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面白かった。
ほいほい個人情報を教えるところやタバコを何処でも吸ってるところに時代を感じる。あと、証拠を持ち出すのは犯罪だよね。
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第11回江戸川乱歩賞。
新聞記者・田島が恋人の昌子とハイキングをしているところで殺人事件に出くわす。田島は特ダネを得るため事件の真相に近付くが、さまざまな手がかりから、真犯人は予想外の人物であることを確信する。
真犯人が逮捕された後も、田島は納得がいかずさらに踏み込んで調査するが、1人の人間では解決できない問題が立ちはだかる。
西村京太郎といえば鉄道ダイヤを使ったミステリーを連想しがちだが、本作品は社会的問題(アルドリン奇形児、田舎の閉鎖的な風習など)を取り扱った、重厚なミステリー。
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1965年の第11回江戸川乱歩賞受賞作「天使の傷痕」(傷痕は「しょうこん」と読むそうです)。西村京太郎の長編としては、「四つの終止符」に続く第2作目となっています。
この小説は、社会的な問題をテーマにしているという点で、「四つの終止符」にも通じるものがあります。結末を読んでしまうと、ミステリーとしては、どうも疑問の部分もあるのですが、犯人が殺人を起こすことになってしまった理由を考えると、あくまでもミステリーという形を取った社会派小説なんだろうなぁ~と思っています。
新聞記者の田島は、恋人の昌子と東京近郊の小山でハイキングを楽しんでいたが、山の中で突如、胸に刃物を突き刺された男が現れ、「テン…」と言い残して絶命する。速やかに警察へ通報して、現場周辺に包囲網が張られたにもかかわらず、犯人は見つからなかった。
職業柄もあるが事件に興味を持ち、警察とは別に独自に取材しながら調査を進める田島だが、警察とともに容疑者らしき人物が浮き出てくる中で、関係者が不審死を遂げる。
被害者が言い残した「テン」は「天使」だと分かるが、その意味するところを調べていくうちに、田島は悲しい事実に行きつくことになる。
テーマは「薬害」です。私が子供のころ、大きくマスコミでも取り上げられていたのを覚えています。その犠牲となった子供たちの映像とともに...。
今でも、この問題は完全にはなくなっておらず、さらに形を変えていろんな課題に波及しているのです。
切なくも、胸の苦しくなる作品でした。
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乱歩賞第11回。
完成度の高い作品だなぁ('◇')読みやすくていーですね☆
古いから今じゃありえないような事とか出てくるけどしょうがないよね。なかなか深いんですねテーマが。
考えさせられます。
でも、あのDMはないなぁ。意味が変わる誤字も気になったかな。
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京太郎さんの小説には句読点が多い、と聞いていたが確かに多い。ネット上の関係だが、西村京太郎の小説をこよなく愛している人物がいて、今度、特に面白い小説を薦めてもらおうと思っている。島田荘司の御手洗シリーズなみの社会派だったのは驚いたものだ。
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さすが江戸川乱歩賞。殺人の動機がやりきれないけれど、解説にある通り、最後の母親の言葉が救いです。
西村京太郎さんは初めて読んだけど、読みやすい。なぜ今まで読んでいなかったのかわからない。講談社文庫の100冊は、結構今まで読んだことのない作家のを読んでみる機会になって面白い。
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恋人に殺人の疑いが。
原因は分からない。
恋愛小説でもある。
Angelが鍵となる。
薬害のような社会小説でもある。
それでいて、推理小説としては一流だと思う。
この本がなぜ爆発的に売れないのかが疑問。
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江戸川乱歩賞受賞作です~。
推理小説の大御所・西村京太郎よ~。
2時間サスペンスの巨匠・西村京太郎よ~。
初めて読んだわ。
1976年の初版なのに、面白く読ませてもらいました~。
ストーリーは、
カップルがデート中に殺人事件に遭遇して、被害者は「テン。。」という言葉を残して息を引き取った。
