「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
栗本薫の初めての本格長編SF 上巻
2020/07/03 00:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タッケー - この投稿者のレビュー一覧を見る
1982年に刊行された、栗本薫の初めての本格長編SFの文庫版。文庫化にあたって上下2巻に分けられたので、上巻は前半部分になる。
遙か(?)未来の地球は、様々なことが管理された中の地球上でのみ生きている市民と、宇宙に出ていき色々な資源や通商を行い、そこから得られたものを地球に運んでくることが生きることそのものと化しているようなスペースマンとそのスペースマンを地球で待つという生き方を選んだファミリーとに二分されようとしていた。という、栗本薫の他の作品でも読んだことがあるような設定で物語が進行していく。
そのスペースマンが駆使する宇宙船メディア9が10年ぶりに地球に戻ってくることによって、人類が新たな段階に進んでいこうとするか否かを問われることになる話と、スペースマンの子どもである17歳になったリンの成長の話がリンクしていくことになるのだが、上巻ではリンの話が主で、メディア9の方は謎を提示するのみで終わっている。
でも、そのリンの一人称で語られる話がテンポが良く、いつの時代にも通じる少年が大人になっていく途中の話として読めるのが心地よかったりする。
実は栗本薫の小説の多くは、この人がいかにして人になっていくのか、子どもがいかに大人になっていくのかということを、手をかえ品を変えて物語っていたのだということを、改めて気づかされたように思う。