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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1996.9
  • 出版社: 講談社
  • レーベル: 講談社ノベルス
  • サイズ:18cm/709p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-06-181928-3

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コズミック 世紀末探偵神話 (講談社ノベルス)

著者 清涼院 流水 (著)

【メフィスト賞(第2回)】「今年、1200個の密室で、1200人が殺される…」。密室卿を名のる人物から前代未聞の予告状が送りつけられ、次々と殺人が起こる。未曽有のスケール...

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コズミック 世紀末探偵神話 (講談社ノベルス)

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コズミック 世紀末探偵神話

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【メフィスト賞(第2回)】「今年、1200個の密室で、1200人が殺される…」。密室卿を名のる人物から前代未聞の予告状が送りつけられ、次々と殺人が起こる。未曽有のスケールを備えた密室連続殺人に九十九十九が挑む。【「TRC MARC」の商品解説】

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みんなのレビュー53件

みんなの評価3.2

評価内訳

紙の本

「個性」について考える

2008/03/30 20:52

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:redhelink - この投稿者のレビュー一覧を見る

 メフィスト賞第二回受賞作。まず思うのは文章量!!ノベルスで700ページを読むためには覚悟がいる量です。その覚悟もあり無事読破したわけです。仕事そっちのけで・・・。割と細かく文章が切れるので、休み休み読めるのはとてもありがたかったです。

 内容は、次の文が入った犯罪予告状から始まります。

「今年、1200個の密室で、1200人が殺される。誰にも止めることはできない 密室卿」

 そして、300ページ弱が19個の密室殺人について描かれています。いずれも首を胴体から切り離されているという異常な死体。これはかなりインパクトがありました。また、被害者のプロフィールも載せられていましたが、法則性が見つからず、うなったことも今では懐かしいです。余談ですが、読破して振り返ると、真理に触れていたのに意識できていなかったことが残念でもありました・・・。

 序章の密室殺人では、被害者の殺害されるまでが描かれるわけですが、現代人の苦悩や思考の仕方、若者の想いなど、世の中の核心に迫ることのできるテーマが潜んでいると感じました。約10年前の小説ですが、変わらない悩みが多いことに驚き、また今はライトノベルでよく見られるパラレルワールドについても触れられていたことにも驚きました。
(パラレルワールドについては、文学におけるパラレルの歴史を知らない部分が多々あることを告白します。解釈がおかしい点についてはご了承ください。)

 密室殺人の描写のあとは、推理について描かれています。ここでも注目すべき点がいくつかありましたので、今回は2つほど取り上げたいと思います。

 1つ目として気になったのは探偵の人数の多さです。これは、小説の中にJDC(日本探偵倶楽部)という名探偵が集まった組織があるのですが、話に直接関わる人数が他の小説より圧倒的に多いです。

 2つ目は、1つ目と関連することです。それは、その名探偵一人ひとりに個性が強く描かれている点です。詳しく言うと、推理の仕方がまったく違う人物ばかりなのです。この点については実際に読んでもらうことで味わって欲しい部分です。

 さて、内容についてはこのくらいにして、私が思ったり感じたことを2点、以下に書いていきます。

 1つ目は、ヒーローがたくさんつまった話、つまり戦隊モノとダブったわけです。それぞれが違う個性を持ち、それらが相乗しあう美しさを私は感じました。

 誰かが引き立て役というわけではなく、それぞれが主人公格のような魅力を持っているのです。「個性」というものが特に注目される昨今、皆が自分も相手も高められる存在になろうとすることが大切だと考えます。

 2つ目は、解釈によっては1つ目を否定しうる内容ですが、書かせていただきます。

 それは、「九十九十九」という完璧なる人間の存在です。決して多くの描写があったわけではない彼の、人間を超越した存在感は、ある意味異常なのです。

 容姿端麗、探偵として世界トップクラス。

 これだけの文章が彼のアイデンティティに必要な言葉であり、十二分なのです。この「超越者」も個性の1つの在り方かもしれませんが、一般人の「個性」の域を軽く超えている彼と共に推理する他の探偵たちは一体何なのかと考えてしまったわけです。

