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わかりやすくて面白かった!
文中にもある通り、1000年の時を超えて残ってきた文章は、一度や二度では味わいきれない!
文芸の裏にある人間ドラマ、楽しめました。
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見えないモノを見ようとして望遠鏡を覗き込む。
目の前に見えているやり取りのわずかな隙間に、行間にひょっとして…?と考えて二人の関係やそこに生まれる感情を補完してしまう。
これこそがカップリングが大好きな人間の業である。
それぐらい人間ドラマが、人間関係が好きだ
『名作古典はカップリングだらけ!? 伊勢物語から古今和歌集まで、古文を「カップリング≒関係性の解釈」で妄想しながら読み解く本。「萌えポイント」さえ掴めば楽しく学べて、忘れない!』妄想古文/三宅香帆
この紹介文を見たらカップリングが大好きなオタクは読まざるを得ない。
私はそれらに萌える。
映画や漫画やアニメの登場人物たちの関係性、そこにぐるぐると流れる大きな感情。
おもしろいに違いない。人間の感情が揺れ、轟く様子はどうしたっておもしろい。
人間、千年前も今も相変わらずおもしろい生き物だなあと思う。
時代は明確に違うはずなのに、なんだか現代の人間たちと同じようなことで悩み、同じようなところで躓いている。
三宅さんのわかりやすく作品への愛がこもった解説でつまびらかにされる古文に出てくるカップリングたち。
もう推しカプ(=推しカップリング)候補がありすぎて、こういう時どんな顔すればいいのかわからないの。
三宅さんが最も推したいという中宮定子×清少納言のカプ。
こういうカプ、好きです。まんまとハマりそう。
片方から巨大な矢印がぐーんと向かっているように思わせて、もう片方からも大きさは小さくとも、たくさんの矢印がびゅんびゅんと伸びている相思相愛カプ。
枕草子は清少納言が中宮定子との日々を書いたエッセイだ。
定子に起こる悲劇等は描かず、彼女の素敵な部分だけを思いっきり抽出して綴っているという。
もう清少納言の健気さに胸が苦しくなる。
好きな人の良いところをしか、美しい部分しか描かない。
これは個人的にかなり覚悟のいることで、難しいことだと思う。
三宅さんの解説を読んで思ったことだから、また枕草子をちゃんと読めば考えが変わるのかもしれないけど、清少納言は何があっても、絶対に、定子が憐れまれるような状況を作りたくなかったのかなと思った。
同情や憐憫は清少納言のなかで定子に向けられるべきではない、自分の大好きな人がそういう対象になることが耐えられない、許しがたかったのかもしれない。
定子が見舞われたあれこれを正直に清少納言が書いていたら、きっと色んな学校の古文の先生は訳知り顔で「この中宮定子はねえ、けっこう悲劇的な人だったんですよ」みたいな小話を始めるに違いない。
清少納言の「そうはさせてなるものか」という気概を感じる。
これが愛ではなくてなんだというのか。
枕草子、そんな一面があったの……?もうこれは原作をちゃんと読みたい。
読んで清少納言の定子への愛情に触れたい。
本書内で紹介されていた「『枕草子』は清少納言が中宮定子の鎮魂のために書いたものである説」。これを個人的にめちゃくちゃ推していきたい。
オタクにとって二人を永久に別つ死とはかなりビッグな出来事だ。
推しカプの片方が死んだときにもう片方がレクイエムを贈るという一連の流れ、大好きですから。
山本淳子先生の『枕草子のたくらみ「春はあけぼの」に秘められた思い』も絶対に読みたい。
古文。有名作品の内容はだいたい知っている。高校のころからもっと読みたい、理解したいと思っていた。
でも現実にはそうはいかず、どうしても知識先行の授業内容や参考書の内容は興味の芽を早々に摘み取ってしまう。
三宅さんはまえがきで授業で取れる古文の時間は短い。わかりづらいのも仕方のないことだ、と書いてくれている。
この一文にかなり気が楽になった。
近寄りたくてもなんか近寄りがたくて、近寄ってみたはいいものの自分が打ちのめされたときのことを考えると手が出しづらい分野ではあった。
でもずっと古文で取り扱われる作品のことをもっと理解したい、近づきたいと思っていた。
『本書でお伝えする、学校では教えてもらえない、古文のおいしい部分。
それは―古文で描かれている、人間関係の面白さを知ること。
つまりは【推しカップリングを見つけること】なのです。』妄想古文p17/三宅香帆
人間は人間と関わることから逃れられない。だからこそ人間関係が重厚に描かれた作品や人と人との絆やつながりにフォーカスしたコンテンツは注目され、人気があることが多い。
古文も同じで、同じように楽しめる。
人間関係によって生まれる感情の機微をわかりさえすれば。
職場のこと、家族のこと、恋愛のこと。
どれも関わる人間がいるからこそ生まれる悩みで、それは今も昔も変わらない。
