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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2023/11/22
  • 出版社: 岩波書店
  • ISBN:978-4-00-023394-1
一般書

電子書籍

『食道楽』の人 村井弦斎

著者 黒岩比佐子(著)

明治の大ベストセラー『食道楽』の著者としてのみ知られる村井弦斎の初めての評伝.幕末の儒家に生を亨け,新聞小説家として名をなし,婦人啓蒙へと転じて健筆を振るい,その晩年は仙...

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『食道楽』の人 村井弦斎

税込 4,730 43pt

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『食道楽』の人村井弦斎

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商品説明

明治の大ベストセラー『食道楽』の著者としてのみ知られる村井弦斎の初めての評伝.幕末の儒家に生を亨け,新聞小説家として名をなし,婦人啓蒙へと転じて健筆を振るい,その晩年は仙人への途を歩んだ人.厖大な資料を博捜し,その数奇な生の光と影を時代背景に溶かし込んで描き出す.もう一つの近代の落丁を埋める力作!

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評価内訳

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紙の本

百年前「食育」と「異常気象」を喝破した啓蒙小説家

2010/09/13 14:56

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ろこのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 すぐキレル現代っ子、肥満、過食、拒食、孤食の害と原因が報じられようになって久しい。そこで注目されたのが「食育」の重要性である。2005年六月には「食育基本法」が成立した。目新しい言葉だと思ったがこの「食育」という言葉は百年前、明治のベストセラー作家で、ジャーナリストであった村井弦斎が指摘していたと聞いてびっくりした。 
では
 1、村井弦斎とはどんな人でどんな作品を書いたのか?
 2、ベストセラーとなった『食道楽』とはどんな作品なのだろうか?
 3、ベストセラーになったわけは?
 4、なぜベストセラー作家が今日、文学史上でその名を知られることがないのだろうか?
 こんな疑問を持ってこの評伝を読むことにした。

 1、村井弦斎とはどんな人?
 村井弦斎は1863年(文久3年)現在の愛知県豊橋市で誕生。1927年(昭和2年)63歳で死去。父は漢学の教師として渋沢栄一の子供たちを教え、母は「典型的なサムライウーマン」という女丈夫。この両親の元で育った村井弦斎は東京外国語学校を中退し、1884年(明治17年)21歳のときアメリカへ行き約一年間滞在。各種統計を調査。帰国。帰国後報知新聞に入社。新聞小説を書く。
 報知新聞で6年連載した未来小説『日の出島』は,明治期に書かれた最も長い小説として話題を呼び,弦斎は新聞小説界の第一人者として認められ人気を博す。その後連載されたのは『食道楽』である。
 1903年一月から十二月まで連載された『食道楽』はヒロインお登和がつくる和洋中のさまざまな料理が話題になった。新聞連載と並行して『食道楽』は春夏秋冬の巻の四冊単行本が出版された。四巻あわせて十万部を超えるベストセラーとなったのである。
 2、べストセラーになった『食道楽』とはどんな小説なのか?
 登場人物は、文学士の中川と妹のお登和。中川の親友の大原満である。大原満は肥満しさえない男。ヒロインの「お登和」は美人で聡明で料理上手な令嬢。この不釣合いと思われる二人はお互いにひかれあう。
 文学士の中川はひたすら料理の講釈をたれる。一方、妹のお登和嬢は和洋中、さまざまな料理を作り、大原の誤った食生活を改善しようとする。つまりお登和嬢と大原満との恋の進展をはさみながら食生活のありかた、「食」の重要性、健康と栄養について啓蒙していく「食育」小説なのである。

 3、ベストセラーになったわけは?
 この小説がベストセラーになったのは小説の中でレシピつきで紹介される料理が和洋中、630種にものぼる点にある。明治時代の女性たちは実用的な料理記事として圧倒的な支持を得たのである。 
 では作者の村井弦斎はいったい、どのようにして630種もの料理レシピを得たのであろうか?それは17歳年下の妻、多喜子が作る家庭料理からだった。多喜子は大隈重信伯爵の親類であり、後藤象二郎伯爵の係累という出自である。西洋料理のコックが雇われている家で味見をしたり料理をコックから習ったりした贅沢な味覚と料理の腕の持ち主である。
 弦斎は、妻の料理と大隈伯爵がつかわせたコックの料理などを参考にしたものである。小説のヒロイン「お登和嬢」は弦斎の妻、多喜子がモデルである。
 こうして内容の面白さ、630種もの料理レシピつき、さらに巻末付録には「日用食品分析表」「料理の書籍」「台所道具の図」「西洋食器類価格表」「西洋食品価格表」「台所の手帳」などの付録つきとあってはベストセラーにならないわけはない。しかも四巻の表紙が美しい花の絵であり、巻頭には「大隈重信伯爵家の台所」「岩崎家の台所」「天長節夜会食卓の真景」「大隈伯爵家温室内の食卓」の絵が描かれていて上流階級の食卓風景に庶民は憧れと好奇心をそそられたに違いない。
 弦斎のアイディアの素晴らしさにはうなるばかりだ。しかし、弦斎がこの『食道楽』にこめた狙いは630種ものレシピではなく「食育」にある。「食」を切り口にした生活改善を唱えているのだ。
  日本の教育体系は明治時代から「知育・徳育・体育」の三育を基本としてきた。それに対して弦斎は「食育」という概念を社会に広める目的でこんな歌を作った。
 「小児には徳育よりも智育よりも体育よりも食育が先き」

 わかりやすい言葉で面白く「料理心得の歌」にしたり、小説という形態をとって広く世の中に啓蒙しようとしたことはすごいことである。つまり『食道楽』は「決して美食の書ではなく、「食育小説」にほかならない。

 4、なぜベストセラー作家が今日文学史上でその名を知られることがないのだろうか?  
 十万部というベストセラー『食道楽』を書き、美食家として名を馳せた弦斎は1915年(大正4年)突如断食の研究に入った。自ら実験台となり短期断食と長期断食を行い単行本もだした 最晩年になると、弦斎は、果物食・木食・天然食の実験に入り、竪穴式住居にこもり仙人のように暮らすようになった。すると世間からは奇人視されるようになる 
 明治の後半、十万部というベストセラーを出版し、大衆を熱狂させ、日露戦争中には英文小説を書き世界に日本をアピールしたこの作家の存在は、もはや、文学史上に見ることができないのである。

 しかし、平成の今、黒岩比佐子の手によってよみがえったのである。冒頭に書いたように、やっと「食育」の大切さに気がついた現代人は今一度、本書を読み、百年前、明治時代に「食育」は何にもまして大切だと「食育啓蒙小説」を書いた村井弦斎を顧(かえり)みたいものである。
 また、村井弦斎はあらゆる敵の中で人間にもたらす敵は「異常気象」であると警告したこととあわせて、先見性の高いジャーナリストとしての目を持つこの啓蒙小説家を振り返ってみたいものである。
宮武外骨、斎藤緑雨、矢野龍渓、渋沢栄一、大隈重信、後藤象二郎等との交流、明治の文壇の様子なども興味深い。

 黒岩比佐子は膨大な資料、書籍、手紙を集め、貸し出しやコピーが許されない資料を筆写し、整理し読み込んだ結晶が本書となって花開いた。見事に『食道楽』の人 村井弦斎に命をよみがえらせたのである。専門書と呼んでも良いほどに緻密に整理され充実した内容の評伝にはただただ敬服するのみである。

 2004年度サントリー学芸賞受賞作品。



ブログ「言葉の泉」はこちら。

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2011/02/13 18:46

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/02/16 09:05

投稿元:ブクログ

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