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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.4
- 出版社: うなぎ書房
- サイズ:19cm/222p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-901174-04-5
紙の本
父ちゃんは二代目紙切り正楽
のどかな語り口と機知に富んだ芸風で一世を風靡した二代目正楽。彼の願いを胸にした長男は落語家・桂小南治、次男は紙切り林家二楽。二人の息子が亡き父を偲んで綴る、涙と笑いの芸バ...
父ちゃんは二代目紙切り正楽
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商品説明
のどかな語り口と機知に富んだ芸風で一世を風靡した二代目正楽。彼の願いを胸にした長男は落語家・桂小南治、次男は紙切り林家二楽。二人の息子が亡き父を偲んで綴る、涙と笑いの芸バカ噺。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
桂 小南治
- 略歴
- 〈桂〉1961年埼玉県生まれ。二代目紙切り林家正楽の長男。93年、真打昇進して桂小南治を名乗る。
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紙の本
軽妙かつ淡々家族間の何気ない会話、落語界のエピソードも満載
2000/07/09 17:17
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投稿者:安原顕 - この投稿者のレビュー一覧を見る
二代目紙切り林家正楽(本名山崎景作、平成10年7月2日他界)の長男桂小南治が文を、次男がカットを描いた異色の一冊。「紙切り」とは、音曲に合わせて一枚の白い紙をハサミで切り、動物や花火など、何でもあっという間に切ってしまう芸を言う。本書には63歳で逝った正楽の思い出を綴ったもので、生い立ちから始まり、弟子入り時代のエピソード、落語家志望から「紙切り」に転じた経緯、父親の夢を継いで落語家になった林家二楽の話などが、長男桂小南治の語りを通し、軽妙かつ淡々と綴られている。昭和10年、正楽は、後の春日部で、代々続く農家の長男に生まれる。中学卒業と同時に草加市のミシン工場に就職、縫製工として働く。この職場で知り合った村田美保子と結婚、二児をもうける。当時の工場では一日中、ラジオが流れ、父はミシンを踏みながら、落語や漫才を聴いていた。当時は文楽、志ん生、円歌、柳橋、円生、正蔵、今輔、柳好、可楽、痴楽、金馬、文治、三木助、小さんらが連日かかっていた。そうした噺を日々聴く内、自然に覚え、図々しくも稲荷町に住む八代目林家正蔵の門を叩く。東武線から一本で行ける浅草の、最も近くに住む師匠というので選んだのだそうだ。入門を許された父は、林家正作の芸名をもらい、春日部から稲荷町まで毎日通う。朝六時に家を出て、駅まで20分歩き、浅草まで電車で1時間、浅草から稲荷町までは電車賃を倹約して20分歩いた。しかし稽古は付けてもらえない。かなり強い春日部訛りがあったからだ。上野の鈴本に出た時も、訛りのため客が怒り、ある時は客が出ていったりで、困った師匠は紙切り初代林家正楽宅に連れて行き、弟子入りを頼み、この世界に入ることになる。その他、「なにをやってもいいけけどォ、男として生まれたからには、少なくとも二十七、八くらいまでにはァ、じぶんのカミサンと子供一人、二人くらいは養える仕事を身につけなくちゃダメめだョォ」と言われたなど、本書には、家族間の何気ない会話、正楽の両親の死、二人の息子の進学話などをはじめ、二代目正楽の師匠、落語家林家正蔵(彦六)、初代紙切り林家正楽、著者の師桂小南等々、落語界のエピソードも満載されている。