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ザ・テラー 極北の恐怖 みんなのレビュー

  • ダン・シモンズ, 嶋田洋一
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みんなのレビュー2件

みんなの評価4.8

評価内訳

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紙の本

紙の本ザ・テラー 極北の恐怖 上

2008/12/14 23:20

極限状態でのドラマ

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ダン・シモンズという凄いSF作家がいます。それは間違いありません。
で、書評家か、作家の方のどなたかが仰っていたのですが、
「ダン・シモンズは、SFでない普通の小説書いても面白いの判っているから、、」
私もこれは納得。だけど、そうでもないんですね、、。
 「ダーウィンの剃刀」や「諜報指揮官ヘミングウェイ」を読んだけど、
勿論、翻訳エンタとして水準の作品ではありますが、あの超弩級の面白さだった
SF作品たちに比べるとどこか劣る感じ、燃えきらない感じがしました。
(特に、「諜報指揮官ヘミングウェイ」は、プロットだけ聞いて期待していただけに
 失望感いっぱいでした。もっと面白くなったはず、いや、面白く出来たはず!!)
ただ、上記の発言も遠からず、当たりなのは確か。
ダン・シモンズは、SFの作品でも、所謂、SF的面白さというよりは、
(勿論SF的面白さも十二分にあるのですが、)スリルというより
冒険小説的面白さを全面に出した作家です。SFはガジェットに過ぎないときすらあります。

 で、本書です。
シモンズが、SFでなく、普通の小説をしかも、どっちかというと「諜報指揮官ヘミ、、」
のような、冒険小説チックな小説を書いたと聞いて
期待半分、心配半分、読みたさいっぱいみたいな感じでしたが、、、、。

凄い!!。
 最初に書きますが、傑作です。

 時代は、19世紀の中ごろ。英国海軍が、
大西洋から北周りで太平洋に抜ける北西航路を発見するため北極圏に探検隊をおくりこみます。
しかし、探検隊は、二隻の船ごと極北の氷に二年半もの間(事実上三年)閉じ込められてしまいます。
極限状態での生存が続く中、白い巨大な生き物まで彼らを襲います。
そして、喋ることのできない謎のイヌイットの女性。
石炭と食料のデッドラインが近づくなか、彼らは、、、、。
というプロット。

 大遭難に終わった実際の探検隊を題材にシモンズが、エンタメ小説に書き上げました。
白い巨大な生き物が襲ってくるというので、シモンズってこういう人間より大きななにかに
襲われるって好きだなぁって読んでいたのですが、これも私のシモンズに対する
知識の浅さからくる浅学な当て推量でした。
この白い巨大な生き物も最後凄いことになります。
 次に極点について書きたいのですが、SF作品には、よく北極や南極の極点が出てきます。
(エヴァにも出てきましたね、、。)
これは、極地というのが、地球上にあって一番地球的でないところです。
別世界といってもいいでしょう。
あるのは、酸素ぐらいで、、、といっても過言ではありません。
 あの戦場での取材も経験した宮嶋カメラマンが今まで一番辛かった撮影はどこですかの質問に対して
一瞬の躊躇もなく南極と答えていたぐらいです。
 そうなのです。本書は、ごくごく簡単に言えば、極限状態でのドラマなのです。
前半は、ハードにハードにこの極限状態を描き、そしてこのハードな展開を貫いた向こうに
後半、巻末の解説にも書いてあったので別にいいと思うのですが、
ハードさを突き抜けて、イヌイットの神話の世界に入ります。
 最初は、このハードな展開なのに、このままハードなまま書いて欲しいと思っていたのですが、
これが、良い!!。ある意味、この神話による解釈によって、この作品は、文学的にも、文芸的にも、物語としても
ぐーっと話しが広がり、普遍性、なんかが出ています。
白い巨大な生き物も、そうだし、再三描かれた、艦長のクロウジャーの夢もこう繋がってくるとは、、、。

 兎に角、圧倒されました。本音をいうと、ジャンルわけが難しい本ですが、
兎に角、傑作です。冒険小説ファンは、読むべしです。
"シモンズの非SF小説は、面白くない”を撤回したいと思います。

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