被害者の身辺を洗ううちに、どんなに悪い奴だかわかってきて、事件の背景には意外な事実が隠されていた~。
ストーリーの四分の三は至って普通の推理ものみたいなんだけど、
大詰めになって、その背景には『アルドリン』という睡眠薬によって生れた奇形児の可哀想な事実が浮き彫りになってくるのです~。
これって、いわゆる『サリドマイド』のことだよね~。
私が生れて前後して『サリドマイド児』が社会問題になったのを、かすかに覚えています。
それに伴うサリドマイド被害の背景は、社会にはとても厳しくて読んでて悲しくなっていく。。。
主人公のGFが犯人だったんだけど、
それはサリドマイド児を生んだお姉さんを庇うためで、そのお姉さんの置かれた立場や家族、生活などのため、結局はGFが罪を負うような終わり方になってるのがむなしいです。
なんだかね~、さすが江戸川乱歩賞って感じで重みのある本でした。
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読みながら先が気になる。犯人を予感させ、犯人が分かったあとも問題を残し、そして社会的問題と。
≪人間が納得するのは、理屈ではなくて、感情によってです。≫
人間には感情があるから複雑になる。
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新聞記者の田島がその彼女と一緒に山登りに行ったときに遭遇した殺人事件。一見すぐ解決するかに思われた事件は犯人が見つからず解決まで長期化する。そこでほつれた糸をたどると、意外な人物が関わっていたことがわかり・・・
誰が天使なのか、暗示的に示されているが、結局傷痕が癒えることはない。社会が作り出す奇形に対する偏見はこうも人々の深い部分に根を張りだすのだろうか。
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ストーリーは被害者に強請られていたと思われる人物を順に当たっていきます。犯人が捕まった後、どうしてもその動機に納得がいかない田島が一人で調査し真の動機を見つけるのですが、至る所にヒントが隠されており、推理小説としてよく出来ていると思いました。
ただ、どんでん返しは読者が推理する材料が揃っていないので、してやられた感はありませんでした。後半で明かされる「天使」の謎に絡んだ社会的問題と、作品を通して訴える著者のメッセージが読者の心に響く良質の社会派サスペンスと言えるでしょう。
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読後感は、なるほどな〜という感じでした。メッセージセイのある本は何度読んでも良いですね( ^ω^ )素晴らしい小説です。
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昔むかし。。高校か大学の時に読んで、とても印象に
残った本。
江戸川乱歩賞の過去受賞作品ということで、
丸の内の丸善で平積みされてあったので懐かしくて
購入して再度読んでみました。
物語の背景的な部分は、昭和の古い時代のイメージ
ですが、弱者や障害を持つ人をとりまく本質
的な部分は今でも同じではないかと思います。
でも、この物語の時代設定のときよりも、確かに
世間は進歩していて、その時よりは、弱者を
受けいれ、ともに考えようという風潮にはなっているのではないかと思います。
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オススメ本。雑木林をハイキング中の男女が殺人事件と遭遇する。胸から血を流した瀕死の男は『テン』という言葉を残して絶命する。事件に遭遇した新聞記者・田島はその言葉の意味を調べようとするが...。展開が早いので、サラッとしたミステリかと思いきや、胃に鉛を詰められた様な重みの結末にただ驚くばかり。初期の西村作品が社会派小説で、読み応えがあると勧められた理由がよく解った作品。今でもきっと何処かで似た様な問題が起こっているんだろう。読了後にプロローグを読み直し、只々考えさせられ、胸が苦しくなった。
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作者の初期のシリアスな長編。当時の社会現象をネタに、社会の矛盾を解決するのではなく、弱いものへ順送りにして、溜め込んで隠蔽してしまう(今も変わらない)日本の風土の歪を、主人公の新聞記者の口を借りて告発する。そうした社会派の作品なのに、ミステリとしてきちんとエンターテイメントしているのが、この作者らしい。