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トラブルに愛され、慕われるフリーターの葉村晶。ピンクの子供用自転車で駆けつける小林警部補。間抜けな隣人たちが起こす事件は危険すぎる。
【感想】
http://blog.livedoor.jp/nahomaru/archives/50433257.html
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葉村晶シリーズ一作目。葉村晶、初登場!そしてまだ20代!
初っ端から余談なのですが、なんといってもやはりこの藤田新策さんが描かれた表紙絵がたまりません……!!!杉田比呂美さんのあの、ほんわかとした表紙絵も大好きなのですが、やっぱりここは藤田さんの絵バージョンの単行本を私はお勧めします。
というか、藤田さんの表紙絵の本はどれも大好きです。この怖い空気がいい。温度感と厚みがたまらなくいい。静かさも良い。絵を褒めるとどうしても稚拙表現になってしまうのですが、とにかくこの絵をじっくり見るためだけでも一度は是非手に取っていただきたい本であります。
(二冊続けて羽村タグでごめんなさい)
-----あらすじ-----
二人の主人公が繰り返し登場する。30手前にしてフリーターの葉山晶。いろいろな変わったバイトにつき、そして日常でもバイト先でも困ったことに巻き込まれる。
ピンクの子供用自転車で現場にやって来るというちょっと毎回マヌケな登場をする小林警部補と助手の御子柴くん。でも小林警部補は、全然マヌケではない。
葉山、小林、と交互に主人公を変え作風も変えての短編集。実際に二人とも登場し出会うのは最後のトラブル・メイカーのみ。
良いバランスで読めます。
そして今回は一口メモかつあらすじです。
<海の底>
シミ抜きお掃除達人のバイトで極秘裏に呼ばれたホテルの一室、落とすシミは血痕。これはどういう事?葉村が20代…!感激!成る程、トップバッターとして良い作品ですな。
<冬物語>
雪山の山荘にて事件。倒叙ミステリです。小林警部補はどうやって犯人に気づいたのでしょう。
私は“倒叙ミステリ”という言葉を知らなくって、去年の冬の合宿中に某先輩達と話して勉強になりました。これが倒叙なのですね。勉強になります。
<ロバの穴>
もう設定がすごい。
人には言えないような愚痴や残酷な懺悔を聞くテレフォンセンター「王様の耳はロバの耳社」にてバイト中の葉村晶。耳を塞ぎたくなるような不倫の話やいじめの相談を聞く毎日。そしてその同僚が窓から飛び降りて自殺。その真相とは……?!
ダークネス過ぎて好き。寒気が良い。怖い。最高。
<殺人工作>
小林警部、登場がなかなか遅いです。良いところ持っていきます。
落とし所にやられました。こうなるのか。そして、ちょっぴり悲しい。
<あんたのせいよ>
これもまさに若竹作品っぽいです。これから先、葉村が雇用契約を結ぶ長谷川事務所が登場します。タイトルが良いっすね。
とあるアリバイ工作に巻き込まれた葉村。やれやれ。
<プレゼント>
昔起きた事件を、再び同じメンバーで検証していくうちに……。
さて、小林警部補は一体どこに?
<再生>
これも結構好きです。
とある作家が原稿を書いていましたビデオを撮るというアリバイ工作をしたら、なんとそのビデオには殺人事件が映っていた。そして長谷川事務所でのキャリア一年がたった葉村が事件解決に迫る。
<トラブル・メイカー>
葉村晶と小林警部補が登場。
意識不明重体の女性が発見される。なんとその女性のポケットからは、「葉村晶」とサインの書かれたクレジットカードが出てくる。
え?どういうこと???
_____________
単行本って重いですよね。けど夢中で読んできっとすぐ読めます。
こうやってレビューを書いていたらもう一度読み直したくなってきました。
ぜひ若竹作品の毒に中てられてください。
誰か語ろうよ。
ずっとパソコンに向かっていたら、背中が痛くなりました。ううう。
(羽村)
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葉村晶シリーズの1作目。といっても、葉村晶と、小林舜太郎警部補が絡む話が入れ替わりで出てきて、最後の章でシンクロするかんじ。とはいえそれぞれの事件がつながっているわけでもなく、晶は途中から長谷川の探偵事務所に入り、また辞めているし。そしてたぶん小林警部補がでてくるシリーズもあるのかな?それにしても晶のツイテナイのに最悪にはならないバイタリティみたいなのって、こういう家族関係だからかあー、っていうのがわかる1冊だから読んでよかった。さいきんいちばん惹かれているキャラ葉村晶。なんか、トリックに驚くとか、胸がすくとかいう類でなくて、呆れるけど憎めないトラブル巻き込まれ型のひとを放っておけなくて先を読んじゃいたくなるかんじの作品。みのりは出てこなかったしなあ。晶シリーズのあとひとつ、「依頼人は死んだ」を探さなくては。。。
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再読。昔読んだ本の記録から。8編の連作短編集。葉村晶シリーズの第1作目。面白かったけど、落丁が気になった。ちょっと多すぎじゃね。電話で愚痴を聞くロバの耳社の話が怖かった。最後のお姉さんの話もひどかった。何か、葉村晶のはミステリーというより、ハードボイルドな感じ。表題作の『プレゼント』は意味がよく分からなかった。どうしてこれを表題作にしたんだろう。これが一番面白くなかったけど。
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トラブルを引き寄せるフリーターの葉村晶。ピンクの子供用自転車に乗って現場に現れる小林警部補。この二人が交互に探偵役を務める連作短編集。クールでシニカルな葉村晶と、飄々としてとぼけた味わいのある小林警部補のキャラクターの落差が面白い。設定はちょっとコミカルかもしれないけれど、内容は人の心に潜む薄暗い部分を見せつけるようなものが多く、ブラック度の高い作品だと思います。軽い読み口に油断していると、毒気に当てられてしまいますよ。
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悪いうさぎがよかったので。
