春の微熱 みんなのレビュー

1980年代漫画文化への嫉妬

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：３３０７　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

菅浩江さんの作風に通じる、優しいSF譚の『千の王国百の城』に魅了され、続いて手にしたのが本書です。

bk1で検索したら、「2〜3日出荷」。
こりゃ、今が買い（※）だということで。
　　　---------------------------------------
　　　※bk1利用して1年。
　　　　迷ってるうちに2〜3日が取り寄せに成って
　　　　入手にエライ苦労した経験限りなし。
　　　「迷ったら損、見つけたら買え」が私の原則。
　　　---------------------------------------
半ば衝動買いした本書が大当たり。
　偉い＞向こう見ずの煩悩

もー、すごいったらないですな。
1982年〜1985年くらいの作品ですが
まったく、古びることなく活力を保っています。

この新たな出会いの喜びは、
生まれてこのかたブラックジャックを知らずに過ごし
急に出会ったショックに匹敵するかと。

で、内容なんですが……。
「青春期独特の、バカバカしく、かつ一途で微笑ましい勘違いに
気恥ずかしさのてんこ盛りの物語」

えー、はまりました。痛烈に。
『アレックス・タイムトラベル』と『私の保健室へおいで…』も
（野生の勘が、「アタリ」だと囁いたので）なし崩し的に勢いで注文。

……ということで、まもなく文庫が4冊揃います。
しかし、今更買い集めたところで、それがどんなに素晴らしく、
感動し満足したところで
「発表当時、リアルタイムに出会った感動」と比較すれば
刺激は弱いんじゃないかと、しみじみ嫉妬しております（メラメラ）

Beatlesを、その時代に出会いたかったと願うような
「取り残された気持ち」を味わってマス。

一見、鬱陶しい考え方ですが
こう「ないものねだり」をさせるほど
本書が強い魅力を持っている証なのカモ。

さ、手に入りやすいこの時期に
（そのうち「取り寄せ」になっちゃうんでしょうから）、
さくっとお試し下さいませませ。

本との出会いも一期一会、「迷ったら損、見つけたら買え」と
本を逃して歯がみする前に、さくっと衝動買いの力を信じて（笑）


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↑信じた結果、百数十冊の
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　積読本を抱える身（恥）