 正直、描写が少なすぎるので結論を出すまでには至っていませんが、人としての在り方とは何かということを自分なりに咀嚼するきっかけになりました。

 700ページという量にはそれなりの思考する時間が提供されます。「個性」というものについて咀嚼してみようと思う人には読んでいただきたいです。

 追記。この小説の特徴の一つである「言葉」については他の方の書評に書かれていると思われるので割愛しました。

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紙の本

ミステリがわからない人へ

2002/02/01 01:33

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:谷池真太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「今年、1200個の密室で、1200人が殺される。誰にも止めることはできない。 密室卿」という犯罪予告。そしてその通りに次々と起こる密室殺人。果たしてこの桁外れの犯罪は誰が、何の目的で行っているというのか? そして同じ頃、イギリスでは「切り裂きジャック」の再来が起こっていた! と、いう感じなのだが、結末を読んだ時は、はっきり言って「なんじゃそら」と思った。だが、それから数ヶ月、綾辻行人の「十角館の殺人」や横溝正史の「本陣殺人事件」を読んでいるうちに、「ああ、なるほど。そういうことだったのか」と合点がいった。そして、面白さが分かったのである。 …つまりそれまでは三作品とも何が面白いかさっぱり分からなかったのである。

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紙の本

これはちとやり過ぎでは…

2002/07/31 01:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る

ものすごく評価が難しい大作です…。もう1冊読んでみよう。
以前に「全日本じゃんけんトーナメント」を読んだことはあったの
ですがここはひとつデビュー作から挑戦してみよう!と思い立ちま
した。

設定なんかはとても魅力的だと思います。パラレルワールド的な日
本にJDC(日本探偵倶楽部)という組織があり、犯罪捜査の頭脳
的役割を果たしている世界。ある日、マスコミ・警察・JDCなど
に「密室卿」という謎の人物から予告状が届く。「今年1200個
の密室で1200人が殺される。誰にも止めることは出来ない」そ
の恐るべき内容は、元旦の初詣ででにぎわう平安神宮での殺人から
幕を開ける。そして「密室卿」の予告通り、1日に3〜4人のペー
スで次々と密室殺人は実行されていく。

本文700ページ中最初の286ページは延々と密室殺人の状況が
描写されていて、「え?もしかして1200の密室全部が書かれて
いるの?」と言うくらいのスローペースの展開。しかも、確かに衆
人環視の中で誰も目撃者がいないというのは密室になるのかも知れ
ませんが、力技の密室が多くて…(笑)。独特の言葉遊びもあちこち
にちりばまられているし、ミステリおたく(どんな人なのかはわか
りませんが)には、楽しめる作品だとは思います。でもいかにせん
風呂敷を広げすぎたという感じはします。ラストが、ああいうオチ
なのは、話が壮大になっている分だけ、反則な様な気がします。で
も構築されている世界観なんかはデビュー作とは思えないほど絶妙。
さすが京大ミステリ研出身というか、さすがメフィスト賞受賞作と
いうべきか…。とりあえずJDCものを、もう1冊は読んでみよう
と言う気にさせられました。

しかしノベルス版で使われている、著者近影…。これは京極さんで
当たったからなのでしょうか?なんだかこう異様にぼやけた正体不
明な著者近影で…。これはやりすぎでしょう(笑)

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紙の本

ジョークがわかる人には面白い。

2002/03/29 03:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:れじー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 これは読む人によって全く違った評価が得られると思う。このネタ(トリック)でこれだけ長い作品になるのもある意味すごい。途中でトリックがわかった人も多いだろうが、まさかこれだけ引っ張っておいてこんな単純なトリックではないだろうとドキドキしながら読んでいたが、思っていた通りの結末で呆然としてしまった。
 正直言ってかなりくだらないし疲れる本である。読み終わったときのものすごい脱力感に襲われた。

 しかし、これを駄作だと言って憚らない人もいるようだが、私は駄作だとは思わなかった。人間離れした探偵が数多く出てきて、皆個性的なのが面白かった。密室も暗号もトリック自体は本当にくだらないと思ったが、逆にそのくだらないところが面白かった。
 あまりにもくだらないギャグを言うと逆にそれがウケる、というアレである。

 というわけなので、「本格以外は絶対に認めない!」という人には面白くないだろう。
 気を張りすぎてちょっと気を緩めたいと思っている人には最適の一冊。但し、疲れている人はさらに疲れが増す可能性があるので御注意を。

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2005/09/14 12:09

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2004/10/11 20:15

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2004/10/23 22:43

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