世界を二人のために みんなのレビュー
- 火崎勇 (著)
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評価内訳
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紙の本世界を二人のために
2002/02/24 15:02
たった一人の大切な人。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:miyagiaya - この投稿者のレビュー一覧を見る
姉との政略結婚の話を強引に進める相手がパーティで話したことのある感じのいい青年だと知って春来は驚く。姉に好きな相手がいることを知っている春来は結婚を白紙に戻してくれるよう頼もうとするが、改めて呉服屋の若社長として向き合った梶は、結婚を「ビジネスのため」と言い切る冷たい顔をした男だった…。
何をなくしてもただ一人の大切な人が側にいてくれたら、幸せになれる。そう語る春来の芯の強さに惹かれた梶が、なかなかそれを率直に態度に表せない様子が微笑ましかったです。ハッピーエンドでまとまってからの春来の強気な態度がとても見物だったので、その続きをぜひ読んでみたい感じ。
紙の本世界を二人のために
2002/01/24 19:11
正義漢でイキの良い子がお好きな方に!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:smile - この投稿者のレビュー一覧を見る
社長の息子としてお気楽な大学生活を謳歌していた春来は、ある日突然、父の会社の経営危機を知らされる。それとともに提示されたのは、春来の最愛の姉の「人身御供」的な結婚話だった。姉にひそかに想う相手がいることを知っていた春来は、「そんなバカな!」と父に喰ってかかるが、姉本人の希望もあり、ついにその結婚話は成立してしまう。「どうせ成金のヒヒジジイに決まってる、フザケんな!」と納得できず、イラつく春来の前に現れたのはしかし、すらりと涼しげなハンサム・梶だった。驚きを隠せない春来に対し、さらに梶は「お姉さんの花嫁修業に、弟君も付き添うように」と指示を出してきて…?
正義漢でイキの良い春来と、不器用なほど真面目な梶のでこぼこカップルが楽しい一册。オススメです。
紙の本世界を二人のために
2001/10/01 00:05
仏頂面の若き社長はただの不器用さん
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kaede - この投稿者のレビュー一覧を見る
それまで社長の息子ということで威張っていたわけではないが、不自由なく過ごしていた春来が、急にその生活が一転し、他人の家で奮闘せざるを得なくなる。友達との旅行の計画も取り止め、でもくさることなく、好きな人がいるらしいのに、その感情を押し殺し、梶に嫁ぐことを成り行きとして受け入れようとする姉を助けるべく、自分が姉の変わりに、梶の会社を手伝えるぐらいの能力を身につけようと努力する。
最初は姉を愛してもいないのに結婚するという梶に反発していた春来だったけれど、梶がとても忙しく仕事に取り組んでいることで見直したり、居候させてもらっているお礼はお礼としてキチンと伝える素直さを持っていたり、以前からの親友に今までは相談していたものの、途中でいつまでも友達の負担にはなっていられないと、相談することをやめようと決意するあたり、本筋とはそう関係ない場面だけれど、春来の相手を気遣う性格のよさがよく現れていてせつないし、そういう場面を書かれた著者さんの目の付け所もすごく上手だなぁと思わされた。
梶については、前半、冷たいのか優しいのかよくわからない人だったけれど、後半少し梶とその秘書の相良と姉と春来の4人で旅行に出かけた際、梶の船で小豆島に渡ろうとして途中台風の影響で難破し、梶と春来が無人島に着き、助けが来るまで二人で生活しなくてはならなくなってしまう、という展開になって、やっと梶のいろいろな面が明らかになっていく。
嬉しくても困惑してても冷徹な表情になってしまう不器用な梶が、春来の素直さに戸惑いながらも自分の想いが暴走してしまうのを止められないことを不甲斐なく思う人のよさ。そんな人のよさと対照的に、いつも仏頂面の梶の隣でにこやかに微笑む人のよさそうな相良が、実は、無人島に遭難したように「計画」していたという、とんでもない極悪人ぶりを見せてくれるというオチもあってなかなかおもしろく読めた。
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