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いま、子どもの本が売れる理由
著者 飯田一史
本が売れず、子どもの数も減る一方の現代日本。にもかかわらず子どもの本の売れ行きは好調だ。90年代まで深刻化していた「子どもの本離れ」が驚くほど解消された背景には一体何があ...
いま、子どもの本が売れる理由
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いま、子どもの本が売れる理由 (筑摩選書)
商品説明
本が売れず、子どもの数も減る一方の現代日本。にもかかわらず子どもの本の売れ行きは好調だ。90年代まで深刻化していた「子どもの本離れ」が驚くほど解消された背景には一体何があったのか? 戦後の児童書・児童誌・児童マンガ市場と読書推進活動・政策の通史を描きながら、この謎を解き明かす。と同時に、圧倒的に売れているのにその理由が考察されてこなかった『かいけつゾロリ』『ぼくら』『銭天堂』『12歳。』『図鑑NEO』などのベストセラーの分析、関係者取材から、いま子どもが求める本の姿を考える。
目次
- はじめに/謎1 子ども向けの「本」市場だけが復活し、「雑誌」はボロボロ/謎2 ヒット作の背景がわからない/謎3なぜか通史を書いた本がない/子どもの本ビジネスの戦後史と現在/第一章 子どもの読書環境はいかに形成されてきたか/一、一九四〇年代~七〇年代 戦後児童文学と学年誌が黄金時代を迎えるまで/学校図書館が長らく放置状態になったわけ/訪問販売による全集・事典ビジネスの隆盛/創作絵本の勃興/戦後児童文学の黄金期/子ども文庫(家庭文庫)の時代──本を読む側の革新/マンガ市場の拡大──キャラクター主体・TVとの連動・少年少女小説からの輸入と独立/テレビと蜜月の学年誌・幼年誌/二、一九八〇年代~九〇年代 サブカルチャーの隆盛と児童書冬の時代/コミックス市場の爆発とアニメやゲームとのメディアミックスで伸長するマンガ/児童サービスを拡大する公共図書館と子ども文庫の利用数減少/停滞する八〇年代の児童書市場とその例外/マスメディアと連動しないと動かない──八〇年代後半~九〇年代の児童書市場/三、二〇〇〇年代~二〇一〇年代 教育観の変化と国ぐるみの読書推進/肥田美代子らによる学校図書館改革と図書整備計画策定/出版界・学校図書館・読書ボランティア・教育政策の動きがリンクする/ブックスタート──読書好きを育てる幼少期の読み聞かせ/朝の読書運動は「学級崩壊」対策として広まった/『ハリー・ポッター』と海外ファンタジーブーム/学力向上施策に組み込まれる読書推進活動/PISA型学力養成機関を求められる二一世紀の学校図書館/二〇一〇年代後半の児童書市場に働く力/第二章 あの雑誌はなぜ売れているのか/「コロコロコミック」と「少年ジャンプ」──相互影響と棲み分けまでの歴史/「ちゃお」が「りぼん」「なかよし」を抜いた理由/“JSのバイブル”まいた菜穂『12歳。』は何を描いてきたのか/第三章 ヒットの背景──幼児~小学生編/おしりたんてい論──推理が理解できない未就学児~低学年も楽しめるミステリーとは?/ヨシタケシンスケの絵本はなぜ絵本なのに小学校高学年にも読まれるのか/お菓子づくりと本の楽しさを親子そろって味わえる『ルルとララ』/絵物語と児童マンガを受け継ぐ冒険アクション読みもの『ほねほねザウルス』/『かいけつゾロリ』はハリウッド脚本術と時事ネタで心をつかむ/本嫌いの男子を惹きつける「毒」を含んだポプラ社らしい翻訳もの『グレッグのダメ日記』/低中学年向け四六判並製本が児童書で普及するきっかけとなった『マジック・ツリーハウス』/『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』──セオリー破りの設定と毒、自分で考えたくなる駄菓子/レトロとポエムとおまじない──カジュアルな恋愛読みものロングセラー『一期一会』/日本の女児は完璧美人より三番手が好き──『王女さまのお手紙つき』/グレタ・トゥンベリの警鐘とシンクロする『動物と話せる少女リリアーネ』/飛翔する児童文庫──講談社青い鳥文庫と角川つばさ文庫/『54字の物語』──ウェブから学校へ「手軽な創作」ムーブメントを広げる/図鑑戦争のゆくえ/二一世紀の学習マンガ──キャリア教育・自己啓発・STEM・国際化/ほか
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