「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:一般
- 発行年月:1995.6
- 出版社: 原生林
- サイズ:20cm/155p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-87599-072-3
紙の本
ムシの方舟
わたしが、ムシという老人に会ったのは、春の真っ盛りの午後のことでした。そして、ムシの方舟の中で、鳥たちとずうっと幸せでした。ところがある日…。表題作ほか5編の作品を収録。...
ムシの方舟
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
わたしが、ムシという老人に会ったのは、春の真っ盛りの午後のことでした。そして、ムシの方舟の中で、鳥たちとずうっと幸せでした。ところがある日…。表題作ほか5編の作品を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
ムシの方舟 | 5-28 | |
---|---|---|
つばさ | 29-52 | |
モクジ | 53-78 |
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
生命の炎
2000/10/27 12:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:長崎夏海 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中途半端な「癒し」なんかいらない! という人に、おすすめの本。眠れない夜に、しんとした音の中で、ぜひ読んでください。
六編の物語からなる短編集。どの作品にも傷ついたものが登場する。人間、鳥、狼、森・・・。
特徴的なのは、場面がビジュアルとして見えてくるところ。たとえば、森の木にびっしりとまっている炎のような「ボウボウ鳥」。たとえば、コタツになる猫、空を飛ぶ羊・・・。イメージがぱっと浮かんで、心に残る。もしピンとこないものがあったとしても、何かの時にふとその場面が浮かんできて、ああそうだったのかと、納得したりする。
表題作の「ムシの方舟」の主人公は、傷つけられた鳥をたくさん身体にとまらせている。まわりの人は主人公を変な目で見るようになり、主人公はその目におびえたあげく怒りの目でまわりを見るようになってしまった。殺伐とした心の救いを求める主人公を迎え入れたのは、森の中の方舟。作ったのは「ムシ」という老人。主人公は、ムシがだしてくれる美しいものばかりの中で幸せな時をすごすのだが・・・。ある時、ムシの中から赤く燃えるような鳥が出てきた! 自分の力でなにひとつしようとしない主人公に怒りをぶつけ、崩れ去るムシ・・・。
ぎょっとさせられながらも、なぜかつらくない。人を責めようとはしていないし、「本当のことが書かれている」と思わせるからだ。
生きていくのは、なんらかの形で他のものを傷つけ、ふみにじっている。そんな自分を、他人を許すとはどういうことか。
心の闇をかかえながら、どう生きたらいいのか。命とはなにか。 他のものと生きることとはどういうことか。
そうしたすごく大切な問いかけが、この本の底に流れている。そして、それを感じ取ったとき、なんだかとても優しい気持ちになれる。
児童書・絵本トップページへ