紙の本
ちょっと複雑な読後感
2002/02/08 14:57
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かけだし読書レビュアー - この投稿者のレビュー一覧を見る
はなはなとみんみは双子の小人兄妹。銀色つのの山の麓に広がる森の巨人の木で、両親や白ひげじいさんと共に暮らしていた。かっては魔法を使い栄えていた小人族だったが、過去に起こった小人大戦争をきっかけに一族はほとんど死に絶え、世界から魔法も失われてしまった。そんなある日、驚くべき知らせが訪れる。彼らの他に小人の生き残りが存在するというのだ。一家は仲間を求めて旅立つ決意を固める。
はなはなみんみ物語といった親しみやすいタイトルやほのぼのとした表紙の絵、そしてやわらかな文体から受ける印象とは異なり、内容の方はシビア。作者自身あとがきの方で記しているように、物語の中に深く暗い戦争の影が垣間見える。例えば、過去の戦争で登場する「いかり玉」という爆弾を身につけて敵地に突っ込む空中部隊は特攻隊を思わせるし、生き残ったことに対して負い目を感じている老人がいたり。残念ながらそういったエピソードが、この物語の持つ他の魅力的な部分まで撲殺しているように感じられた。
要所、要所、良い場面もあるし、魅力的な登場人物(動物)もいる。物語自体の雰囲気や展開も凄く良い。読んでいて作者の作品に対する愛情や真摯な姿勢も伝わってくる。家族で力を合わせて困難を乗り切る場面や、夜空を飛行する場面など、楽しい部分も沢山あった。それだけにスッキリと楽しめない部分(特に結末)が残念だった。そこさえなければ子供から大人まで広く親しまれる作品になったと思う。といっても決して悪い作品ではない。個人的にはとても気に入っている。これから先の展開に期待したい。
投稿元:
レビューを見る
この本も素晴らしいです。ゆらぎの詩の物語、よみがえる魔法の物語、ハリーポッターより先にこれほどまでの児童文学が日本にあったことを私たちは誇るべきです。
投稿元:
レビューを見る
双子の小人とそのナカマ達の物語です。これに、(2)ゆらぎの詩の物語、(3)よみがえる魔法の物語、と続くの。冒険と魔法の世界に、とてもドキドキ☆
ハードカバーの表紙もとっても素敵♪NoImageなのが惜しい。。
投稿元:
レビューを見る
和製ファンタジーの傑作第一巻☆
銀色つのの山を望む南の森の巨人の木に、双子の兄弟はなはなとみんみとその家族が暮らしていました。小人大戦争の生き残りの彼らはある日仲間を探しに北の森まで冒険をすることになります。そしてはなはな達は白ひげじいさんから、忘れ去られた魔法のひとつ、空中とびを教わるのです。
冒険に出た彼らはいろいろな困難や助け手たちに出会います。大蛙、ウサギの姉妹、いかり草、羊びと。
羊びとは小人族の知恵と魔法をつかって森を我が物にしようとしていたのでした。
投稿元:
レビューを見る
小学校の図書館で借りた、私の記憶する中で一番最初に読んだ長編物語。そして一番最初に読んだファンタジー。私のファンタジー好きライフはここから始まったと思う。
投稿元:
レビューを見る
はなはなとみんみ、ふたごの小人の物語。
物語中盤くらいからおもしろくなってきた。新しい小人の仲間に出会えた結末は予想外。少し謎解きの要素もあって面白く読めた。続きが気になる。
投稿元:
レビューを見る
小学生の頃に読んだ記憶の断片がありましたが、
内容はほとんど忘れていました。
今こそ読むべき教訓に満ちていました。
投稿元:
レビューを見る
はなはなみんみってなんだろ~と思ったら
はなはなとみんみっていう名前の双子でした。
男の子と女の子
生き残りの小人の家族が仲間を探して旅に出て
羊人(ひつじびと)っていう悪魔みたいな雲の悪霊みたいのと
たたかう
滅びた原因となった戦争で悪用された技術(爆弾の玉の植物や魔法(空飛ぶ力・もぐる力・なげる力))を
復活させるかおじいさん悩む
コマンド「なげる」
ってなんかゲームみたいだな~
かえるにさらわれたうさぎを助けたり
おじいさんが自爆してあっけなくお城をぶっこわし
羊人をけちらし
ハッピーエンド!
