「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
ダイオキシン問題の本質とは何か
2001/04/01 13:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なすび前線 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダイオキシンは、遺伝子レベルで働く「猛毒」である。
本書は、ダイオキシンについての初歩的知識から、その毒性、汚染の現状はどうなっているのか、といったことについて非常にわかりやすく書かれている一般向けの解説書である。ダイオキシンについて専門の学生や研究者のレベルまで知る必要はないが、この本に書かれている内容は、様々な汚染物質に囲まれて生きている我々にとって必要な最小限の知識といえる。それは、環境問題に関心があろうとなかろうと必要とされるものである。
著者は、環境衛生学、環境遺伝学の専門家であるが、九州大学大学院生であった時にカネミ油症事件(1968年)の解明に深く関わった。以後ダイオキシン等に関する研究を続けている。当初、カネミ油症事件は、PCB汚染事故として処理されたが、著者を初め多くの研究者たちの努力により、後にダイオキシンが主原因であると考えられるに至った。
現在ダイオキシンは、我々を取り巻く環境を広く汚染している。そして、水、空気、食品の汚染を通じて微量ずつ人体に蓄積し、母乳には高濃度のダイオキシンが含まれるようになった。こうした微量の蓄積や母乳汚染といった問題は、一世代の悲劇に留まらず、次世代への影響が懸念される。著者は、汚染問題の本質は我々の生活そのものに原因があることを指摘し、母乳さえ飲めない哺乳類の未来を危惧している。