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紙の本
摂氏37度くらいの温もり
2002/07/20 07:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よの - この投稿者のレビュー一覧を見る
心が小休止を求める時に、この作品を読み返す。若木未生という作家が書く作品の中でいちばんホッとできる作品だ。
ある日街で、ロボットの真似をする大道芸人ザザに出会ったが、彼は、本当の機械仕掛けの少年だった。 話してみればごく普通の少年のようなのに、でも彼はピノキオのように「どうしたら人間になれる?」と考えている正真正銘の機械仕掛けの男の子。彼を作り出した大好きな優亜のために「人間になりたい」と、人間を見て勉強するために、研究室を飛び出したのだと言う。
こんなザザを拾ってしまった京平さんは京平さんで、妻を失ったことで命を鳴らすように弾いていたギターを鳴らすことできなくなってしまったギタリスト。妻の弟と一緒に暮らす家で、ザザと、血の繋がらない兄と弟との奇妙な3人の生活が始まる。
微妙に悲しく、微妙に強く、微妙に優しい3人の若い男たち。
すごくピュアな感情をぶつけてくる、まっすぐなザザを中心に色々な事件が起こり、「人間らしい」って何? なんていうなんとも答えに窮するような問いに、誠実に一歩一歩答えを導き出していこうとする優しい世界がここにある。
短編集なので読みやすいし、ふと思いついたときに読み返したくなるような、37度くらいの暖かいものが、この1冊にはあると思う。是非ご一読を。
紙の本
私はここから始まった
2001/06/24 22:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:miho_tokeshi - この投稿者のレビュー一覧を見る
あれは小学校高学年の頃だったか…。毎日本屋に行っては、『挿絵を見ては戻す、挿絵を見ては戻す』という奇行を繰り返していた私。ただ綺麗な絵が見たかっただけで、内容になど目もくれなかった(なんて奴…)。
そんなある日。偶然手にした「XAZSA」は、挿絵以上に強い『言葉』が詰まった、もの凄くパワフルで切なくて暖かくて愛しい本だった。ない小遣いをはたいて購入、何度も何度も飽きることなく読み返した。読めば読むほど、好きになった。親にまで本気で「これ良いんだよー!!」と薦めたりして(今思えば微笑ましい…)。
この本から、今日までの私と若木未生のなが〜い付き合いは始まったのだった。もし「XAZSA」に出会っていなければ、私の人生は確実に違う方向に行っていただろう。それくらい影響を受けた一冊です。
最近また読み返した時、あれからもう七年も経ったと知り、ビックリ。と同時に、少し恥ずかしさを感じさせながらも、今でも良いと思える作品の底力に、再び感動してしまいました。
ぜひぜひ皆様、ご一読を。