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イラストで読む「芸術家列伝」 ミケランジェロとヴァザーリ
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イラストで読む「芸術家列伝」 ミケランジェロとヴァザーリ
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ミケランジェロとヴァザーリ イラストで読む「芸術家列伝」
商品説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
西洋美術を学ぶ人にとっては避けて通れない古典、ジョルジョ・ヴァザーリの『芸術家列伝』。ルネサンス期の芸術家たち133人の人生をときにスキャンダルも交えながら描きだしたものです。
ただ、450年前に書かれたこともあり少々読みづらいのと、史実とのずれが今日指摘されています。重要な書籍だけれども一般の読者には手が出しづらい……それが『芸術家列伝』のこれまでの立ち位置でした。
そんな悩ましさを解決すべく、原文を要約し、史実とのずれを修正しながらわかりやすさを心掛けてまとめたのが本書です。イラストもふんだんに盛りこみ、楽しいトリビアも満載です。
今回は133人のなかから巨頭ミケランジェロに絞り、その芸術家スピリットと、真面目さゆえの悩ましき人間の側面も楽しく描きました。
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充実した内容
2015/11/22 01:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キンジー - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても読みやすい内容で、ミケランジェロや、その活躍した時代について分かりやすく解説しているうえに、代表的な作品も写真で楽しむことが出来ました。
紙の本
ミケランジェロでも「芸術家」は大変です
2015/11/10 12:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:足目* - この投稿者のレビュー一覧を見る
『ミケランジェロとヴァザーリ : イラストで読む「芸術家列伝」』は、ヴァザーリの『画家・彫刻家・建築家列伝』から「ミケランジェロ」の本文を訂正もしながら要約し、イラストによる図解や作品の写真を添え、社会情勢・絵画技法・素顔の解説を行い、美術館めぐり用フィレンツェ・ローマの地図をつけた欲ばりな一冊である。最後の参考文献にもどこにもなぜか、ヴァザーリの日本語版である『ルネサンス画人伝』(白水社、1982)あるいは『芸術家列伝 3 : レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ』(白水Uブックス、白水社、2011)が挙げられていない。
白水Uブックス版もいちおう読んでみた。「レオナルド」がざっと30頁のところを「ミケランジェロ」は6倍以上の分量で書いてある。本文と訳注とわずかな白黒写真だけでヴァザーリを読み進めるのは、確かにきつい。まずは作品へ近づくために写真を見て、作者の生涯から作品各所にある意味まで解説されないことにはわかった気がしない現代人の堕落であろうか。
パノフスキーから「たんなる事実確認を超えようとは」していない(『イデア』)といわれても、「芸術家」という種族の姿を事実によって示しただけ、とヴァザーリはいいそうである。ミケランジェロもレオナルドも、無名の「職人」となるべく徒弟として修業を始め、今につづく名声と傑作を有する芸術家になった。
ミケランジェロのそばに長くいたヴァザーリに「客観性」は期待できないとしても、その数多い事実から、制作する者や注文し支払う者(ヴァティカンの教皇やメディチ家などの権力者)とそのとりまきからなる「芸術の共同体」には、名声・評判をめぐる角逐のあったことが読み取れる。「列伝」の醍醐味というのか、そうした集団における視線の交錯が見出せる。ヴァザーリの特徴といえば大げさにせよ、膨大な逸話……もっといえばゴシップを集めたことになる。
サン・ピエトロ大聖堂の「ピエタ」(さすがにイラストは勇み足であろう)について「これだけの短期間でこれほど神々しくすばらしい作品を仕上げたことに驚嘆するばかりである。なんの形も持たない石が、あれほどの完璧な姿になるとは奇跡である」(31頁)というのも、同時代人による集団評価の表現と見てよさそうである。(「ロンダニーニのピエタ」の解説が欲しかった。)
ゴシップの集積にとことんつきあうのでないかぎり、本書のような要約はありがたいし、一つ一つ指摘はしないものの、日本語版にちょくちょくあるたどたどしい感じもない。
「ヴァザーリの美術家伝をいまこそ世に問いたい」というのは、同時代人による逸話集だからこそ「日常の出来事に一喜一憂する人間ミケランジェロが見えて」くる(「あとがき」110頁)でとどめておいた方がよいかも。現代人にとって、つけたしである図解・写真・解説・地図こそミケランジェロその他のルネサンス・イタリアの芸術家を見る手助けであり、ヴァザーリはつけたしにすぎないように思われる。