紙の本
ありえないシチュエーションだけど
2002/07/23 16:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くにーた - この投稿者のレビュー一覧を見る
綾辻特有の幻惑的なムードと過去の事件と現在の事件が交互に語られるのとで、読者はけむにまかれてしまう。画の飾られた長い廊下で囲まれた館に、仮面の主人と美少女の妻。こんなのないだろー、と思うが綾辻だからまた楽しいのだ。謎解きも複線のあるしっかりとしたもので、シリーズの他の作品に遜色ない。
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綾辻行人に偏見をもってこれまで読まなかったのは、ミステリをご無沙汰していたせいもあるが、西原理恵子の『まあじゃんほうろうき』だと思ったが、珍しくサイバラにカモられていたからだと思う。サイバラに負けてはイメージも悪くなるというものだ。
さて、昨日に引き続いて『館』シリーズの第二作目。この本に関しては文体やワーディングの不自然さはほとんど気にならなかった。設定、物語展開、構成も良くできていて序盤、中盤はひたすら読ませる。
問題はトリックだ。僕はミステリを読むとき自分で謎解きをほとんどしないが、本書に関してはチラリと考えてみた僕の推理の大半が正解だった。
たが、僕の推理で解らなかった問題がいくつか残ったが、その部分は絶対にあり得ないと断言できる! つまり犯人が行った華麗とも言える犯行は現実には絶対にあり得ない、という点でその根幹が失敗している。さらに、綾辻さんが考えたあるトリックの一部はクリスティの超有名な長編と同じ仕掛けを持っているが、それも反則気味だ。クリスティの方は反則とは思わなかったが。
とはいえ、その失敗には腹も立たず、むしろ全体の出来には満足。ミステリならこうするしかないかな、とも思う。
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個人的には「十角館の殺人」よりもよかったと思う。バラバラ=○○○は基本か?このメインのトリックを支えるサブトリックも切れがあるし、綾辻行人は本当に凄かったんだなと実感。
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現在進行形の事件と過去の事件が交互に語られていき、最後に同時に解決されるカタチになっています。それにしても、イマイチ物足りない気が。解決編などはそれはもう楽しく読めたが、全体を通してみるとイマイチな気が。からくり屋敷のからくりの部分をそれほど驚いていない自分が。もっと前面に屋敷を出して欲しかったなあ、と。
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―――いつものように、私は目覚めた。 新本格のパイオニア、綾辻行人の二作目です。今回もお得意の叙述トリックは健在。健在、なのですが、実は30ページ程読んだところでトリックに気付いてしまいまして、まさかと思いつつも読み進めたら大当たりだったのでなんだかなぁという感じです。そうは言いつつも全く先の読めない展開にはハラハラしっぱなし。十角館を読んで面白いと思った方はこちらも是非。
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初読:2007年8月27日
館シリーズ第二弾。水車のあるからくり屋敷に人から逃れるようひっそり住む主と幼な妻、一年に一度の来客、繰り返される悪夢。今回もぐいぐい引き込まれて、そしてラストではやっぱり驚かされた。
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んー、微妙な感じ。前作の「十角館の殺人」に比べると大分見劣りする。構成は前回と同じような感じ。いろいろな視点が交互に動くような感じ。これは好みだけど私は好きじゃない。トリックも犯人もわかり易いし、私でも7割がた当たってた。犯人もばっちり。てことで、私評価はちょっと低いかなー。
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10数年ぶりの再読。読み進むにつれてトリックを思い出してしまった。ということでもう一度読み返すということはないだろうな、という作品。ただ過去と現在の物語を交互に進める構成はとても読みやすくて◎。トリックも王道ど真ん中なので、ミステリ初心者にお薦め。
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館シリーズの中では一番地味かもしれないこの一作。最初に読んだときの衝撃度、インパクトは(他の作品と比べると)そんなに強くなく、「印象が薄い」という声も。たしかに私はこれを読んだとき、ちょこっとだけ真相分かりましたね。全部は無理だったけど。唯一綾辻さんに「完敗」ではなかった作品です(……自慢にならん)。
それに、館自体もわりと普通。魅力的ではあるのだけれど、そんなに特異だとは思わないなあ。岡山の山奥探してみれば、本当にあるかもしれない……と思うのは私だけですか?
