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紙の本
サマー・アポカリプス ロシュフォール家殺人事件 (創元推理文庫)
著者 笠井 潔 (著)
灼熱の太陽に疲弊したパリで見えざる敵に狙撃されたカケルを気遣い、南仏へ同行したナディアは、友人の一家を襲う事件を目の当たりにする。中世異端カタリ派の聖地を舞台に、ヨハネ黙...
サマー・アポカリプス ロシュフォール家殺人事件 (創元推理文庫)
サマー・アポカリプス
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商品説明
灼熱の太陽に疲弊したパリで見えざる敵に狙撃されたカケルを気遣い、南仏へ同行したナディアは、友人の一家を襲う事件を目の当たりにする。中世異端カタリ派の聖地を舞台に、ヨハネ黙示録を主題とする殺人が4度繰り返され……。2度殺された屍体、見立て、古城の密室、秘宝伝説等、こたえられない意匠に溢れる、矢吹駆シリーズ第2弾。【本の内容】
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紙の本
物語の本質は個々の事件にはない
2002/12/26 01:46
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アシェ - この投稿者のレビュー一覧を見る
矢吹駆シリーズ2冊目。
正直に言って、第一の殺人が起こった時点で、カケルの「本質直感」でなくても犯人と犯行方法くらいは見当がつきます。しかし、それはこの作品の場合瑕疵ではありません。物語の本質は個々の事件にはないからです。
物語のある段階で、ある地点に戻るためにプロットが折り返されます(このあたりどう書いてもネタバレになりそうなので難しいのですが)。そして最後に至り、実は表層に見えていたものとは違うところで、作品全体の原理が明かされることになるのですが、ともすれば形而上に昇華されてしまいそうな作品のテーマをカケルが解き明かす辺りは実に象徴的で、おそらくはシリーズを通じて笠井が書きたかったことがそこに集約されているような気がします。
そういう事情ですから、推理部分だけを取り上げて論じるのはこの作品の本質を見誤ることにもなりかねませんが、それでも一応推理小説としての側面を見てみると、細かいところまでしっかり作り上げられている本格ものといえます。おそらくそれだけでもこの作品の価値は高いでしょう。
なお、未読のかたには注意していただきたいのですが、このシリーズは順番に読むことをお勧めします。この作品でも前作『バイバイ、エンジェル』のネタを割っていますし、シリーズ全体を貫いている鍵が、順番に読まないと分からないようになっているからです。
紙の本
出来がすごい
2016/12/06 21:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:休暇旅行 - この投稿者のレビュー一覧を見る
推理小説を多く読んでいるとはいえないのに偉そうな口をききますが、これが本格推理小説かと圧倒されました。出来がすごい。論理が自然すぎるでしょ。警察の無能さやナディア(語り手)の若干の無神経さ等は気になりましたが、そういう小説的人間描写的些事ではない物語としての面白さには十分に腕が振るわれているので全体としては瑕になっていないと思います。
なお、シリーズ前作『バイバイ、エンジェル』を先に読まれることをお勧めします。
紙の本
カケルの強烈な個性が印象的
2001/10/27 01:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:上善如水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
やはりこのシリーズは探偵役カケルの不思議な個性が魅力。まるで修行僧のようなカケルの生き方は痛々しいほど。
作品としての雰囲気はかなり重厚で哲学的。とくにこの作品はテロリズムについて深く考えさせられた。米同時多発テロ以降にまた読みかえしても、新鮮な発見があった本。