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映画版「指輪物語、第三部王の帰還」をめぐって
2004/01/13 06:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは、実は映画評です。でも、まだ日本では公開されていないと思いますので、ようやく第三部を見てつらつら考えたことを。
第一部の公開から二年、ようやく「指輪物語」第三部を観ることができました。これは前作にもまして、アクション志向、3時間15分の大作でも飽きることがありません。ただ、原作を読んだことのない英文学専門者には映画は大不評。なぜなのか。私も、勿論、映画を観終わって真っ先にしたことは原作をひっぱりだしての内容チェックですが、結局、映画は映画、原作は原作。そう思い切れました。そしてもう一度映画版に対する文句を見てみると、登場人物に厚みがない、とのこと。そりゃそうでしょう、みんな人間じゃないんだから、と思いつつ、ああ、これが原作−ファンタジーの魅力なのかと気づきました。「指輪物語」の読者ならご存知の通り、「指輪物語」では各人の自由意志が最優先されます。皆、自らすすんで危険をおかすんですよね。でも、それは自由意志とはいえ、定められたことだと各人が認識しているから。定められたことだけれども、それを自分の意志でもう一度選ぶことでやるべきことに対するコミットメントが生まれるわけです。そう見れば、皆決められたとおりに動いている。これじゃあ、ドラマになりません。でも、決められたことを自分で選んだこととして引き受けてゆく「ヒロイズム」(他に適当な言葉が見つかりません)がファンタジーの魅力なのだと、そしてこれに動かされない人は、映画だろうと、原作だろうと、何をみても満足できないだろうと思います。
トールキンが作り出したような世界を自分も作り出したい、と一時期思っていたことを思い出しました。