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民主主義を疑ってみる ――自分で考えるための政治思想講義
著者 梅澤佑介
近年、民主主義の危機が叫ばれ、その重要性を訴える議論が巻き起こっている。だが、民主主義を擁護するだけで本当に今日の「危機」は回避できるだろうか。むしろ、民主主義それ自体が...
民主主義を疑ってみる ――自分で考えるための政治思想講義
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民主主義を疑ってみる 自分で考えるための政治思想講義 (ちくま新書)
商品説明
近年、民主主義の危機が叫ばれ、その重要性を訴える議論が巻き起こっている。だが、民主主義を擁護するだけで本当に今日の「危機」は回避できるだろうか。むしろ、民主主義それ自体がポピュリズムなどの現象を招いているのではないか。本書では、政治思想が「民主政」批判から始まったことに注目しつつ、民主主義だけでなく、それを補完・抑制する原理としての自由主義や共和主義、社会主義などを取り上げ、それぞれの歴史的展開や要点を整理していく。主主義を機能不全から救い出すために何が必要か、その核心に迫る白熱の講義。
目次
- まえがき/空前の「民主主義」ブーム?/「選挙は大事」というけれど……/政治「思想」の重要性/序章 人間と政治──なぜ市民が政治学を学ぶのか/1 政治責任について──「政治」というあまり気乗りのしない営み/「政界」と「政治の世界」/原罪としての政治責任/法律、道徳、政治/2 人為と自然──運命としての政治?/人間特有の営みとしての政治/政治と運命/政治責任からの逃走/無為から生じる政治責任/政治的決断──政治と学問の対立/半神半獣としての人間/3 政治リテラシーの涵養に向けて/政治と道徳/「悪さ加減の選択」としての政治/政治の世界の複雑性/「政治思想」とは何か/本書のアプローチ/第1章 民主主義──それだけで十分か/1 古代民主政の誕生と衰退──デモクラシーの揺籃期/民主政以前の時代の運命観と政治観/「政治」の誕生──自然から人為へ/暴力から言葉へ/ノモスを相対化する視点/ペロポネソス戦争とピュシスの主観化/ソクラテスとソフィストの対決/ソクラテスの死/2 古代民主政の実践と政治思想の誕生/プラトンの絶望と民主政批判/アリストテレスの哲学と国制分類論/穏健な民主政と過度な民主政/3 近代民主主義の誕生──政治理念からエートスへ/一般意志は代表されえない/現在主義の問題/政治的実践としての近代民主主義/エートスとしての民主主義/後見人を求める民衆/4 現代民主主義のもう一つの思想的基盤/ルソーの文明社会批判/エリートに対する軽蔑/失われた「自然」への憧憬/ニーチェの刹那主義/5 民主主義の現在/頭数を数えるデモクラシー/転機としての第一次世界大戦/いわゆる「おまかせ民主主義」/政党の存在意義/第2章 自由主義──なぜ生まれ、なぜ根づいたのか/1 古代世界に見られるリベラリズム的要素/ヘレニズム思想/パンとサーカス/キリスト教の登場/「神の国」と「地の国」/2 中世におけるリベラリズムの萌芽/立憲主義の萌芽/議会主義の萌芽/資本主義を支えるエートス/3 リベラリズムの体系化/自由主義の出発点としてのロック/ロックの所有権論/ロックの社会契約論/モンテスキューの三権分立論/イギリスにおける議院内閣制の成立/ヒュームの「黙約」論/ヒュームの文明社会論の思想史的意義/「共感」を求める人間本性/スミスの経済的自由主義/4 社会に浸透するリベラリズム/法学者ベンサムの功利主義思想/近代社会というパノプティコン/パノプティコンと新救貧法/ヴィクトリアニズムという監獄/ウィッグの反民主主義思想/J・S・ミルの「思想の自由市場」論/スペンサーの社会進化論/「自然」の領域の変遷/進歩に対する楽観/5 リベラリズムの現在/権力の制限という諸刃の剣/自由主義の陥穽/第3章 リベラル・デモクラシー──歴史の終着点か/1 民主主義と自由主義の交錯/J・S・ミルの危害原理/ワイマール憲法の穴/シュミットの議会主義批判/喝采と民主主義/〈等価性の世界〉における決断主義/2 リベラル・デモクラシーの隘路/「歴史の終わり」?/〈国制〉に対する過信/公的なものへの冷笑
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