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紙の本
検事はつらいよ
2001/06/30 23:47
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投稿者:APRICOT - この投稿者のレビュー一覧を見る
E・S・ガードナーといえば、何といっても弁護士ペリー・メイスン・シリーズだが、それ以外にもたくさん書いている。検事ダグラス・セルビイのシリーズもその1つで、本書はその第1作。
この本を読むと、検事という仕事がいかに大変かがわかる。アメリカの地方検事は選挙で選ばれるため、政治家的な側面も持つ。反対派の新聞からは、やれ経験不足だ、やれ無能だ、さっさと辞任しろ…と毎日のように叩かれる。支持派の新聞からも、ほめてやるから早くネタよこせ…と迫られる。気の弱い検事なら、捜査は多少いいかげんでも、とにかく容疑者を特定しろ、と警察の尻を叩きたくなるだろうし、逮捕した容疑者が犯人だと確信したら、多少強引な手を使ってでも裁判で有罪を勝ち取ろうとするだろう。メイスン物に登場する検事の気持ちがわかるような気がする。
このように、メイスン物の“参考文献”としては興味深かったが、話そのものは特にどうという事はなかった。セルビイのキャラクターも生真面目過ぎて、メイスンのような魅力に欠ける。ただし、セルビイとメイスンは根っ子は同じ人間であり、メイスンがまだ若くて世慣れていない頃に、検事という堅苦しい職に就いたとしたら、セルビイのようになるだろう、と感じさせるものはある。