古文は物語として充分におもしろいのだと教えてもらえた。
ひとまず角川のビギナーズ・クラシックスあたりから楽しんでみたい。
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三宅香帆さんの著書2冊目。
「源氏物語」や「枕草子」など有名作品が誕生した時代背景や人物たちの関係性を古文オタクの想像力と洞察力で読み解く本作。
源氏物語の内容を全く知らなかった私はソシャゲ並に多いヒロインたちの紹介で笑ってしまった。
時代を超えて語り継がれる物語というと大層に聞こえるが色恋に一喜一憂したり出世への野心を綴ったり季節や娯楽を楽しんだりと私たちにも身近な感情が記されている古文。
環境や生活は違えど何百年も昔の人達と気持ちを共有できることが古文の魅力だと私は思う。
学生時代にこの本の内容を教えて貰ってもっと早く古文沼にドボンしたかった〜!
(何でもありの人間関係は中坊には刺激が強いか…笑)
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古文て動詞や形容動詞の活用ばかり覚えて中身は全く忘れてしまっているし難しかった記憶しかないという諸君に、本当は面白い古文というのをわかりやすく教えてくれる良書。
私はすでに作者の三宅氏のファンで彼女の本を何冊も読んでいるのだがやはり過去の名文を令和の時代に合わせて現代人に伝えてくれるのが巧い。
本当はもっと1冊1冊を深堀りしたいんだろうーなーという気持ちを抑えて、おいしい部分だけを凝縮して興味を持ってもらえるように仕掛けている。挿入されているイラストも素晴らしい
『枕草子』『源氏物語』『紫式部日記』『伊勢物語』『落窪物語』『更級日記』『浜松中納言物語』『とりかえばや物語』『有明の別れ』『万葉集』『古今和歌集』と取り上げているものが多く、そのどれかには共感できる。個人的には『更級日記』を読んでみたくなった。
2024年の大河ドラマは紫式部に決定したそうだ。まずはこの本で予習をするとよいかも
三宅氏は江戸時代のものなどまだまだ書きたいものがいっぱいあるという。この本が売れたら続編が出そうな勢いなので是非ぜひお願いしたい
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古文のテストにはほとんど出ないだろうけど古文の勉強のモチベーションにはなりそう。時代背景の説明もするする読めて面白かった。
しかし、2022年でもこの感情は「萌え」でいいんだね?!となりました。レーベル的な想定読者層は中高生だけど、今の中高生は「萌え」っていうのかな……
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清少納言と紫式部があまり仲が良くなかったぐらいしか知らないほど古典は苦手中の苦手。図書館で目に留まったので借りてみました。
シスターフッドやブロマンスは大好きなので推しカップリングという視点で読み解かれているというのも心惹かれました。
トップバッターは『枕草子』、著者曰く布教ファンブログだそうです。
歌も取り上げられていますがこの訳がとても分かりやすい(笑)。今の子たちにはこれぐらいのほうが親近感が湧くでしょう。あと歌自体も簡単。短いお手紙、という感じ。
和歌というと百人一首のいくつかしか知りませんが教科書に載っていたものはたぶん技巧が凝っていて難しいものばかり目にしていたのかも。
続いて『源氏物語』や『伊勢物語』などが紹介されていますが、最近になり写本が見つかったという『有明の別れ』という作品の内容がすごい。神のお告げにより男装して生きていく超能力を持つ有明姫。もうラノベだし、もし超能力でチートならなろう系では(話の展開もなかなかすごい…)。
一番気になったのは『古今和歌集』の紀貫之と凡河内躬恒(著者曰く平安のビートルズ)。紀貫之も文学史の中で勉強した名前しか知らない上に、ぼ、ぼんかわち??誰?ぐらいの知識で我ながら酷い。凡河内 躬恒(おおしこうち の みつね)、がんばってチェックしてみよう。
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背表紙に興味を惹かれて手に取ったものの、表紙がラノベみたいでちょっと恥ずかしい。でも中高生にはこれくらいの方が読みやすいのかも。
枕草子や源氏物語などを扱った6章までは知っている話も多かったが、7章からの「どう編む? 人間ドラマ渦巻く歌集制作現場ー古今和歌集」は和歌の歴史から始まり紀貫之ら編者の関係がとても面白かった。
そういえば万葉集と古今和歌集の間の時代ってどうなっていたの?とか、和歌界のスーパースターみたいな紀貫之が司書みたいな仕事をしていたとか、知らないことが埋まっていく感じが楽しい。
特に好きな話は「紀貫之×凡河内躬恒 なんて平安のビートルズ」(なんで素敵にジャパネスクのもじりかな?)
