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中国錬金術の名著
2002/07/30 00:34
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投稿者:影山 師史 - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代中国に於ける生と死が渦巻く世界と現実の隣にある神話的な世界、それが、不老不死の仙人が飛翔する世界なのである。
『抱朴子』において葛洪は、分かる人には分かると言い、仙人は実在することを頻りに主張する。そしてその中には具体的な仙薬、金丹の作り方が書かれている。現実にはその金丹(水銀)を服用することによって寿命を縮めてしまったということが多々あったようだが、彼らは仙人を目指し財産をなげうった。中国人の世界観には死後の世界がないから不老不死を求めるのだということはよく言われることであるが、そのことを考え合わせ読むならば、葛洪の仙人の実在の主張は幻想を求める神秘家の戯言と一笑することができなくなる。なぜだか私は、言外に緊迫感と哀願を感じるのである。