私・今・そして神 開闢の哲学 みんなのレビュー
- 著:永井均
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2005/10/25 02:30
もどかしさの‥‥
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
哲学的な課題の数々について著者が日々つらつらと考えたり思ったりしていることが綴られている。最初の方では、〈神はこの世界を記憶や歴史すべてを含んだこのようなカタチのものとして五分前に創造したのだ〉とする説や、〈自分から五〇センチ以上はなれたところには実は何もない〉とする説の考え方を詳しく紹介したり、例をたくさん挙げて考えてみたりする。
私のこの読み方は間違っているのかもしれないが、私には、この本で紹介され思考されているいろいろな哲学的「練習問題」についての著者の議論が、どこかまでは本気で展開されているものの、どこかからは本気では展開されていないように思えてならなかった。また、何かはっきりしないことがひとしきり語られた後で「今まで言ってきたことは実はこうなのだ」と宣言されることも多く、それによる戸惑いも多かった。
著者が何を明らかにすることを目的としているのかよくわからない私は、半信半疑のどっちつかず状態のままで著者の議論に付き合うしかない。ときどき「真髄」のようなものがスパッと語られる。頭のはたらきの鈍いわたしにもさすがにその内容くらいはわかって「うんうん」と肯くことができる。その「うんうん」がときどきあるから何とか読み進めていくことができる。
全体的な印象としては、著者は私に哲学的議論を解説する中で、私をちょっとからかい、ちょっとはぐらかしながら話をすすめているように感じられた。
恐らく著者の意図とは逆に、著者を疑い続けながら読むしかなかったので、読み誤りは少ないと思える。哲学の本というのはすべからくこうあるべきなのかもしれないが。
雑誌連載が初出だが大幅な加筆がなされているそうである。
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