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ほうかごがかり
著者 甲田学人(著者) , potg(イラスト)
よる十二時のチャイムが鳴ると、ぼくらは「ほうかご」にとらわれる。そこには正解もゴールもクリアもなくて。ただ、ぼくたちの死体が積み上げられている。ある日、小学生の二森啓は、...
ほうかごがかり
ほうかごがかり 1 (電撃文庫)
商品説明
よる十二時のチャイムが鳴ると、ぼくらは「ほうかご」にとらわれる。そこには正解もゴールもクリアもなくて。ただ、ぼくたちの死体が積み上げられている。ある日、小学生の二森啓は、教室の黒板に突如として自分の名前が『ほうかごがかり』という謎の言葉と共に書かれたのを目撃し・・・・・・。「ほうかご」と呼ばれる異様な学校で、命を賭して化け物たちを記録し抑える、少年少女たちの“真夜中のメルヘン”、解禁。
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この作者にしては"ライト"なノベル
2024/01/18 07:39
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:螺子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公が小学生だからか、主な客層となる若年層に向けた配慮なのか、あるいは大衆向けを狙ったためか、過去作に比べると諸々の描写が優しい気がします。
今までの作品は怖い話が好きでも怖くて読めないという方がちらほら見受けられるレベルでしたが、今作はよほど苦手でない限りはエンタメとして楽しめる程良い怖さ。だと思います。たぶん。今のところは。
例えば『断章のグリム』だったら確実にページを割いて「もうやめて!」と言いたいくらい緻密に描写されていただろうな、というシーンが暗転してぼかされていたり。
例えば『霊感少女〜』だったら完膚なきまでに心を擦り潰されていたであろうシーンが、誰しも経験したことのある暗澹たる気持ちになる程度で抑えられていたり。
とはいえ、描写が控えめになってはいても、この世界観の残酷さと美しさは充分に伝わるはずです。特に過去作からの読者には。
派手なグロテスク描写や、クリーチャー的な描写が少ないぶん、作者の得意とする生々しく嫌な心理描写が光ります。
最初は小学生なのに早熟過ぎでは?と感じるかもしれませんが、読み進めていくと『小学生だからこそ』の割り切れなさ、大人から見ると「考え過ぎ」な幼さに由来することがわかります。この辺りのバランスが非常に上手いと感じました。
強いて言うなら、主人公が小学生ということで、過去作に比べると蘊蓄パートが物足りないと感じるかもしれません。
そして初読の方。甲田学人という作家の、その作風を知るための最初の一冊として、かなりおすすめです。
こちらがハマった方には新装版が発売し全13巻で完結しているMissingをおすすめします。高校生の学園ホラー、もとい、メルヘンです。