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紙の本
現実として描き切られた虚構
2001/10/12 08:36
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投稿者:渡辺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家が虚構を描くとき、しばしば、それを目的とした文体が用いられる。読む方はその文体のエネルギーによって熱せられ、あるいは冷まされてしまう。マルケスの文体の驚くべきことは、それが見てきたかのような、現実であるかのようなリズムと勢いだ。大統領府に牛が歩き、花壇の中でレプラ患者がうなだれている。読めば虚構に違いない場面が、彼の筆によってあたかも現実のように詳細まで描き切られている。独裁者になったことがある人間はこの世で何人もいない。しかし、この本を読むとそのシーンをつぶさに見ることは出来るのだ。