紙の本
黄色いダーマトグラフ
2002/07/17 19:02
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:啓太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
純粋に、面白かったです。
読書の仕方というものも若干載ってまして。本を読んでいるときにイイ文章が現れたときは、黄色のダーマトグラフで塗りつぶす!というものは私も実践してます。作者もイロイロと調べたらしく、確かにパラパラめくっても目に付くし、わかりやすいのです。
書く技術としては、海外の作品から学べ!的なところがあり、シェイクスピアを読みたいなと思ったり、言葉というものを大事にしたいなと思ったのです。
とにかく、何度も読みたいと思います。ダーマトグラフで塗りつぶしたところがたくさんありますから。そんなに硬くなくて、スラスラ読める割に、イイ技術が詰まっていると思います。
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僕は「知的生産」本、要するに「How to 勉強」本がかなり好きで、よく読んでいるつもりです。これは自慢できることではないですね。自分に自信がないだけなのですが。で、自分の勉強方法に自信がある方々が勉強本をものすわけですが、皆さんのやり方がどれも同じであるはずもなく、人それぞれの独自の方法論を紹介しているわけです。中には他人の方法にケチをつける方もいらっしゃいまして、そこら辺に注目するのも面白いのですわ。
「勉強本」の世界にも名作があって、随分古い本でもまだ本屋さんで手に入るものがあります。印象深かったのは、梅棹忠夫『知的生産の技術』(岩波新書)、立花隆『「知」のソフトウェア』(講談社現代新書)、野口悠紀夫『「超」整理法』(中公新書)あたり。有名なものばかりになってしまいましたね。あと渡部昇一の『知的生活の方法』は三鷹の哲学番長が書いたのかと思うほど、哲学番長度が高く衝撃をうけました。番長読んだことあるんスかね。
さて、本日読んだこの本ですが、作者の板坂さんはケンブリッジ、ハーヴァードで教えた日本近代文学の研究者。1973年が初版。アマゾンによればまだ購入可能のようですが、一言で言えば今日この本を読む価値はほとんどないかと。版を重ねる理由がよくわかりません。方法論に関してなら、カードの使用については梅棹さんの方法を、発想法についてなら川喜多二郎『発想法』(中公新書)のKJ法を踏襲しているだけで、独自性は全くないですね。いくらかでも読む価値があるとすれば、「説得」そして「まとめ」と題された章ふたつのみ。印象に残った箇所を紹介すると…
* 説得は知的なレベルからの、情動的なレベルからの二種類ある。知的なレベルは当然として、情動的なレベルからの説得も極めて重要である。その方法には1,読者を味方に引き込む(=「だきこめ!」)、2,読者の信頼、尊敬を得る(=「なめられるな!」、3,読者を自分のリズムに乗せる(=「のせろ!」)の三種類あるとか。
説得の技術というのは、古代ギリシャからレトリックがずっと研究してきたのだが、板坂さんがレトリックの伝統に詳しいとは思えないが(伝統的な分類法に沿ってないから)、かなり古代の議論に近いのにはおどろいた。その中で、独特なのは、2の「なめられるな!」かな。
そのなめられない方法の一つに、論文全体の10%に誰にも解らないような難解な議論や用語を持ち出すことを挙げている。そうすると「さすが!」と思われるのだとか。…こういうことあからさまに書く人、今も昔もそうはいないと思うのだけれども… 例として菊池寛や久米正雄の小説が挙げられている。
「誰方? イレ・シャルマンね!」
* 「まとめ」で、学問的誠実さが説かれる際に自身の体験が語られるところが面白い。板坂さん、イギリスで四千冊ほどある江戸期の書籍の整理を頼まれたとか。数年がかりで片付け終わったら、依頼者から礼状が届いた。英国人の依頼者曰く、近々目録を出版することにしたが、序文で名を挙げて感謝するつもりでいる、と。共著ならともかく、「無学文盲の手合い」に業績を持って行かれるのがよほど頭に来たらしい(当然だが)。大喧嘩をしてイギリスの勤務先を辞したらしい。結局その目録は出版されなかったとか。
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人に読んでもらえる文章を書くには、表面的な技術の他、文に説得力がなければならない。その説得力というのは、著者の発想が読者にしっかり伝わっているかということである。発想は、著者が集めた情報から生まれるものなので、情報は良いものを選ぶべきだ。そして、良い情報を選別できるか否かは日ごろの視点の持ち方による。頭を使え。
とても高度な話をしているようであるが、ちょっとした訓練(心がけ)次第でこの理想に近づくと言う。確かに、著者が実践しているトレーニングは誰にでも出来そうなものばかりだ。
取捨しながら得た情報は、時間をおいて読み返し、不要なものは思い切って捨てていく。それは、常に情報が役立てられる状態にしておくための作業である。私の場合、一生懸命集めたものに対しては、捨てるのにも勇気がいる。しかし有益なものまで無駄にしてしまわぬよう、是非とも実践しなければならないのだろう。
この本を読んでナルホドナルホドと頷き、頭のトレーニングを心がけても、最終的には「どれだけ書いたか」という経験にかかっていると思う。
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2月?
