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紙の本
「なんで僕が!?」といいつつも
2003/01/16 23:56
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投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
農場の少年ガリオンは本人がまったく望んでもいないのに、<放浪者>となり、<魔術師>となり、<アルダー神の弟子>となり、<リヴァの王>となり、ついには<西の大君主>となってしまいます。けれどもそれらの肩書きに戸惑う暇もないまま、彼は自分が予言に記された<光の子>でもあることを知るのです。そしてそれはガリオンが、<闇の子>でもあるトラク神と戦わねばならない運命であることも意味していました。
彼の選ぶことのできる道は2つだけ。1つの道は世界を2つに分けた大戦争を引き起こし、光と闇の決着がつくまで何世紀も戦い続けること。しかし彼は勇敢でもなんでもないけれど、無意味に多くの人々が傷つくことは望みません。となると、道は1つ。彼自身がトラク神と直接対決し、すべてに決着をつけることだったのです。彼は<永遠なる者>ベルガラスと<案内人>シルクだけを道連れとして旅立ちました…。
この作品には、魅力的な人物がいろいろ登場しますが、その中でも筆頭にあげられるのが、ガリオンの旅に最後まで同行するシルクでしょうか。シルクは彼を知る者には「ねずみ顔の小男」「泥棒とペテン師とスパイを兼ねていることをのぞけばさして悪いやつではない」とむちゃくちゃに言われます。それは実に正しい評価です。
無数の名前を持つ彼は、世界各地に出没し、多くの国で賞金首になる密偵であり、母親思いの王位継承者であり、抜け目なく鼻持ちならない商人です。そんな彼ですが、ガリオンが、神との対決を決意すると知ると、やれやれと立ち上がり、ちょっと面倒なお使いを頼まれたといった感じで敵陣の奥深くへの道案内となるのです。誰よりも作品を象徴する人物のような気がします。
しかし、そんな彼らの旅路の果ては気になりますが、本当は彼らに置いていかれた者たちの方こそ目が離せないのです。これまで共に旅をしてきた仲間たちとあろうものが、置いてきぼりをくらわされたからといって、おとなしくしているはずがありません。
じっくりと、彼らの最後の冒険を楽しもうではありませんか。