「月がきれいですね」と訪ねてきた凡河内躬恒に対しての貫之の返答が最高で、著者とともに貫之の肩を揺さぶりたくなった。
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名作古典はカップリングだらけ!? 伊勢物語から古今和歌集まで、古文を「カップリング≒関係性の解釈」で妄想しながら読み解く本。「萌えポイント」さえ掴めば楽しく学べて、忘れない!
著者
三宅 香帆 (ミヤケ カホ)
作家・書評家。1994年生まれ。高知県出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了(専門は萬葉集)。著書に『人生を狂わす名著50』『妄想とツッコミでよむ万葉集』『女の子の謎を解く』他。
第1章 百合が生んだ日本一有名なエッセイ――枕草子
『枕草子』…中宮定子×清少納言
・日本最古の百合にして布教ファンブログ
・百合物語としての『枕草子』
・定子と清少納言の出会い
・「私のこと、好き?」
・遠距離になっても……
・描かれなかった定子の政変
・別れは描かない
・推し、描く
第2章 天才作家の仕事、恋愛、シスターフッド――源氏物語①
『源氏物語』…紫式部×清少納言、紫式部×藤原道長、紫式部×女の子?
・「彰子モテ作戦」で招かれた紫式部
・時代を超えた小説家VSエッセイスト対決
・「女だなんてもったいない」紫式部の抑圧
・奇跡の国風文化――女性を描き切った大長編の誕生
・パトロン兼ファンと作者の色っぽいやりとり
・意外に女性との仲もアツい紫式部
第3章 男女だけじゃない! 百合もBLもありのハーレム絵巻――源氏物語②
『源氏物語』…桐壺更衣×桐壺帝、光源氏×藤壺、明石の君×紫の上、光源氏×空蝉、頭中将×光源氏、紫式部×紫の上
・シンデレラストーリーは突然に
・紫式部、伏線の張り方がうますぎる
・子どもをめぐるエトセトラ
・光源氏と結ばれないハッピーヒロイン
・元祖BL萌えはここから!
・シンデレラは傷ついていた
第4章 無限カップリング天国と主従モノ――伊勢物語・落窪物語
『伊勢物語』…在原業平×伊勢の斎宮、在原業平×藤原高子
『落窪物語』…落窪の君×阿漕
・『源氏物語』=ポストモダン文学?
・「歌物語」はミュージカル、「作り物語」は演劇
・なぜタイトルは『伊勢物語』なのか?
・禁じられた2人
・在原業平、ジャニーズにいそうな歌人No.1
・ゴシップ的追記文の謎
・モテ男すら翻弄する「アザトカワイイ」
・白玉の和歌に想いはたくされて
・継母にいじめられる! 平安時代のシンデレラ
・「お姫様にしてよ!」ネガティブな姫×ポジティブな女房
第5章 二次元に恋して、二次創作に励んで――更級日記・とりかへばや物語
『更級日記』…菅原孝標女×妄想・光源氏、孝標女×妄想・薫の君、孝標女×現実の男/『浜松中納言物語』…中納言×唐后
『とりかへばや物語』…中将×四の君、中将×中納言/『有明の別れ』…中納言×対の上
・平安時代もヲタクに恋は難しい
・プリティ・プリンセス願望
・文学少女が夢見る頃を過ぎても
・孝標女と亡き夫――彼女の中年時代
・まさかの転生ネタ――振り返れば孝標女がいる?
・みんな大好き男女逆転・源氏二次創作
・性別よりも、君の名は?
・ジェンダーの攪拌と平安文学
第6章 古文イチ妄想捗る! 歌の外にある関係性――万葉集
『万葉集』…額田王×大海人皇子、額田王×鏡王女、石川郎女×久米禅師、竹取のおじいさん×かぐや姫?