[内容]?では、頭のウォームアップ法として、日ごろの生活の中などで法則性の発見や相関関係を見つけることを挙げている。?は、自分の視点に固執し、マンネリズムに陥るのを防ぐ方法の考察である。?は、読書をする上で、専門と専門外の書物にわけ、それぞれにおける読書法を紹介している。?では、整理法としてカードで整理する方法を提案している。一方でカードの功罪を意識し、筆者がカードに対して全面的な信頼を寄せているわけではないことに注意するべきであろう。?では、前章で使用したカードをうまく使用し、自分の発想を生み出すコツを挙げている。また、規範にとらわれることなく新しい考えを生み出す必要性を論じている。?は、具体的に文章におこしていく際に、3つの技術を指摘している。?は、仕上げとし、注意すべき点をあげていく。最後の章は、まとめとして、ものを書く上での心構えを述べている。
[感想]
読書法、わかりやすい文章を書く方法など、実際に役立ちそうなことばかりであった。また筆者の文房具へのこだわりも興味深かった。
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30年以上売れ続けているロングセラー。その理由は読めばわかります!いつの時代にも大切なことが書かれています。
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手段がちょっと古めかしい感じなのですが(カードとりとか…)現代にも通用するやり方を教えてもらえます。その証拠に、飽きることなく読めました。
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古さは否めないが、事例が豊富でとても読みやすい。
書き物をする業務をを担っている人に向いている本。
自身の中で一番響いたのは、ブレーンストーミング読書だろうか。
やってみたい。
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評価3.5
頭を鍛える方法から情報を整理する技術、そして発想、書く。
ウィットに富んだ本。昔の方は努力していたんだな〜。 ”エンピツ削り”って・・・懐かしい〜
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[ 内容 ]
すぐれた論文・レポートは文章技術の修練だけでは生まれない。
目のつけどころや発想法、材料のあつめ方や整理術、さらには構成力や説得術が必須の条件となる。
本書は、こうした一連の知的作業の技術やコツを、すぐ役立つように、著者自身の貴重なノウハウを惜しみなく公開して微に入り細を穿って教えてくれる、具体的で楽しいアイディアを満載した現代人必読の知的実用の書である。
[ 目次 ]
●頭のウォームアップ
●視点
●読書
●資料整理
●文房具
●発想
●説得
●文章
●構成
●仕上げ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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良質な文を書きたいです。
良質な文とは、以下の通りです。
①内容が誰にでも伝わる。
②読みたくなる。
『国語の授業が楽しくなる』に書いてあります。(60ページ)
どのような努力をすればそういう文章が書けるようになるのか?
