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書店員レビュー
谷川俊太郎さんの詩集...
ジュンク堂書店梅田ヒルトンプラザ店さん
谷川俊太郎さんの詩集というと本当にたくさんありますし、みなさんそれぞれ「これが好き!」という1冊があるのではないでしょうか。そして私の“1冊”はこの『はだか』です。
ひらがなで書かれた詩はこどもの言葉のようで、ういういしく、生身で、いたいたしい。そしてよむ人自身の体の中にある言葉なのです。
佐野洋子さんの絵が最高にぴったりです。
梅田ヒルトンプラザ店 文芸書担当
紙の本
子どもの心の宇宙
2000/08/16 16:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:長崎夏海 - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもは、大人が感じるすべてのことを、心の中で体験している。私はそう思う。でなければ、夕陽をみてなぜあんなに哀しくなって同時に愛しい気持ちになったのか、太陽の匂いでなぜあんなに幸せになれたのか、説明ができない。
言葉にするということは、ある意味で、感じたものを限定してしまうことだ。幼い頃、胸いっぱいに感じていた気持ちは、言葉にはならなかったぶん、人生や人類、世界、宇宙といった大きな流れに直接つながっていたように思う。抽象的だけれど、確かにそう思う。
この詩集は、そんな、幼い頃に感じた気持ちを、心の階段をゆっくりおりて、そっとすくい上げてくれる。
ずんずん歩いていきたくなる気持ち。理由はわからないけど、別れは何かをしっている、そんな思い。
うそといっしょに生きていくという思い。 風にそよいで立つ木になりたい思い。
裸になって自分の存在を感じたときの、地面にかじりつきたくて、空にとけていってしまいたい思い。
むかし自分がどこかにいたという、説明できないけれどほんとの感覚。
ピアノをひくさとるくんをくすり指からこりこりかじって食べてしまいたい思い。
しらない子みた時のどきどき。
ぼわっとわいてくるわからない気持ち。
ひとりにしてほしい気持ち。
海よりももっと遠い「遠く」の感覚。
ここにある言葉は、限定ではなく、大きな流れにすっととけこんだ感覚に形をあたえてくれる言葉たちだ。