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紙の本
野球の夜明けに遊ぶ
2003/03/25 13:42
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投稿者:松井高志 - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治十年代から四十年代に至る日本野球の歴史を理解するためのテキストとして優れた本。この後、大正編、昭和編8巻までと続く。
アメリカから日本への野球の伝播のいきさつ、またなぜフットボール(サッカー)が当時人気スポーツにならなかったか、についても簡単ではあるが触れていて、今のような、ちょっと旗色の悪い「日本式の野球」ができあがる前、素朴な「ベースボール」遊技に興じた人々、またそれを狂喜して観た人々の姿が多角的に描かれる。綿密な調査と豊富な資料に裏付けられており、それが「取材のための取材」つまり「こんなに熱く取材しているオレってやっぱ凄い?」といった幼稚な自己顕示に陥るのではなく、あくまで記事のおもしろみに奉仕・還元されている(筆者の倫理として当たり前、といえば当たり前なのかも知れないが、このあたりの基本すら、最近クリアできてない出版物があまりに多くないか?)。
早慶戦史や一高野球部史はもちろんこの種の本の基本だけど、後半登場する、当時の新興勢力であった明治大学野球部の「こと始め」がなんといっても面白い。東海道武者修行で愛知一中と戦い、偶然轟いた午砲の音にびっくりしたショートがライナーを後逸してサヨナラ負けしてしまったり、アメリカ遠征で興行師にだまされたり、四の五の考えず、心意気で「よーし、行っちゃえ」みたいな愛すべきところ、いいなぁと思う。最近明治は野球もラグビーもちょっと元気がなくて寂しいが。