・万葉集は最古のSNS!
・授業では習わない三角関係のウソ
・正反対のシンメトリー女流歌人
・賢い女性は最強!
・『万葉集』版・竹取物語の正体
第7章 どう編む? 人間ドラマ渦巻く歌集制作現場――古今和歌集
『古今和歌集』…醍醐天皇×紀貫之、紀友則×紀貫之、紀貫之×凡河内躬恒、凡河内躬恒×小野小町、藤原顕輔×藤原清輔
・和歌を推していこう!
・最強のアンソロジー・ベストアルバムを作れ!
・勅撰歌人は平安アベンジャーズ?
・なんて平安のビートルズ
・再びゴールデンコンビ
・「歌同士」の関係性から生まれた二次創作
・わずか15歳差、栄誉ある父×不憫な息子の不和
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古文の世界は魅惑的なカップリングだらけ。そこを萌えポイントにすれば、苦手な古文も好きになるし、忘れない。そんなコンセプトで書かれたのが本書。
冒頭は私もイチオシの中宮定子と清少納言の『枕草子』。その後は『源氏物語』『伊勢物語』『落窪日記』『更級日記』『とりかへばや物語』…。
何ともおもしろい視点のアプローチで、ざくざくと読み進めた。古文はちょっと…という人も楽しく読めることは請け合い。ちょいちょい出てくる若者言葉や中年オヤジへの辛辣な物言いに、まさにオッサンな私は若干たじろいだが(笑)。
なかでも私がおもしろく読んだのは、高校の授業
の時から凄まじく親近感を覚えた『更級日記』で知られる菅原孝標女。文学オタクのイメージだったが、そうなるのかと興味津々。
そして最終章の『古今和歌集』。これは萌える!なんじゃ、この大河も真っ青な人間ドラマは!おお、萌えるとはこういうことかと興奮して、出てきた短歌を書き留めた。
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学生時代から古文、社会が苦手だった自分は本書で出てくる本は名前しか知らないものがほとんど。
難解な古語に阻まれて意味が分からなかった古典。登場人物は意外と今のひととそんなに変わらない。どれもおもしろそうで、とくに枕草子を読んでみたくなった。
続編がでたらぜったい買うので、ぜひ江戸編も出してほしい!
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萌える関係性は古文にも!
百合とかBLとかいわゆるクソデカ感情というものを見出して楽しんでしまう人向けに、古文の中の萌える関係性をプレゼンテーションしてくれる本。教科書には出てこない箇所も紹介されるが、興味を持って教科書に出てくる・出てこない関係なく読みたくなる。
『枕草子』が清少納言から定子への熱い想いによって書かれたことや、『源氏物語』から読み取れるシスターフッドと女性像、元祖ヲタクと名高い『更科日記』から二次創作やジェンダーについて、『万葉集』や『古今和歌集』からみる歌人の関係性など、授業では脱線で語られるような、でも身近に感じられるエピソードがたくさんある。
試験前に読むより、休みの日に読んで、興味を抱いた作品を探しに行きたい本。
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萌えすぎて?絶対忘れない?妄想古文??たとえば「吉田兼好が書いた随筆?」「枕草子」いや「徒然草」か。どっちも草ついてるしややこし~っていうのがなくなります。古文がわかりづらいのは本当においしい部分をまだ教わってないから。濃密で豊かで愛おしい人間関係を知れば楽しめます。清少納言と中宮定子の関係、いいなぁ。
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最初に枕草子を持ってくるのがさすが。わかってるな~と。
中宮定子×清少納言は定番ですよね。
知らなかったカップリングがたくさん知れてよかった。
落窪の君×阿漕、紀貫之×凡河内躬恒が特に気になる。
あ、紫の上×明石の君も!
学生時代にこの本に出会っていたらもっと古典が好きだっただろうな~
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面白かった。ところどころ挟まれる筆者の意訳がとてもわかりやすい文体だったので、筆者の訳で全文読みたくなった。
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睦月ムンク女史の装丁画、あまりにキラキラ平安少女漫画で目が焼けるかと思った…想定外だった…。
そんな気はしていたけど、三宅香帆女史、古典文学もイケる口のようだ…。
百合もBLも好きなようだが、なんてーかやっぱり国語読みな人だなあとも思う。