紙の本
読めば幸福のお裾分け
2002/06/16 23:14
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ごまた - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく読むと幸せな気分になれる1冊です。普通に生きていく
事の素晴らしさに気づかせてくれる本です。
主人公の典子は37歳。最愛の夫を亡くし、夫の父親の代から
続く神戸のレストランを女手1つで切り盛りする事になる。
仕事は大変だが、有能で心温かいスタッフに恵まれ、隣人に恵まれ
4年が過ぎる。そんな時に、典子の生活に様々な変化が訪れる。
夫が亡くなって4年後に、夫が残した手紙の存在に気づき、
心を揺さぶられたり、大切に守ってきた店を乗っ取られようとし、
闘う事になったり、また、恋人が出来たり。
様々な問題に正面からぶつかる人々が描かれている。
読み終わって、私も人と人との繋がりをもっと大事にしたいと
考えさせられました。
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幸福物語だというから読み始めた。この頃の私には宮本さんや村上春樹さんの登場人物の動かし方はついていけないことがある。あまりにshockで寝込んでしまったりするのでソフトなのしか読みたくない。夫の残したフランス料理店を切り盛りする美しく若い?未亡人のまわりで起こるもっと若い画家との恋や、おぞましい人間達の店乗っ取りの魔の手。神戸という町らしい国際色豊かな人間関係の中で物語は進んでく。彼女は恵まれてるよ。信頼できる才能あるナイトのような人々に囲まれて。荒木美砂がアビィニョンをほしがるわけだ。幸運・福運のかたまりみたいな人だ。悪は天が許さない。そうだね、焦っちゃいけない。素人臭いのは大成しないというのが宮本さんの持論だろうか。厳しいのぉ。'92
小説らしい小説というか読んで面白い本というか落ち着ける雰囲気を求めて読み返してしまう本。一生懸命に生きる人が幸福にならなければ小説なんか読む意味がない。'93
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とても好きな作品。作者もあとがきで書いているとおり、この物語の結末としてはハッピーエンドなのだけど、でもなんとなく物悲しさも感じる・・・主人公の今後が平坦な道では決してなさそうなところがそう感じさせるのか?でも必ずこの主人公には幸せになって欲しい・・・思い入れが強すぎるかな??
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神戸をよく知っているせいか、絵がよく浮かぶ。ハッピーエンドが素直に喜べる作品。現在のところ、宮本輝のベスト。
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一気に読んじゃいました。
やっぱ、宮本輝はいいなぁ〜。
定期的に、この宮本ワールドにどっぷり浸りたくなるのは何故だろう。
今回の話しは、宮本作品にしては珍しくハッピーエンド?って感じの終わり方だった。
作者のあとがきが珍しくあって、そこにもたまにはこうのもいいかな、って感じの事を書いてあったけど、読後感が爽やかな感じがして、いつものように、ドッシリとした重厚な、重くのしかかってくるようなものがなく、こちらもスッキリできて良かった。
お話は、若くして夫に先立たれた美しき未亡人が、残されたフランス料理店を継いで働いてるんだけど、そこに、10歳も年下の画家との恋愛や、店を中心にした色々な出来事や、店を乗っ取ろうと企む悪人との拮抗とかが絡み合って、女主人公の成長物語って感じだけれど、彼女を囲む身近な人々の人間性の良さ、暖かさが良かったな〜。
まさに、人は宝なり、って感じがした。
ストーリーテラーで、華麗な筆致ながらも重たい宮本輝の、重たい部分がかなり緩和されてる作品って感じでしょうか。良かったです。
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色々事件らしきことが起こっているのに、主人公には、その火の粉が直接降りかかってこない。
なかなか新鮮な創りになっている。
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08.01.09読了。恋愛あり、はらはら感あり、謎解きありとすごい満足いった。30台前半で夫を癌で先立たれ未亡人になる典子。そして神戸のフランスレストラン、アヴィニョンの女主人としてがむしゃらに4年働く。生前に夫から買ってもらった、”白い家”の作者高見雅道出会い、恋に落ちる。そして謎の荒木夫婦がアビニョンに忍び寄る。あーもう一回は絶対読む!
