商法 新版 １１全訂版

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投稿者：ブックレビュー社　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　商法は法改正が頻繁な法律である。だから新味を保つには重要な法改正のたびに改訂を重ねる以外にないが，改訂を続けながらも長年，読者に支持されてきた「商法本」は，実はそう多くない。本書の初版は昭和17年（1942年）。その後，改訂を重ね，今年3月に「十一全訂版」が発行された。もともとの著者は一橋大学名誉教授で法学博士だった故田中誠二氏。商法の権威だ。田中氏が逝去した後は，教え子の堀口亘氏（一橋大学名誉教授，関東学院大学教授），川村正幸氏（一橋大学教授）が後を継いで共著に加わり，現在に至っている。
　最新の「十一全訂版」では，平成11年（99年）の改正ポイントも盛り込まれている。本書の「はしがき」でもエピソードとして紹介されているが，田中氏は生前，「ヨーロッパでは著者が他界した後弟子が改訂を行い，長年継続して出版されている書物がずいぶんあるが，僕の本もそのようになるといいな」と言っていたという。このため，表現に若干のかたさがあるのが難と言えば難か。
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