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紙の本
いつか必ず役に立つ
2003/03/27 14:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:松井高志 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔、「あしたのジョー」を読んでいて、ジョーが「このステレンキョウ!」と怒鳴るシーンがあった。
以来、「ステレンキョウ」ってなんだ、とずっと思っていて、はるか後になって、「てれすこ」という落語に出てくる珍魚「てれすこ」を干したもののことだと分かった。「てれすこ」にしろ「すてれんきょう」にしろ、どっちみち、多分意味のない言葉なのだが、リバイバルで梶原原作マンガが読まれている現在、落語を押さえておかないと、マンガが完全に読みこなせないということも事実なのだ。
そういえば、「巨人の星」に出てくる「百獣の王・獅子が我が子を谷底に突き落とし、はい上がってきた者を真の跡継ぎとして育てる」という逸話も、中国かどこかに典拠があるかと思うと、これが「太平記」(吉川英治じゃないぞ。楠公桜井の訣別である)なのである。
ことほどさように、名作マンガにはしばしば講談・落語や古典文芸の仕掛けがまるで地雷原のように、回避不能にほどこしてある。落語を鑑賞するに際して、文献的な知識はたいして役に立たない(かえって邪魔)のだが、こういう本は、いつか必ず思わぬところで役に立つんじゃないか。