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「エンダーのゲーム」を、短編が掲載されている本書、無伴奏ソナタにて読了。アマゾンのレビューではかなりの評価だったものの、そこまでは…という印象。物語は、戦争のシミュレーションをさせられているが最終的にそれは本当のシミュレーションではなく本当の戦争だった、というオチ。
短編だったからか、あまり感情移入できずだった。今度時間がある時に長編の方を読んでみようと思う。
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恐い話、切ない話、各種ある。
中でもタイトルの「無伴奏ソナタ」が哀しい。
あまりにも切ない。救いは無いのかと思ってしまうくらい。
けれど、美しい。切ないけれど、たまらなく美しい音が聞こえ、消えてゆく。
だから、この本を手離せない。
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キャラメルボックスが無伴奏ソナタをやるということで購入。
本編の前に挿入されている編集者?から、カードへの手紙が印象的。
内容は、SFという狭い枠に縛られずに、いい小説を書け、というもの。
SFファンを、宇宙でドンパチする話しか認めない読者として捉えてる編集者って大丈夫かと思わずにいられない
エンダーのゲームの短編が収録されている。エンダーの兄妹が出てこない分、読みやすい。長編と筋は同じ。
無伴奏ソナタとエンダーのゲームはよく似ていた。
カードの原初的なイメージは、才能ある者が才能を発揮することで苦しむ体制にありながらも、最後には才能とその仕事が報われる、というものみたい
才能と境遇については解放の時も扱っている。
「エンダーのゲーム」
「王の食肉」
残酷さとブラックさとが発揮されている。やりきれない
「呼吸の問題」
結末、特に最後の一文はあまりに不注意。読まなくていい
「時蓋をとざせ」
「憂鬱な遺伝子を身につけて」
「四階共同便所の怨霊」
怖い。終わり方がいい
「死すべき神々」
「解放の時」
「猿たちはすべてが冗談なんだと思いこんでいた」
今風のSF。当時よりも今の方が受けそう。20億人が死ぬ
「磁器のサラマンダー」
怪しげな商人。呪い
「無伴奏ソナタ」
社会が大域的最適解的状態にあるとしても、個人は不幸にあるかもしれない。北欧の森の風と枯れ葉がそこにはある音楽がメインで出てくる小説を公演するって挑戦的
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キャラメルボックスの舞台がよかったので読みました。ああー、このSF特有の不気味さがわたしはあんまり得意でない。陶器のとかげの話はよかったな。
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短篇集。
本書収録の「エンダーのゲーム」は長編化され、ネビュラ賞、ヒューゴー賞のダブル・クラウンに輝いたようだ。長編は未読だが、短篇は冗長になることなく、程よくまとめられていた。途中でオチに気がついてしまったものの、充分楽しむことができた。
「エンダーのゲーム」に限らず、彼の作品はラストが曖昧だ。
「いかに登場人物たちが悲惨になろうとも、ハッピー・エンドになっている」と著者はあとがきで言及するが、どうもそうには思えない(少なくとも「呼吸の問題」はハッピー・エンドではないはずだ…)。
だからといって、面白くないわけではない。いや、とても面白い。
「呼吸の問題」
妻と息子の呼吸のリズムが一致していることに気がついたデイルは、その後いくつかの事件を経て呼吸のリズムに関する驚くべき問題に直面する…
ストーリーもさることながら、何よりそのリズミカルな文体に惹かれた。
「死すべき神々」
死ぬことを知らない異星人との接触後、彼らの存在は地球にとって至極あたりまえのこととみなされるようになっていた。しかし、誰一人彼らの目的を知る者はいなかった…その意外な事実とは…
これは発想を逆手に取った傑作だなぁ。この一作だけを見ても、著者が実に面白い視点を持っていることが窺える。
「磁器のサラマンダー」
呪われた少女を助けるためにもたらされた磁器の火蜥蜴。少女を飽きさせることなく働き、そして会話する火蜥蜴に少女は次第と元気を取り戻す。しかし、火蜥蜴が真に少女を助けるとき、少女を待ち構えていたものとは…
著者の妻との寝物語に紡がれたお伽噺とのことだが、こんな素晴らしい話を聞かされたら興奮して眠れねえよ… 本書で一番のお気に入りです。
「無伴奏ソナタ」
音楽の才能に恵まれ、神童と評されたクリスチャンは、森の奥深くで人工的な音、他人の音楽を禁じられて育てられた。自然が奏でる音楽のみ聴くことを許された彼が奏でるメロディは、かつてないほど独創性に溢れていたが……ある日、ついに彼は禁じられた音楽を聴いてしまい…
適材適所の世界観は「猿たちはすべてが冗談なんだと思いこんでいた」の一場面でも登場した。一見ユートピアに見えるこの世界ではあるが、本作のように実に見事な悲劇を生みだすようだ。
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表題作と、短篇版「エンダーのゲーム」が出色だった。表題作はダークな終わり方だけでなく、全編にみなぎる緊張感がすさまじい。アクションでも何でもないのに、奈落の上で綱渡りを強要されているような、破滅に近づく感覚を味わえました。(逆に、オチ自体は読めるのですがそういう楽しみ方をする本ではない。)
「エンダー」は、長編版よりこちらの方が冗長にならずにまとまっていて好きです。後にシリーズ化された際の思想的宗教的な雰囲気もあまり好きになれません。
ところでこの本は絶版になっています。こういうのを絶版にしておくから、SFが売れなくなるんだよ!!
