論/夢の懐疑/五分前世界創造説/懐疑論と独我論の違い/検証主義による懐疑論批判/懐疑論からの反論/その先の攻防/懐疑論と検証主義を俯瞰する/知と信、そして自然的態度/第3章 どのようにして私たちは他者の心を知るのか?/第2章と第3章の関係/存在自体と在り方の区別/問うための基本の枠組み/味覚の事例/色覚の事例/物理的相関説による反論/ふるまい説による反論/懐疑論の過激化/ロボットの懐疑/心の表層・中層・深層/運動としてのクオリア/コギトと他性/知と信/懐疑論の方向転換/ヒエラルキーとアニミズム/全体と部分/逆向きのロボットの懐疑/残る問題、増える問題──コギトとクオリアの関係とは?/第4章 心と脳の関係とはどのような問題か?/二つの懐疑論からの離脱/MとBの関係とは因果関係のことか?/哲学の問題へ──二つの選択肢/二元論を支持する論拠──二種類の内部/純粋に心的な魂/二元論批判/物理主義/二元論からの反論/魂の「一」性/物理主義側からもう一言/第三の見解──機能主義/二元論vs機能主義/第四の見解──二重様相説/アナロジーとしての反転図形/二重様相説と機能主義の関係/五つの見解を俯瞰する──認識論・存在論・意味論の観点から/第5章 死んだら無になるのか、それとも何かが残るのか?/最初の場合分け/死後の無は考えることができるか?/二元論vs物理主義との関係/「である」と「になる」、あるいは時間の問題/証拠の問題と三つの選択肢/死に対する価値論的な問題/死後の無に対する態度/反実仮想と人称の複層/端的な無の恐怖/未生の無と死後の無/付録 国語入試問題と哲学の交錯/I 全体的なコメント/II 私の解答例と設問へのコメント/III 東北大学の「出題意図と講評」/IV 誤読についてのコメント/地平線という比喩についての追補/注/あとがき
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