→「とにかく多く自分の文章を書くことです」
だから
2010年は、ひたすら書き続けました。
ダイアリー、ブログ、学級通信を毎日です。
クセ付けが完了しました。
習慣となりました。
2011年は、考えて書きます。
参考文献『考える技術・書く技術』 板坂元 (講談社現代新書)
①数値化を意識します。(p.42 ・ p.152)
「いつも」「みんな」「いっぱい」「ほとんど」を使わないようにします。
②一文一義にします。(p.179)
③短文にします。(p.181)
この3つは、授業でも大切です。
12月27日、D表クリニックを受けました。
はじめの1分を見ていただきました。
無駄な言葉だらけでした。
『削る』という作業が身についていません。
普段の授業は、もっと無駄なことを話しているはずです。
書くことを通して、『削る』作業を身につけます。
読む・書く・話す
三つの修業は連動しています。
2011年、意識していきます。
具体的ではない文章をよく書いてしまいます。
意味がわからない時は遠慮なく教えてください。
どうぞよろしくお願いいたします。
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視点を変えること、読書における注意点から始まる
自身の経験談や一般的な具体例を提示し、各々のポイントを解説。
たとえば英語と日本語においては、双方の違いが読書の注意へとつながる。逆ピラミッド型とピラミッド型、一つの単語が聞こえなくても全体をつかむ、、など。
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人生の98%までは、これまでの社会によってつくり上げられた文化・考え方のつみ重ねであろう。そして、個々人が勝負するのは、けっきょく、残り2%のところなのである(P125)。
発想の問題でも、ダメではないか、自分にはできないのではないか、という否定的な自己暗示が、もっとも邪魔になる(P128)。
知識とか教養というものの第一歩は、知っていることと知らないことをはっきり区別することだ。また、自分で考えたことと他人から教わったことを、はっきりくべつすることである(P200,P201)。
けっきょく、いかに頭をきたえ、いかに使うかが最後の勝負を決するとしか言いようがない。情熱と忍耐の差が、それだけのちがいをつくったのである(P207)。
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1977初版というだけあって言っていることが古い
そして、全体的に上から目線で教えてやろうという態度が滲み出ている
しかも題名とは関係の無い時代批判的なことまで書いている
これで、実用的なことが書いてなかったらダメ本だけど、ちゃんと書いてあった
資料の集め方、アイデアの貯め方、アウトプットの仕方など著者のやり方を説いていた
この著者個人のやり方なので、気に入らなければ無視すればいいけどいつか読んだ外山滋比古の「思考の整理学」に書いてあったことと似ているから裏付けとして役立つっちゃあ役立つのだと思う
でも僕はこの人は好きじゃないです
いや時代が違うから仕方ないとは思うのだけども
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この本を読書論として読み始めたが、前半はだいたいその通り、後半はライティングに関する内容だった。タイトルからすればそれは当たり前なのだが。
ライティングに関する部分は興味がないので軽く読み流した。リーディングに関してはいろいろと参考になる点もあった。様々な雑誌を大量に買い込んで読むというブレーンストーミング法などは、なかなか面白い。
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この分野の古典らしい…と聞いて読んでみた。けれど、読書や文章を書く際の方法論を求めているなら、もっと新しくてわかりやすい本がたくさん出ているので、そちらを読んだ方がいいだろう。
著者自身も、他の人たちが発明したいろいろなやり方を身につけて使用している。その時々でどのやり方がもっともふさわしいかは、やってみないとわからないということだろう。
方法論にせよ、視点にせよ、選択肢は多い方が良いのだ。賛成できない意見を理解することも重要。
それにしても、40年前の日本は、今とは比べものにならないくらいのんびりしていたのだな。
目に入るものを即座に言葉にする。朗読。
外国語学習 ひたすら聞く
1 まずはセンテンスの切れ目がわかるまで
2 初めの一語目を聞き取れるようになるまで
3 聞き取れなくても気にしない
ヘンリー・ベッティンガーの三角測量法
1 ある日刊新聞をはじめからしまいまで、ざっと目を通す。
2 週刊誌、書評、週間展望誌を読む(ときどきその種類を変える)。
3 自分の分野から、ずっと離れた分野の業界新聞を、これもいつも違った種類のものを選んで読む。
4 高級総合雑誌を色々違えて読む。
5 学会の専門誌を、題目の他は何も分からないでも読む。
6 書評誌を読み、刺激になりそうだったら買って読む(友達に勧められた本ではいけない)
7 外国の雑誌を読む。
8 若い時に読んだ小説、古典を読み返す。
9 歴史上の、ある時代または事件を選び、徹底的に調べる。
10 雑学者と呼ばれるのを恐れるな。
ブレーン・ストーミング読書法
自分の直面する仕事について徹底的に勉強をする。
情熱と忍耐