錨のない船 みんなのレビュー
- 加賀乙彦 (著)
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紙の本錨のない船 上
2016/07/03 04:04
暗号は解読されていた
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投稿者:garuhi - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次世界大戦(大東亜戦争)の勃発の直前にルーズベルト大統領・ハル国務長官を向こうに回し、平和交渉を行う外交官来島平三郎の苦悩を、ノンフィクション的フィクションという手法を通じて書き上げた大作として、本書は重厚であり、重い主題が畳みかけるように読者に迫ってくる名作である。それとは別に評者は、以前より、真珠湾攻撃・パールハーバーアタックがアメリイカ=ルーズベルトによって仕掛けられた謀略であるとする説をとっている。その根拠として、日本軍の暗号がかなり以前よりアメリカ軍によって解読されていたとする説を真実と考えている。なぜなら、ヒットラー・ドイツの宣戦布告は常に電撃作戦の後になされていた。にもかかわらず、日本軍の奇襲だけが卑怯なジャップの行為として非難されるのは、歴史的事実として不自然である。参戦に消極的であったアメリカの世論を一気に開戦に持って行くために、ルーズベルトは真珠湾攻撃=奇襲に日本軍が出てこざるを得ない経済制裁等の環境を作り、その奇襲を暗号解読を通じて重々承知していたにもかかわらず、わざと日本軍に攻撃させて、アメリカ世論を一気に開戦に持って行くための策謀であったと、評者は信じるものである。勝手な言いぐさだが、本書によってそれが多少裏付けられたと思うものである。いわゆるリアリズムの勝利である。大東亜戦争を再考する上での良書である。
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