が、当然ながら素晴らしい作品。そうでないわけがない! あやしげな館、あやしげな住人、忌まわしい過去の事件、仮面を被った館の主人、幽閉された美少女、といったミステリ好きにはたまらない、幻想的な要素が目白押し。視覚的なイメージもかなり強くて、この雰囲気だけでも読む価値あり。読めば読むほど味の出る、まるでスルメのような一作(笑)。
そして、この作品のテーマは「呪縛」だと思うのですが、読めばこの作品の「呪縛」に囚われることは間違いありません……。
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惨劇に彩られた「十角館」と同様、奇矯な建築家・中村青司の手になる「水車館」。古城を彷彿させる館の主は、過去の無惨な事故ゆえ常に仮面をつけた藤沼紀一。妻は幽囚同然の美少女。1年前に起こった奇怪な殺人と、一人の男の密室からの消失。舞台は整った。1年後のいま、戦慄の大トリックが待ちうける!
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惨劇に彩られた「十角館」と同様、奇矯な建築家・中村青司の手になる「水車館」。古城を彷彿させる館の主は、過去の無残な事故ゆえ常に仮面をつけた藤沼紀一。妻は幽囚同然の美少女。一年前に起こった奇怪な殺人と、一人の男の密室からの消失。…舞台は整った。一年後のいま、戦慄の大トリックが待ちうける!
(裏表紙紹介文より)
***
最初は過去と現在それぞれで起きたことがごっちゃになってしまいわかりづらかったですが、事件が起きた辺りからはぐんぐん入り込んでいけました。
途中で、ある人物が犯人とわかる要素の一つに気づいたものの、残念ながら犯人特定には到らず。
絵の謎もちょっと微妙でした。
隠す理由としてはとても納得だったんですが、いきなりそんなんでちゃうの!?と思ってしまいました…。
全体的に、前作「十角館」と比べると納得できないところが多かったように感じてしまいました。
しかし、綾辻さんの描くインテリは、微妙な…ちょっと残念な立ち位置を与えられる運命なのでしょうか…。(まだ2作目なんですが、なんとなくそんな気がしてなりません…。)
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<ネタバレ有>
++++++++++++++++++++++++++++++++
館シリーズ2作目。
第一段の舞台、十角館と同じく建築家の中村青司の手によって設計された水車館。そこで起こった過去と現在の殺人事件。
まず顔を怪我してマスクで隠している主人、ばらばらにされた焼死体、行方不明の容疑者、というのが出てきた瞬間、こりゃ絶対誰かが誰かと入れ替わってるなというのはピンときました。
でも犯人が誰かというのまではいたらず、解決編にはやっぱり驚いてしまいました。あんまり複雑なトリックを用意されるとこっちの脳がついていけないので、このくらいが丁度よくて好きだなぁ。
過去と現在の話が交互に語られるので、こんがらがってしまって何度も前のページに戻って読み返してしまいました。
「過去」「現在」と読んで、次の「過去」の章を読むとき前回の「過去」の章がどこでどう終わってたのかが思い出せない自分に絶望した。
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館シリーズ 2作目
予想通り入れ替わりが行われていた。
文章の端々に入れ替わりの伏線がはられていた・・・
館の隠された抜け道をつかっての犯罪が
行われないのは納得です。
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ミステリーとしては、ごくごく普通に評価できる作品だと思います。ただどうしても前作『十角館〜』と比べてしまい、なんとなく物足りない気分になりました。いきなり衝撃的な死体発見のシーンから始まる冒頭や、怖さの余韻が残るラストなど、作品全体のぞくぞくする雰囲気は好きです。綾辻さんの作品はまるで映画を観ているかのように、そのシーンの映像が頭に浮かぶので、読んでる間中なんだか怖かったです…。ただ、やっぱりトリックが簡単すぎるのでは…と感じてしまいます。私にしては珍しくわかってしまったので。ここからは少しネタバレっぽい感想になりますが、「仮面をかぶった館の主」「顔の判別のつかない焼死体」おまけに「現在編と過去編での人称の差異」とくれば、ほとんどの人がほぼ真相に辿り着いちゃうのではないでしょうか…?まさか違うよね…?と思って読み進めたら、思ってた通りの展開だったので拍子抜けしちゃいました。ただ、あとがきによると、筆者はどうやら『十角館〜』が「論理的に犯人を限定する手掛かりに欠けている」ということを踏まえて、今作では「犯人限定の論理」をかなり重視したそうです。まあ、そういうことなら、私は犯人がわかったことを残念に思うのではなく、素直に喜ぶべきなんでしょうか…(*^_^*)次の巻にも期待大です♪
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館シリーズ2作目☆
幻想画家藤沼一成の絵が集められた水車館。
今回カラクリはオマケ程度なんだね(´¬`)
これは映像で見てみたい気がする。
『幻影群像』見たい。
紀一の心情が切ないなぁ。
ストーリーは割と地味かな?