文脈を読ませる意図が、なんか独特。
晶の毒がより強い印象。小林刑事はいいきゃらでした^^
小粒の一編それぞれの殺人がおこるけど、どれもさらっとしている。
主観と客観をすりかえた、ちょっとトリッキーな書き方がおしゃれというのかも。
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もやもやすっきり。もっと欲しい!と思わせる展開で収束していく。葉村晶と小林警部補のそれぞれの物語がクロスする場面も一見の価値あり。
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フリーター葉村と刑事小林のそれぞれがかかわるミステリー短編集。
・海の底
・冬物語
・ロバの穴
・殺人工作
・あんたのせいよ
・プレゼント
・再生
・トラブル・メイカー
の8編収録。
葉村のパートと小林のパートが交互に来て、最後の書下ろしで二人が同じ事件で絡むという構成はありきたりではありますが嫌いでないです。
葉村のパートは基本的に葉村目線なのに対し、小林のパートは犯人などの第三者目線なので、必然的に葉村の物語の方が事件に巻き込まれながら独白で毒を吐くことに共感を覚え。度の物語も面白かったです。
小林の方が物語よりキャラが立ちすぎているように思いましたが「殺人工作」の動機は良かったです。
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図書館で借りた本。
8編の連作短編集。トラブルメーカーの羽村晶と小林警部のどちらか、もしくは両方が登場して、意外な謎を解いて行く。短編なのに、最後になるほど、こう来たか。と意表を突かれ、途中で中断すると話が分からなくなってしまうほどでした。
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今年のこのミスで2位の「静かな炎天」を読むにあたって、シリーズものだと言うので最初から読もうとまずはこの本を。
葉村晶と小林舜太郎(この人もシリーズがあるのかしら?)のエピソードが交互にあり、最後2人がコラボする。
葉村晶、結構複雑な家庭事情である。そしてなんか生き方がカッコイイと思う。
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目次
・海の底
・冬物語
・ロバの穴
・殺人工作
・あんたのせいよ
・プレゼント
・再生
・トラブル・メイカー
葉村晶シリーズの第一作。
とはいえ、葉村晶が出る作品と出ない作品が交互に。
なぜそんな構成なのかと言うと、最後の作品を読むとわかる仕掛け。
人の悪意を抉り出すのが上手い。
計算づくの悪意、無意識の悪意。
悪意を放出する醜さを、本人は気づいていない。
ただ、周りとそしてたまに本人をも不幸にする。
そんな短編集。
「海の底」のトリックはわかりましたが、それ以外の作品はしっかりミスリードされました。
一転、二転、そして三転。
悪意の物語の割に楽しく読めたのは、そういうわけ。
「トラブル・メイカー」の最後の一行の衝撃。
え?その一行で幕引きなの?
悪意が成就して終わる、潔い幕切れ。
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『静かな炎天』で葉村晶を気に入ったので、シリーズの最初から読む事にした。
これは短編集で、まだ職を転々としていた頃の葉村と、ひょうひょうとした小林警部補が探偵役の話が交互に入っている。
基本的に後味の悪い話が多く、特に最後の書き下ろし「トラブル・メイカー」は真相にどんよりしてしまうが、話の転がり方が面白し、淡々とした語り口なのでダークになりすぎないところがいい。
小林警部補もいいキャラなんだけど、シリーズにはなっていないようで残念。
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久しぶりの再読。
葉村晶シリーズ第一作は、小林警部補・御子柴刑事とのコラボ作品だった。
26歳からスタート。最初フリーライターで、その後職を転々としながら探偵事務所へ。
それにしても晶の周囲には何故これほど自己中心的な人物ばかりがいるのか。
「あんたのせいよ」は正にそんな人々を代表するような話で晶の不運に同情する。
さらには彼女の家族もまた…。だから晶はタフなのか。
小林警部補&御子柴コンビもなかなか。地味なようで冴えてる探偵の典型。
初期作品だけにアッサリしていたり、ミステリーというよりブラックユーモアのような話もあったが全体的には楽しめた。
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探偵・葉村晶シリーズの原点であり、御子柴刑事シリーズともクロスする8つの連作短編。
もうすぐ29歳、平凡な容姿、定職につかず転々と職を変えるフリーター葉村晶。彼女が探偵となるまでを描いたこの短編集は、葉村シリーズのいわゆるエピソードゼロともいえる。
トラブルに愛され、なぜか厄介ごとを引き寄せてしまう彼女が、文字どおり体を張って真相を暴いていく物語は、ミステリといいながら、謎を解くことだけに主眼をおいていない。
どの作品も、ミステリの周辺にいる普通の人々の何ということもない日常を描きながら、その心の奥底にある悪意や汚さ、醜さをさらりと暴き出している。
その人物描写、人間心理の掘り下げ方は宮部みゆきの杉村シリーズにも似ている(厄介ごとを引き寄せるところも杉村三郎にそっくり)。
葉村が杉村と違うところは、彼女のもつシニカルな目線。どこか冷めた目で自分を含めた人間を見ているような言葉の数々、人に期待していないような淡々とした語り口が心地いい。
どの短編も、短いながら人の心の毒を余すところなく描いて、解決してもスッキリ感はない。特に「ロバの穴」は読後が相当悪くて尾を引いた。
だけど、それが妙に癖になって、次をまた読みたくなるんだな~。
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短編集だが面白さの落差が激しい。葉村だから小林だからというわけでもない。いつものことだが後味の悪い読後感で、かつ本作は終わり方が「え、そこで終わっちゃうの?」感がスゴイ。嫌いではないがそんなに好きでもないかな。