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フェミニズム入門 (ちくま新書)
フェミニズム入門
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紙の本
入門書に非ず
2003/03/11 19:40
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:死せる詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ペダンチズムという言葉がある。衒学趣味というやつだ。専門書なんかを読んでみると、ひたすら専門用語が羅列されていて、しかもレトリックで粉飾された文章であったりして読みづらくとても読者の存在を意識した本とは思えない書籍がある。何かを説明する本としては、この様にペダントリィとレトリックに満ちているというのは言語道断である。この本も入門と謳ってはいるが、専門用語が多くフェミニズムに関する知識が全然無い人が読んでもサッパリ分からないだろう。専門書ならばまだしも、想定読者が初級者であるはずの入門書としてはあるまじき行為と言えよう。基本的に、中に書かれていることは専門用語で叙述されたフェミニズムの歴史といったところで、フェミニズムの興りから現在までをざっと説明している。そういう点からも、どちらかと言えばフェミニズムやジェンダー学を専攻する学生が授業の副読書として読むのに適しているのでは無いだろうか。
紙の本
困ったときに
2003/01/13 13:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:米作り - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本国内には「フェミニズム=過激な思想」という方程式が、疑いもなく蔓延しているように思える。「どんなときも、女が一番」これが、フェミニズムのすべてなのだと。
女性の権利獲得の歴史を語る上で、フェミニズムの役割を無視するわけにはいかない。男女の別にかかわらず、人間は誰でもよりよい社会的生活をしたいと願っている。フェミニズムは、その中でも女性に焦点を当てたものだ。本書は、様々な種類のフェミニズムの紹介、主要なフェミニストとその著書の紹介がなされており、内容、分量ともに「フェミニスト入門」の名にふさわしい構成となっている。
本書を読むと、フェミニズムは悩むことなく女性の地位向上だけを叫んできた思想ではないことが分かる。私は女であることから生じる「問題」と「結果」をごちゃまぜにして考えていたことに気づかされた。これだけ自己批判を繰り返して積み重ねられてきた思想ならば、フェミニズムを毛嫌いしてきた人でも、少し見方が変るのではないか。
レポートの作成にもよし。ワイドショーの女性コメンテーターの意見に対抗するための体力づくりにもよし。フェミニズム嫌いのあの人を説得するもよし。フェミニズムに反論するための研究にもよし。「男と女」について考えたくなったとき、ぜひ読んでもらいたい。