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翻訳物もSFも苦手なので、表題作だけ。
キャラメルボックスで舞台化された作品なので原作を手に取ってみたが、舞台の方が良かったかなーという感じ。
表題作は割と良かったし、訳も分かりやすくてさらっと読めたけど、他の話を読む気にはなれなかった。
ところで「無伴奏ソナタ」の初掲載は1979年。
近未来の話として、幼少期の試験で才能や能力に基づいて将来の職業が全て決定され、それに合った教育が施されるという設定だが、少し前にDNA鑑定で子供の才能を調べて職業選択の参考にするというニュースがあった。
つまり、ここで描かれているようなことが実際に起こる世の中も、絶対にあり得ないとは言えない。
何とも恐ろしいことだ。
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久しぶりに再読した。
SF、ファンタジー、ホラーなど多彩な11編の短編集。
静謐で残酷な独特の雰囲気がなんとも言えずいい。
私にしては珍しく内容をしっかり覚えている話が多かったので、初読のときもインパクトが強かったと思われる。
ベストは、読むとつらい気持ちになるけど間違いなく傑作の表題作と、「エンダーのゲーム」、「王の食肉」、「磁器のサラマンダー」あたりか。
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表題作がいちばんグイッときた。胸の中に手を突っ込まれ、逆さにされたような感覚。エンダーのゲームは映画で観たのだが、こちらの短編小説のほうがいい。この短編を長編小説化したのもあるそうだが、評価がよくなさそうだ。読んではみたい。
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ものすごく良い.SF小説は,今の常識の延長線上と今の常識のずれとの間が微妙な隙間が生じているものほど,深く考えさせられる.冒険活劇ものとは違う,心への響方があると思う.この作品はまさしくそういう類のもの.
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カードの原点がここにある
表紙 3点野中 昇
展開 7点1977年著作
文章 7点
内容 770点
合計 787点
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短編集。短編の一つ一つが、バラエティに富み、途中でやめられない面白さ。特に心に残ったのは表題の「無伴奏ソナタ」、もし、心の底から湧き上がる、何よりも大切な望みがあり、それを禁じられた時、何を犠牲にしても、それをしないではいられない、そのようなものがあるのは、幸福なのか不幸なのか。もう一つは「磁器のサラマンダー」、オースンが妻のために作った話だそう。美しい磁器のサラマンダーの、美しく哀しく切ないお話で、心に残った。
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スコット・カードの短編集。表題作を含め11編が収められている。短いだけに、一話一話は軽く読み通せる分量であるが、まとまるとそれなりに読み応えがある。長編と違って熱中というわけにはいかないが、ちょっとした気晴らしに読むのに最適かと思う。ただ、内容は気晴らしに相応しいかは微妙だが。
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オースン・スコット・カードの短編集を再読。
『エンダーのゲーム』のシリーズは21世紀になってから読んだが、原形となった処女作は昭和時代に短編集で読んでいたらしい…記憶にございませんでした
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SF、ファンタジー、ホラーと幅広い作品が見事に融合した短篇集。これまでに読んだ短篇集の中で、文句なく一番かも。マイベストはやはり後に彼の代表作となる「エンダーのゲーム」。長編よりこちらの方が良いと言う人もいるくらい。「磁気のサラマンダー」表題作の「無伴奏ソナタ」も秀逸。