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紙の本
マイロンと様々な家族像
2001/05/20 17:17
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投稿者:seimei - この投稿者のレビュー一覧を見る
セルティックス所属の元NBA選手でFBIの経歴もあるスポーツエージェント、マイロン・ボライターシリーズ第五弾。今回は新リーグとして始まる女子バスケのスターであるが、現在脅迫されているブレンダのボディーガードとなるマイロン。前々回はマイロンの過去、前回はウィンの過去が事件とのリンクとしてクローズアップされていくものでしたが、今回はマイロンと恋人ジェシカの関係への波紋を呼び起こすゲストキャラであるブレンダを軸に展開されていく。と言っても彼女そのものよりも、このシリーズの形態とも云えるアメリカの現代家族像が引き起こす事件が、幸せな家族と育ったマイロンと様々な家族像を描き出すことでより鮮明に浮かび上がる手法です。
土地に根づく一族の代表の州知事選、ブレンダの失踪した父親、20年前にこれまた消息を絶った母親、脅迫、それらが絡み合い剥き出しになった真実とは。今回の結末には驚きました。ウィットとジョークに包んだマイロン視点の語り口は軽妙で相変わらずですが、事件そのものの比重がいつもよりも重く、切なさよりも深化した印象です。サイドプレイヤーとして主人公の暴力面を補佐するかたちのキャラ(そう単純なものではないが割愛)、スカダーのバルー、スペンサーのホークに値する当シリーズのウィン、このキャラに出会うだけでもこのシリーズは読む価値があります。面白い物語が読みたくて、ハードボイルドとスポーツに少しでも興味が方であるなら、僕は迷わずこのシリーズをすすめます。最高、その一言を送る。