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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.6
- 出版社: 日本経済新聞社
- サイズ:29cm/270p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-532-12340-2
- 国内送料無料
紙の本
マチスとピカソ
著者 イヴ=アラン・ボア (著),宮下 規久朗 (監訳),関 直子 (訳),田平 麻子 (訳)
影響を与え合ったマチスとピカソ。互いにねたみ、いがみ合っても、誰よりも気になる相手。二人は絵画上の「対話」の絆で結ばれていた−。「対話」という概念でマチスとピカソの絵画の...
マチスとピカソ
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商品説明
影響を与え合ったマチスとピカソ。互いにねたみ、いがみ合っても、誰よりも気になる相手。二人は絵画上の「対話」の絆で結ばれていた−。「対話」という概念でマチスとピカソの絵画の展開を検証する。図版231点収録。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
イヴ=アラン・ボア
- 略歴
- 〈ボア〉1952年アルジェリア生まれ。ハーヴァード大学教授。近代美術史専門。マチス、ピカソから戦後アメリカ美術、特にミニマル・アートにいたる20世紀美術について幅広く研究。
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構図・色彩ともに似たような絵を並べられてみると、「うーん、クリソツ(そっくり)」と思わず唸るが
2000/08/23 00:15
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投稿者:安原顕 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は1999年春、テキサス州フォートワース、キンベル美術館で開かれた展覧会のカタログである。以前紹介した『フェルメールとその時代展』(河出書房新社。7月4日より、上野・国立西洋美術館で開催中)、214 頁で3000円だったが、本書は270 頁で7500円とはいくら何でも高すぎるのではないか。さらに言えば、これまた本誌でも紹介済みの『ダリ 全画集』(タッシェン、丸善)、780 頁で6477円!である。それはともかく美術史上のライバルといえば、古くはレオナルド/ミケランジェロ、ターナー/コンスタブル、アングル/ドラクロア、現代作家ではジョーンズ/ラウシェンバーグなどが挙げられるが、最大のライバルはマチス(1869〜1954)/ピカソ(1881〜1973。ピカソが12歳年下) との見方もできる。また、冒頭にある2人の作品『石膏像のある静物』(マチス・1916) 、『静物 胸像、鉢、パレット』(ピカソ・1932)、『黄色い髪の女』(ピカソ・31)、『夢』(マチス・40) など、構図・色彩ともに似たような絵を並べられてみると、「うーん、クリソツ(そっくり)」と思わず唸るが、とはいえ、これらの絵は例外中の例外で、言うまでもなく2人の個性、画風ともにまったく異なり、好き嫌いは観る者の勝手だが、この2人、20世紀の二大巨匠と言ってもいいだろう。本書の巻末に、2人の関係に焦点を当てた「年譜」があるので、少しだけ書いておこう。1920年代後半、マチスは霊感に見放されて寡作、ピカソは『アクロバット』『オダリスク』『画家のアトリエ』など、マチス作品を暗示する絵を描く。1930年、パリでマチスの彫刻展があり、ピカソ、大いに感動。またこの30年、マチスは3度も渡米、『ダンス』の最初のスケッチも描く(33年完成)。34年、NYの限定出版社がピカソに『女の平和』(アリストファネス)、マチスに『ユリシーズ』(ジョイス)を依頼する。40年、2人は戦争のため、45年まで会えない。ぼくは両者の絵ともに好きだが、ピカソは「青の時代」、マチスは、デザイナーのような色彩感覚とフォルムによるリトグラフがいい。ロラン・バルト派の美術史家イヴの主著『モデルとしての絵画』、概要が『美術手帖』(96年5月号)に載ったらしいが、是非全訳を出して欲しい。