でもしあわせな暮らしに戻ったことでおわりじゃなくて
滅びてしまった小人の国に戻るようで
「つづく」っていう終わり方
小人である、っていうから歩幅もせまいし
月の力で空飛べたりするから
スケールでかいんだか小さいんだかよくわかんない・・
戦争とか何が正義かとかまちがった経験と未来への希望とか
そんなテーマ
投稿元:
レビューを見る
小学校高学年の時に読んだ本。
漢字があまり使われていなかったので、小さい子向けなのかな?と思いながら読み進めていくうちにどんどん引き込まれていった。
コロボックル物語を読み返すと、連動して読みたくなる本。
投稿元:
レビューを見る
小学生の時に図書館に有って、読んだらものすごーーーーーーーーく面白かった(●・▽・●) ✨✨✨
「はなはな」と「みんみ」って言う小人が出て来て冒険をするファンタジー物。
ファンタジーってこの本が初めてだったけど、読んだのが子供の頃だったから、ファンタジーだとは思って無かった。
現実の世界で起きてる話だと思ってた。
現実世界じゃないと気付いた時に、ファンタジーってこんなにワクワク┣¨キ(o゚Д゚o)┣¨キするものなんだって思った
投稿元:
レビューを見る
一番最初の本なので。
実は内容はよく覚えてません。10歳頃に学校の図書館で借りて読んだ初めての文字ばっかりの本でした。なんとなくしか覚えてないにも関わらず、今でも続きが気になってドキドキしたのを覚えています。
今でも本を読み続けているのはこの本のおかげです。
投稿元:
レビューを見る
タイトルと絵が可愛い感じだから、小人と動物のファンタジックなお話しだろうと読まずにきたが、読んでみた。
ナルニアやホビットのようなところもあるし、「床下」みたいなところもある。リスに乗るとこなんかベスコフの絵本みたいだし。
全体にオリジナリティはあまり感じられないが、一番強く感じたのは先の大戦への慙愧の念。「誰もが正義のために戦っていると信じ」知恵を結集して作った武器が自分たちを滅ぼしてしまう。著者は戦争が記憶にある世代であることは間違いないなと思った。
それだけに、未来に託する思いが強く伝わってくる。
もちろんこういった読み方は大人がするもので、子どもは冒険物語や家族愛の物語として読むだろう。
しかしそういう意味では先に挙げた作品に劣る。
人物描写は「床下の小人」の深さには達していないし、冒険は「ホビット」の方が絶対に面白い。
あと、「小人」っていうのは普通の人間に対して小さいってことだけど、この物語には普通の人間は出てこない。小人の物語は、普通の人間に対するアンチテーゼにもなっているけれど、普通の人間が出てこない以上、小人はそのまま人間としてとらえるべきなのだろう。
いろいろ疑問は残ったが、残りの2冊で謎が解けるらしいから、それに期待したい。
投稿元:
レビューを見る
何回読んでもそのたびにドキドキ、ぞくぞくする。
くるみパンやきなこじるを作るのどかで幸せな暮らしと、小人大戦争のもたらしたものとの対比。
戦争の様子を生々しく描いているわけではないのだけれど、その恐ろしさや生き残った者の苦しみがひしひしと伝わってくる。自分の力以上の能力を引きだす術を覚えたことで欲が芽生え、仲間同士で戦うという構図。支配者(ひつじびと)の機嫌を取るために二段階目の権力者(大がえる)が出現してもっと弱い者(うさぎ)を犠牲にする構図。魔法の魅力にとりつかれ、畑を耕して食べ物を作るような最も大切な仕事を軽く見るようになってしまった状況など、現代と重なってはっとする。
白ひげじいさんの言葉がずんとくる。
「戦いの最中には、だれもが正義のために戦っていると信じていたんじゃよ」
「相手をほろぼす方法を知ったときからこびとは決して戦いをやってはいけなかったのだ。しかしその誘惑に負けた。知ることの恐ろしさは、そこじゃ」
いかり草の歌、うさぎの歌など、易しい言葉しか使われていないのにひたひたと怖さが迫ってくる。
それでも、怖いだけの話ではない。小人家族、森の仲間たちとのやりとりがかわいくて楽しい。
投稿元:
レビューを見る
何回読んでもそのたびにドキドキ、ぞくぞくする。
くるみパンやきなこじるを作るのどかで幸せな暮らしと、小人大戦争のもたらしたものとの対比。
戦争の様子を生々しく描いているわけではないのだけれど、その恐ろしさや生き残った者の苦しみがひしひしと伝わってくる。自分の力以上の能力を引きだす術を覚えたことで欲が芽生え、仲間同士で戦うという構図。支配者(ひつじびと)の機嫌を取るために二段階目の権力者(大がえる)が出現してもっと弱い者(うさぎ)を犠牲にする構図。魔法の魅力にとりつかれ、畑を耕して食べ物を作るような最も大切な仕事を軽く見るようになってしまった状況など、現代と重なってはっとする。
白ひげじいさんの言葉がずんとくる。
「戦いの最中には、だれもが正義のために戦っていると信じていたんじゃよ」
「相手をほろぼす方法を知ったときからこびとは決して戦いをやってはいけなかったのだ。しかしその誘惑に負けた。知ることの恐ろしさは、そこじゃ」
いかり草の歌、うさぎの歌など、易しい言葉しか使われていないのにひたひたと怖さが迫ってくる。
それでも、怖いだけの話ではない。小人家族、森の仲間たちとのやりとりがかわいくて楽しい。
投稿元:
レビューを見る
何度も何度でも読みたい作品。
小学生の頃図書館で出会ったが、小人が魔法を使うシーンが忘れられず何度も読み返したのはとても良い思い出。内容は小学生向けになっているが、その物語の裏側にはこの世界に生きる私たち人間に向けた忠告がされているように思える。戦争や仲間同士の戦い、戦後の産物など一概に冒険物語…と、終わらせてはいけない本だと思う。大人になってまた読んでみたくなり購入。昔とは違う目線で読むことが出来た。