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神戸が舞台の小説。
読みました。
いっきによんでしまいました。
北野の風景が浮かんできました。
久しぶりに小説読んで
楽しめました。
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神戸・北野坂の一流フレンチレストラン"アヴィヨン"を舞台に繰り広げられる恋とサスペンス(と言っても殺人はない)の物語。
アヴィヨンのオーナー・典子は元オーナーの夫に先立たれてあとを継ぎ、店を切り盛りしている。
しかしそれを妬む夫側の親戚や、レストランをのっとろうと企む人々に
狙われ、隣人や信頼できる人々と結託してレストランを守るために立ち上がった。
一方で、ふとしたことで知り合った年下の画家・雅道と恋に落ち、経営者の立場と、結婚したい自分の間で揺れる。
賢く謙虚で芯が強くて、そのくせ弱い部分もあって、おまけに美人の典子。
こんな女、男の理想なんだろう。
善良な人々が幸福になる話が書きたかった。
という、この小説を書いたときの宮本氏のコメントがあった。
確かに、悪者は最後には退治(?)されている。
最後は、まあ、幸せなのかもしれない。全員。
いったい何が言いたいんだとじれったいだろうけれど、典子は前夫の姑やその親戚や、レストラン関係やとしがらみがいろいろ多い。
無事に店の乗っ取りは阻止し、従業員も一致団結。
実質上別れる予定だった雅道も戻ってきたものの、すべての元凶であるしがらみのほうは何一つ解決していないのだ。
めちゃくちゃそれにこだわっていたのにも関わらず。
そこが一点腑に落ちないのと、全体的に ラグジュアリィ~すぎるのがいまいちだった。
私には年齢的にも経済的にも遠い「大人の贅沢」なのかもしれない。
何となく、百貨店のロイヤルサロンと、そこに集う客たちを連想してしまった。
貧乏画家を持ち出してきてバランスをとろうとしたのかもしれないが、
ラグジュアリーさが勝ってしまっている。
他の点では、ストーリーはちょっと推理小説めいていてスリルがあるし、恋愛のシーンも大人っぽいシックな情熱という雰囲気だ。
日本語が、谷崎まではいかないけれども、整っていてきちんとしているので読みやすい。
登場人物が関西弁でしゃべることも、関西人である私には会話のリズムがリアルに想像できて面白かった。
ボリュームがあり、内容も濃いため何度も何度も読み返したくなる作品ではない。
休暇のときなんかに思い出したように読みたくなるかもしれない、という感じの作品だ。
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手にとったのが、20代前半。
少し早すぎたようです。
未亡人の主人公の心の変化も、いまひとつ共感できなかったのを覚えています。
でも、深夜の電話のやりとり、遠距離恋愛、「錦秋」もそうですが、今なら考えられないような、丁寧な心の紡ぎ合い。
かみしめながら今一度よんでみたいです。主人公の年齢はもうこえてしまいました。
美しいタイトル…昔は深く考えなかったけど、恋人とのひとときを指しているのでしょうか。まさに花の降るひとときですよね。
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フランス料理店のマダムに訪れる恋と災難。
いろいろと葛藤はあるのだろうけれど
それさえも優雅に見えてしまううらやましい境遇です。
悪い人たちの力関係がよくわかっていません。
結局松木とかどうなったんだろう。
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輝さんの本にしては滲み出るような暗さがなくて、たまにはいいなと思うw
ストーリーより道具だてを楽しみながら読む本だと思う。
東海テレビの昼ドラにどうでしょう? 主人公はナラ・カミーチェみたいな白ブラウスを着てて欲しい。
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初めての宮本輝作品。心地よい幸福な作品。
坂の上のフランス料理店アヴィニョンを経営するマダム
最愛の夫に先立たれた未亡人典子37歳の物語
隣人リード、陰の支援者黄氏、アヴィニョンの凄腕シェフ…
典子の人望に惹かれた周辺人物の働きと、
その中心で若手画家との悦びに身を委ねる典子の対比
人生の選択をテーマとしつつもその決断ができず
今の悦びを大切に生きる
周囲で起こる陰謀は周辺人物の働きで終息
トラブルの当時者にはならずともトラブルは解決
店=これまでの人生or男=女としての幸せ
主軸となる重たい選択については先送りに…する辺りが妙にリアル。人生なんてこんなもんでしょ、時にはキッチリ決められない時もあるさね
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典子の恋の結末は、読者にゆだねる形で終わっている。
そこが不完全燃焼なような、余韻を残すかのよな、不思議な感じ。
アヴィニョンを守る彼女の戦いをもっと見たかったかな?
恋がメインになってて、その部分は物足りなかった。
ただ、揺れる彼女の心の葛藤は十分理解できた。
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神戸が舞台で、
主人公の女性が関西弁。
なんだか、上品な関西弁て違和感を感じる。
文字だと特に。